東京育伸会講師ブログ

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人間も機械も大量のINPUTが必要

2016-05-23 | 教務

こんにちは,大山です.

先日ふと思ったことを書きます.

 

僕は現在,大学院で「ディープラーニング」を用いた研究をしています.

ディープラーニングとは,簡単に言えば人間の脳の神経構造を真似て,機械が人間のように学習し,機械自身で考えられるようにしたものです.

最近ではディープラーニングを利用した人工知能であるGoogleのアルファ碁が,人間で一番強いとされるプロ棋士に5戦中4勝し,話題となりました.

長い間悪手としてきた一手が,実は良い手であったことをアルファ碁から教えられることになり,人間は囲碁に関してまだまだ無知だったのかと衝撃が走りました.

 

このアルファ碁,今では人間が思いつかないような手を自ら考えて打てるようになったわけですが,最初から頭が良かったわけではありません.

その前段階として,アルファ碁は膨大な量を学習しています.プロがこんな局面ならこう打つ,というのを大量にINPUTしたんです.

大量にINPUTして考える材料を得た結果,自分で新しいことまで考えられるようになったんですね.

 

これって人間も同じなんじゃないかと思いました(というか元々ディープラーニングが人間の神経構成を真似ているのですが笑).

「暗記」という言い方をすると,どうも頭を使っていないかのような悪い印象を持つ人が多いんですが,やっぱり「暗記」は立派な学習であり,スタートだと思います.

そもそも「学ぶ」の語源は「真似ぶ」,つまり真似することです.

古来から覚えることを覚えて,真似をするのが学習であることに我々は気づいていたはずなんです.

それなのに,最近は試験の形式が変わるとかで,これからは暗記しても意味がなく,自分で考えられるようにしていかなきゃいけないなんて話が出る.

これはおかしな話です.

 

論理的思考力が足りていないと思う人,数学や理系科目が苦手で自分は理系に向いていないという人は,自分の脳の神経構造を信じて(笑)大量に定石手法をINPUTしてみてください.

そのうちきっと新しい視点で考えられるようになってくるはずです.


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