基礎的な話に戻ってしまいますが。
「安全」と「安心」の違いについて話したいと思います。
一時期「安全と安心は違うものです」というのが流行りました。
現在の食品業界では、これはもはや常識として、声高に言う人は減ってきたように思いますが。
でも、大事なことなので、改めて書いておこうと思います。
「安心」とは。
例えば、「この野菜はおじいちゃんが作ったから、安心」とかそういうことです。
このおじいちゃんがヘビースモーカーで、煙草の吸殻を水出しすると虫よけになるから、と畑にまいていたとしても、「安心」して食べていたりしますね。
たばこ抽出物は農薬としての使用が禁止されているという記載が農水省の特定農薬の紹介のサイトの最後に書かれていますし、危険なので使わないで下さいと言うアナウンスも出ています。
でも、自分がよく知っている「おじいちゃん」が作ったからには「安心」なのです。
「安全」ではなくても。
「安全」とは。
新しい農薬が開発されて、安全性試験を行った結果、高濃度でも人体への影響は極めて低いことが明らかになりました。
特定の害虫には特異的に強い効果を示すので、使用も少量ですみます。
しかし、消費者は「新しい農薬」ということで「安心」できません。
上記の二つの例のように、安心だからといって安全ではない、安全だからといって安心できない、ということが多々存在します。
安全でない、かつ安心でない、ものは、分かりやすく言えばフグの肝とか毒キノコとか。
ですが、安全かつ安心、というものは、なかなかぱっと出てこないですね。
それだけ、そういったものを探すのが難しい、ということだと思います。
安全、というのは、科学などではかるものです。
世の中に完全に安全、というものは恐らく存在しません。
技術の進歩により、測定機器が進歩してこれまで測定できなかった程度の微量な成分まで検出できるようになりました、とか、新しい研究により、これまで危険とされたものが実は安全であったと証明されたり、これまで安全とされたものが実は危険であったりとか、時代によって変化するし、量と質とで考えなければならないものです。
あくまで、「現時点」で、「特定の条件下」では「安全とかんがえられる」と言ったものです。
一方、安心とは、人の心です。
「安全だ」と信じる心が安心です。
顔写真が載っている野菜は、全く何の根拠もないのに、安全なのではないかと思う、それが安心です。
国がこの添加物の安全性を評価した結果、毒性が低い、使用量も少ないからこの商品は安全だ、と思う、それも安心です。
根拠にどれほどの信用性があるかは問わず、その人が納得したら、それが「完全なる」「安心」なのです。
科学に基づいてしっかりしていそうな「安全」が実は曖昧なもので、人の心の思う「安心」の方が遥かにゆるぎないものだと、私は思います。
消費者を「安心」させるのは事業者や当局の課題ですが、安心がゆるぎないように、安心の対極にある不安も割とゆるぎないので、大層難しいものです。
例えば、無農薬農業を推進する人が煙草抽出液を撒けば虫が寄ってこない、安心だ!と言いますが、
その人の考えでは、「タバコは安全だが農薬は危険」です。
しかし、現代の科学の知見では、タバコの抽出液を農薬の代わりに使用するのは安全ではないから禁止だ、となります。
ただ、その人にそれを伝えたところで、「だって私は煙草をすっているが死なない、でも、農薬を撒けば虫が死ぬじゃないか」と議論にならない場合があります。
虫が死ぬから人も死ぬのではないかと直感的に不安を感じてしまうのは仕方がないことです。
自分が吸っても死なない煙草の方が安全に思えるのもうなずける気がします。
ですが、煙草を食べた子供が死ぬ、というように、実際煙草の成分を煙でなく直接摂取するのは大変危険で、下手したら死にます。(煙も危ない、とかそういう理屈は一旦横に置いておきます)
農薬は許可されたものであればある程度安全性が保障されていますし、使用基準を守ればおそらく直ちに問題は無いです。
キシリトールは人がとると虫歯にならなくていいかもしれないけど、犬にとっては毒、というように、人と他の動物では作用が違う物質というものが確かに存在するのです。
しかし、こういったことをいくら理詰めで説明しても、感覚的にすんなり受け入れて貰えるかは非常に難しいです。
今はインターネットに情報があふれています。
しかし、無農薬推進ブログで上記のタバコ農薬が推奨されていたり、と受け手が情報をきちんと選別できなければインターネットを活用するのは難しい時代にもなりました。
私はインターネットで情報を探すときは、ドメインがどうなっているか確認します。
go.jpであれば、日本の政府機関のどこかの情報なので、割と信頼性が高いと考えます。
しかし、昨今、調べ物をしようと検索をかけると、いわゆるキュレーションサイトなどが出てくる比率が非常に高いです。
また、「政府のいう事なんて信用できるか!」という考えの人もいます。
まぁ、政府のいう事を丸のみしていても仕方ないのですが、学術論文を読みあさるとか、学術書を読み解くとかが気軽にできる環境なら兎も角、インターネットでの検索程度の範囲では、信用できるかどうか、といえば、他にあまり信用できるようなドメインの心当たりがないのも事実です。
直観に従って「安心」できないものは一切買わない、というのもありだと思います。
納得して購入して消費する、というのが、一番大事なことだと思います。
小難しいことは聞きたくもない、というなら、ありだと思います。
ただ、誰かのいう事をうのみにして「これは安心だ」と思い込んでしまうのも危険だと思います。
先に書いたように、安全は移ろいゆくものなので、安心していたらいつの間にかおいて行かれていた、という可能性もありますので。
最近は所謂「専門家」と言われるような大学教授などが、自説をさも通説のようにテレビやネットで語るので、皆さん気をつけましょう。
「専門家」だといっても、一人が一人で言い張っているだけの可能性もありますし、専門家が専門外のことを語っている場合などもありますので。
肩書で信用して「安心」しないようにご注意くださいね!
(とブログで資格を載せてる人間がいう矛盾…まぁ、私は専門家って程の資格の持ち主ではないから許してください…)
「安全」と「安心」の違いについて話したいと思います。
一時期「安全と安心は違うものです」というのが流行りました。
現在の食品業界では、これはもはや常識として、声高に言う人は減ってきたように思いますが。
でも、大事なことなので、改めて書いておこうと思います。
「安心」とは。
例えば、「この野菜はおじいちゃんが作ったから、安心」とかそういうことです。
このおじいちゃんがヘビースモーカーで、煙草の吸殻を水出しすると虫よけになるから、と畑にまいていたとしても、「安心」して食べていたりしますね。
たばこ抽出物は農薬としての使用が禁止されているという記載が農水省の特定農薬の紹介のサイトの最後に書かれていますし、危険なので使わないで下さいと言うアナウンスも出ています。
でも、自分がよく知っている「おじいちゃん」が作ったからには「安心」なのです。
「安全」ではなくても。
「安全」とは。
新しい農薬が開発されて、安全性試験を行った結果、高濃度でも人体への影響は極めて低いことが明らかになりました。
特定の害虫には特異的に強い効果を示すので、使用も少量ですみます。
しかし、消費者は「新しい農薬」ということで「安心」できません。
上記の二つの例のように、安心だからといって安全ではない、安全だからといって安心できない、ということが多々存在します。
安全でない、かつ安心でない、ものは、分かりやすく言えばフグの肝とか毒キノコとか。
ですが、安全かつ安心、というものは、なかなかぱっと出てこないですね。
それだけ、そういったものを探すのが難しい、ということだと思います。
安全、というのは、科学などではかるものです。
世の中に完全に安全、というものは恐らく存在しません。
技術の進歩により、測定機器が進歩してこれまで測定できなかった程度の微量な成分まで検出できるようになりました、とか、新しい研究により、これまで危険とされたものが実は安全であったと証明されたり、これまで安全とされたものが実は危険であったりとか、時代によって変化するし、量と質とで考えなければならないものです。
あくまで、「現時点」で、「特定の条件下」では「安全とかんがえられる」と言ったものです。
一方、安心とは、人の心です。
「安全だ」と信じる心が安心です。
顔写真が載っている野菜は、全く何の根拠もないのに、安全なのではないかと思う、それが安心です。
国がこの添加物の安全性を評価した結果、毒性が低い、使用量も少ないからこの商品は安全だ、と思う、それも安心です。
根拠にどれほどの信用性があるかは問わず、その人が納得したら、それが「完全なる」「安心」なのです。
科学に基づいてしっかりしていそうな「安全」が実は曖昧なもので、人の心の思う「安心」の方が遥かにゆるぎないものだと、私は思います。
消費者を「安心」させるのは事業者や当局の課題ですが、安心がゆるぎないように、安心の対極にある不安も割とゆるぎないので、大層難しいものです。
例えば、無農薬農業を推進する人が煙草抽出液を撒けば虫が寄ってこない、安心だ!と言いますが、
その人の考えでは、「タバコは安全だが農薬は危険」です。
しかし、現代の科学の知見では、タバコの抽出液を農薬の代わりに使用するのは安全ではないから禁止だ、となります。
ただ、その人にそれを伝えたところで、「だって私は煙草をすっているが死なない、でも、農薬を撒けば虫が死ぬじゃないか」と議論にならない場合があります。
虫が死ぬから人も死ぬのではないかと直感的に不安を感じてしまうのは仕方がないことです。
自分が吸っても死なない煙草の方が安全に思えるのもうなずける気がします。
ですが、煙草を食べた子供が死ぬ、というように、実際煙草の成分を煙でなく直接摂取するのは大変危険で、下手したら死にます。(煙も危ない、とかそういう理屈は一旦横に置いておきます)
農薬は許可されたものであればある程度安全性が保障されていますし、使用基準を守ればおそらく直ちに問題は無いです。
キシリトールは人がとると虫歯にならなくていいかもしれないけど、犬にとっては毒、というように、人と他の動物では作用が違う物質というものが確かに存在するのです。
しかし、こういったことをいくら理詰めで説明しても、感覚的にすんなり受け入れて貰えるかは非常に難しいです。
今はインターネットに情報があふれています。
しかし、無農薬推進ブログで上記のタバコ農薬が推奨されていたり、と受け手が情報をきちんと選別できなければインターネットを活用するのは難しい時代にもなりました。
私はインターネットで情報を探すときは、ドメインがどうなっているか確認します。
go.jpであれば、日本の政府機関のどこかの情報なので、割と信頼性が高いと考えます。
しかし、昨今、調べ物をしようと検索をかけると、いわゆるキュレーションサイトなどが出てくる比率が非常に高いです。
また、「政府のいう事なんて信用できるか!」という考えの人もいます。
まぁ、政府のいう事を丸のみしていても仕方ないのですが、学術論文を読みあさるとか、学術書を読み解くとかが気軽にできる環境なら兎も角、インターネットでの検索程度の範囲では、信用できるかどうか、といえば、他にあまり信用できるようなドメインの心当たりがないのも事実です。
直観に従って「安心」できないものは一切買わない、というのもありだと思います。
納得して購入して消費する、というのが、一番大事なことだと思います。
小難しいことは聞きたくもない、というなら、ありだと思います。
ただ、誰かのいう事をうのみにして「これは安心だ」と思い込んでしまうのも危険だと思います。
先に書いたように、安全は移ろいゆくものなので、安心していたらいつの間にかおいて行かれていた、という可能性もありますので。
最近は所謂「専門家」と言われるような大学教授などが、自説をさも通説のようにテレビやネットで語るので、皆さん気をつけましょう。
「専門家」だといっても、一人が一人で言い張っているだけの可能性もありますし、専門家が専門外のことを語っている場合などもありますので。
肩書で信用して「安心」しないようにご注意くださいね!
(とブログで資格を載せてる人間がいう矛盾…まぁ、私は専門家って程の資格の持ち主ではないから許してください…)
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