ティフォシモデルカー美術館

1/43フェラーリモデルカーに特化した個人コレクター美術館です
千台以上所蔵の一部、300台程を常設展示しています

フェラーリ 312B

2021-12-20 | F-1

Ferrari 312B~312B3

(1970~1975年)

フェラーリ312Bシリーズは、スクーデリアフェラーリが1970年から1975年にかけて、

F1世界選手権参戦用に開発したF1カーである。

1970年は312B、1971年と1972年は312B2、1973年から1975年までは312B3を使用した。

車名の312は3,000ccの12気筒エンジン、Bはボクサー(水平対向エンジン、をあらわす。

このキャプションでは便宜上、車両312T~312T5に大まかに分類し表示する。

 

Ferrari 312B

(1970年)

2位ジャッキーイクス(白)

3位クレイレガッオーニ (瑞)

17位イグナツィオギュンティ(伊)

2位コンストラクター

代表フランコゴッツィ

Tec.engマウロフォルギエ―リ

ボクサーエンジン。

1966年に3lエンジン規定が導入されてからフェラーリは60度V型12気筒エンジンを使用していたが、

4シーズンに渡りタイトルから見放されていた。

この間に登場したフォードコスワースDFVエンジンに対抗すべく、

フォルギエリら技術者は新たに180度V型12気筒エンジンを開発した。

ボクサーエンジンと通称されているが、

このエンジンの向かい合う2つの気筒が1つのクランクピンを共有し,

ピストンが同時に同じ方向に動くという構造はV型エンジンのバンク角を180度にしたものと

見ることができ、このエンジンの表現としてボクサーエンジン,水平対向12気筒はあまり正確ではなく、

正確に表現しようとするなら180度V型12気筒ということになる。

12気筒エンジンではクランクピンの間に1個ずつ軸受(ベアリング)を置く7ベアリングが一般的だが、

摩擦抵抗を減らすためベアリングをクランクピン2個毎に減らし、

中間のベアリングを廃止した4ベアリング(中央2つがプレーン、両端がローラー)とした。

テストでは振動の問題が発生したため、

クランクシャフトとフライホイールの間にラバーダンパーを追加した。

312に搭載されていた60度V12エンジンよりもバンク角を広げたことで重心が低下し、

車両の運動性能が向上した。

また横幅をコンパクトに抑え、若干の重量減も果たした。

ボクサーユニットは横置きトランスミッションを採用した312Tシリーズにも搭載され、

1970年代後半に4度のコンストラクターズタイトルと3度のドライバーズタイトルを獲得する

名基となった。

F1以外ではスポーツプロトタイプの312PB (1971年-1973年)にも、

耐久レース用に回転数と出力を落としたバージョンが搭載された。

量販スポーツカーでも365GT4BB(1973年)からF512M(1994年)までボクサー路線が継承された。

シャシー,ボディは平たくなったものの、フロントにラジエーターを置く葉巻型である。

シャシーは鋼管フレームにアルミパネルをリベット留めする、フェラーリ伝統のセミモノコック方式。

モノコック後端上部から水平に2本の支持アームを伸ばし、

ボクサーエンジンを吊り下げる格好にしているのが特徴だった。

ロールバー上部からエンジンに向けて斜めにステーを伸ばし、

そのステーにリアウィングを装備していた。

1970年シーズン開幕戦から投入された。

当初はジャッキー・イクスの1台エントリーで、第4戦以降はF1ルーキーのレガツォーニと

イグナツィオギュンティがセカンドシートをシェアしたが、レガツォーニがレギュラーに定着した。

前半戦は予選で速さを見せるものの、信頼性を欠き成績は振るわなかった。

しかし、第9戦オーストリアグランプリでイクスとレガツォーニがワンツーフィニッシュを達成。

第10戦の地元伊GPでは、レガツォーニがF1デビュー5戦目で初優勝を果たした。

第11戦カナダGPでは再びイクス、レガツォーニがワンツーフィニッシュを果たす。

ポイント28点のイクスが残る2戦も連勝すれば46点となり、リントを1点差で逆転することになる。

しかし、第12戦米GPではリントに代わってロータスを駆るフィッティパルディが優勝し、

リントのドライバーズタイトルが決定した。

フェラーリは最終戦メキシコGPもシーズン3度目のワンツーフィニッシュで締めくくり、

13戦中4勝5PP7ファステストラップという好成績で、

ロータスに次ぐコンストラクターズランキング2位となった。

ドライバーズタイトルは、

1位ヨッヘンリント(45P)

2位ジャッキーイクス3勝(40P)

3位クレイレガッオーニ1勝(33P)

3,000㏄180°V12、NA

DOHC4V ,EN,MT縦置

450PS、534㎏、5速+1速

L4,020㎜

前9-22-13,後12.5-26-15