oblivionとは、忘却とか、忘れられている状態という意味らしいです。
そうなんだ。
迫力あった。
ジュリア役のオルガ・キュリレンコのインタヴューによると、CGが使われているのは、バトルシップのチェイスシーンだけらしい。見てて何となく分かるので、懐かしい感じがした。
チェイスシーンは、スター・ウォーズにも似ている。空と砂漠が広がっていて、生活感のない空中住居(?)には、残された監視員、トム・クルーズとその妻の通信士が暮らしている。二人は「あなた、行ってらっしゃい」、という感じとはどうも違うのだけれど、この妻だって、心を抜かれた人形ではないようなのだ。ほかの人類と一緒にタイタンへ行きたいという願いが、ただ彼女を動かしている。ただしトム君演ずるジャックと自分が、運命共同体だということに、気づいてなかったようだけど。
SF映画で描かれる未来は色々あるけど、こういう景色は結構好きだ。シンプルで、記憶の空白が表されているんだろうか。
ここまでが前半。後半になると少しスピード感がアップして、はらはらどきどき。
個人的に今回、トム・クルーズが一番かっこよかった瞬間は、コックピットの真横に来た敵を、銃で撃ち落とすところ。
隣にがくがくしている妻を乗せ、ビュンビュン攻撃してくる敵に撃たれて、今にも墜落しそうなバトルシップ。がたがた揺れる中でドアも吹き飛び、そこへ敵が追いついて併走する形に。絶対絶命!撃たれる!と、そんな状況で、ですよ。「あなた~」と叫ぶ(違ったかも)妻を横に、体を上下に揺られながら、ふっと横を向き、左手の上に銃を持った右手。狙いを定め、一発で仕留める。顔色一つ変えない。
決して自信満々のキャラクターではないし、どちらかと言えば、他人のいないところで淡々と自分の仕事をこなすマイペース風だけど、いきなりプロの冷静さを見せるのであった。非人間的とも思える静かな顔は、トム様、美しい。ぱちぱち。揺さぶられ続ける、今回の受け身の役柄においてはわりと異例で、やっぱりこういう瞬間もなくっちゃね。
最後の方で、ちょっと筋が分からなくなったけども。(個人的にSFでありがち)
ジョセフ・コジンスキー監督、2013年、アメリカ。