3)イスラム過激派対策
イスラム過激派やそのテロ活動のことにこだわり過ぎたかもしれない。これは、もちろん、本意ではない。本意ではないが、いわゆる「中東問題」が続く限り、アフガニスタンやイラクであのような状態が続く限り、またイスラム世界が奮起してかつての栄光を取り戻す努力を始めない限り、イスラム過激派によるテロは増大こそすれなくなることはないと思われる。こだわらざるを得ないのだ。
米国での同時多発テロ、マドリードでの対鉄道テロ、ロンドンでの対地下鉄テロ、パリでの暴動と、大規模なイスラム・テロ活動が続いている。もしこれらが日本で起きたらと考えると、戦慄をおぼえるが、他人事と見ることはできない。いつかは起ると考えて、対策をとらなければならないところに来ていると考える。
イスラム・テロ対策は、都道府県単位のいわゆる自治体警察のよくするところではない。もちろん警察の協力は欠かせないが、国境を越えた問題であり、直接国の安全にかかわることでもあるので、やはり専従者が専門的に当るイスラム過激派テロ対策機関を新設すべきではないだろうか。具体的には、防衛省の中にひとつの部署をつくってはどうか。公表することでもないので、すでにそのような組織ができて活動しておれば幸いなのだが。
対策には、巨大な装置は必要ないのでお金はかからないが、時間がかかる。ここで言う「対策」とは、ほとんど情報収集のことであるが、それには人材の養成がすべてであるからである。人材の養成には時間がかかる。第一歩は、若い意欲のある人を選んで関係国の学校に留学させることだ。三年、四年と現地の人に混じって生活させることだ。出先の大使館などによりつかせてはならない。また、武器を扱うことが出来なければならないのはもちろん、重火器や爆薬、生物兵器などについての実際的な知識も必須である。一カ国だけではダメで、やはり一人で二、三カ国を担当できるようにしなければならないだろう。
次に大切なことは、諸外国の関連の情報機関とのコネづくりである。それも、機関どうしの定例会議といった低いレベルではなく、専従者どうしが顔と名前を知り合い、いざという時に互いに電話で重要な情報交換が出来るようなコネづくりである。これは、言うはやすしだが、実現するのは非常に難しいと思われる。しかしこれをやらないことには実効があがらない。留学期間中につとめてその道の人と交際を深め、その後も一年のほとんどを関係諸国をぐるぐる歩いて回るようにしなければならないだろう。目星をつけた人物を尾行して、世界中を駆け回らなければならないだろう。ミュンヘンでリオネル・デュモンを追い詰めたのも英独の混成チームであった。そのおかげで、わが国は最初の爆破テロを免れたかも知れないのである。
このような専門家が10人、15人と育ってきて、データベースが充実してきて、はじめてイスラム過激派テロ情報機関として機能し始めるであろう。やはりスタートまでには最短でも10年のプロジェクトである。それでもテロ活動を100%抑えることは、とても、できない。現在のヨーロッパを見れば歴然である。それでも何かやらないわけには行かない。
繰り返しになるが、予見される将来にわたって、中東問題が収束することは考えることができない。アラブ・イスラムの海に浮かぶイスラエルが、周囲のイスラム人に呑み込まれ、同化されて消滅するときが、中東問題がなくなるときなのだ。先鋭なイスラム教が、日本の仏教のように枯れて、何ごとにも鈍感に、かつ寛容になるときがくるまで、聖戦(ジハード)は続くと考えないわけには行かない。そのようなときが実際にくるかどうかは分からないが、とにかくとてつもない時間がかかる。そのときまで、わが国にとっても、イスラム・テロは潜在的な脅威として存在する。
イスラム過激派やそのテロ活動のことにこだわり過ぎたかもしれない。これは、もちろん、本意ではない。本意ではないが、いわゆる「中東問題」が続く限り、アフガニスタンやイラクであのような状態が続く限り、またイスラム世界が奮起してかつての栄光を取り戻す努力を始めない限り、イスラム過激派によるテロは増大こそすれなくなることはないと思われる。こだわらざるを得ないのだ。
米国での同時多発テロ、マドリードでの対鉄道テロ、ロンドンでの対地下鉄テロ、パリでの暴動と、大規模なイスラム・テロ活動が続いている。もしこれらが日本で起きたらと考えると、戦慄をおぼえるが、他人事と見ることはできない。いつかは起ると考えて、対策をとらなければならないところに来ていると考える。
イスラム・テロ対策は、都道府県単位のいわゆる自治体警察のよくするところではない。もちろん警察の協力は欠かせないが、国境を越えた問題であり、直接国の安全にかかわることでもあるので、やはり専従者が専門的に当るイスラム過激派テロ対策機関を新設すべきではないだろうか。具体的には、防衛省の中にひとつの部署をつくってはどうか。公表することでもないので、すでにそのような組織ができて活動しておれば幸いなのだが。
対策には、巨大な装置は必要ないのでお金はかからないが、時間がかかる。ここで言う「対策」とは、ほとんど情報収集のことであるが、それには人材の養成がすべてであるからである。人材の養成には時間がかかる。第一歩は、若い意欲のある人を選んで関係国の学校に留学させることだ。三年、四年と現地の人に混じって生活させることだ。出先の大使館などによりつかせてはならない。また、武器を扱うことが出来なければならないのはもちろん、重火器や爆薬、生物兵器などについての実際的な知識も必須である。一カ国だけではダメで、やはり一人で二、三カ国を担当できるようにしなければならないだろう。
次に大切なことは、諸外国の関連の情報機関とのコネづくりである。それも、機関どうしの定例会議といった低いレベルではなく、専従者どうしが顔と名前を知り合い、いざという時に互いに電話で重要な情報交換が出来るようなコネづくりである。これは、言うはやすしだが、実現するのは非常に難しいと思われる。しかしこれをやらないことには実効があがらない。留学期間中につとめてその道の人と交際を深め、その後も一年のほとんどを関係諸国をぐるぐる歩いて回るようにしなければならないだろう。目星をつけた人物を尾行して、世界中を駆け回らなければならないだろう。ミュンヘンでリオネル・デュモンを追い詰めたのも英独の混成チームであった。そのおかげで、わが国は最初の爆破テロを免れたかも知れないのである。
このような専門家が10人、15人と育ってきて、データベースが充実してきて、はじめてイスラム過激派テロ情報機関として機能し始めるであろう。やはりスタートまでには最短でも10年のプロジェクトである。それでもテロ活動を100%抑えることは、とても、できない。現在のヨーロッパを見れば歴然である。それでも何かやらないわけには行かない。
繰り返しになるが、予見される将来にわたって、中東問題が収束することは考えることができない。アラブ・イスラムの海に浮かぶイスラエルが、周囲のイスラム人に呑み込まれ、同化されて消滅するときが、中東問題がなくなるときなのだ。先鋭なイスラム教が、日本の仏教のように枯れて、何ごとにも鈍感に、かつ寛容になるときがくるまで、聖戦(ジハード)は続くと考えないわけには行かない。そのようなときが実際にくるかどうかは分からないが、とにかくとてつもない時間がかかる。そのときまで、わが国にとっても、イスラム・テロは潜在的な脅威として存在する。