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Wilma's Diary

2005年いきなり始まった認知症介護生活。その時々の思いを忘れないために,自分のために書き留めています。

何なの?この解放感

2009-05-12 11:39:44 | Wilmaの思い~介護

連休が終わり,週末が過ぎ,昨日はオットの出張に合わせてのショートに義母を送り出し,ようやく落ち着いた日が送れそうになってきた。これまでも,水曜日は,私は義母とかかわらずに過ごせる日ではあったが,たいていボランティア活動(弱視の子供たちのための拡大教科書づくり)で出かけるので,家でゆっくり1日過ごすということはほとんどなかった。今週は,月曜日から3泊のショートをお願いしているので,木曜日の夕方まで,義母から解放される。

そして,今日は,本当に何も予定のない日。とはいえ,昼前に,近所の郵便局へ行った。小規模多機能ホームへの4月分の支払いに必要なお金をおろし,自分ちの固定資産税を支払うために。郵便局のそばにスーパーがあり,そこで昼ご飯も調達。暑かったので冷たいそばを買って帰った。パックからそばを出して,添付のつゆをかけて,大根おろしなどをトッピングして食べるやつ。


食べながら,ハタと気づいた。

こういうおそば,家で一人で食べるのは初めてだ。

昨年までは,義母といっしょに,義母の家でよく食べた。
電車やバスに乗って小一時間かけて出向き,
家の中のごちゃごちゃを片付けて洗濯機を回し,
時にはトイレや床掃除をしてから,
やっと昼食モードに入る。

インスタントとはいえ,トッピング材料をいちいち小袋から出すのはめんどくさい。
それが2人分となると,小袋の数も結構になる。

そばorうどん
大根おろしorとろろ
つゆ
わさび
ねぎ
天かす

そして
温泉卵うずら,はたまた天ぷらなど豪華にトッピングして,

義母となにやら訳のわからない会話を交わしつつ食べるおそば。

煩わしさ
めんどうくささ
うっとうしさ

そんなものもいっぱいトッピングされたおそばに比べ,
今日のは,

正真正銘の素そばだった。

快適だけどモノ足らない。

だけど,

余計なトッピングはやっぱり要らない。


連休最終日・・・後味悪し

2009-05-06 15:33:14 | Wilmaの思い~介護

元々の予定では,今日は,義母は通いも休みで家で過ごすことになっていた。私たちは,朝から夕方まで家に居て,夕方義妹とバトンタッチというつもりだった。しかし,急遽,明日の受診に備えて,夕方からホームに行くことになったので,その旨彼女に伝えなくちゃと,を書いた。すぐに,返事があった

「先ほど兄からも電話がありました。了解。」

私は,彼女は家でいっしょに夕食を食べる必要はなくなったけれど,ホームの方に面会に行ってくれるものと思って,今月の予定表のコピーを渡そうと持っていったのだった。もしかしたらホームで会えるかもしれないし,会えなくてもホームのどなたかに託けておこうとしたのだけれど,結局彼女はすぐには現れなくて,預けることも忘れていた。帰りの車の中でそのことに気づいて,オットに言うと,

「今日は来ない。」

はぁ~?? オットと電話でどういうやりとりがあったのかはわからないけれど,私へのメールには,了解としか書いてなく,一瞬信じられなかった。義母自身はほとんど回復していて心配して飛んでくるほどのことはないけれど,それでも,もともとは来る予定になっていたのだったし,一応病気だったのだから普通なら顔を見に来ないかなぁ?義母の発熱より,このことの方が私にはショックだった。


知恵熱?

2009-05-04 13:04:30 | Wilmaの思い~介護

昨日,無事に父の13回忌を済ませ,渋滞に巻き込まれながらも大きなトラブルもなく,88歳の母も元気に帰宅した。3日ほど前に朝起きたら腰が痛くて動けなかったというのがウソのようで,いつもお世話になっているご近所へ,兄の車でお土産配りにまわり,車から乗り降りすること10数回。そして,遅めの夕食を食べ,運転で疲れた兄や何もしなかったオットが居眠りする中,一人がたがたとまだ後片付けに余念がない母。一番年寄りが一番元気。どうなってるんや!?

義母は今夜もホームにお泊まりで帰宅は明日夕方。なので,我々はもうしばらく自由に過ごせるのであるが,明け方から私は頭が痛くてロキソニンを飲んだが,昨日の疲れが抜けない。また,実家のご近所で頂いた竹の子やタマネギのお土産が重く,まっすぐ家に帰ることにした。その道中電車の中で,ホームのケアマネさんから電話。何事かと思ったら・・・

今朝から血圧が高く,元気もなく,食欲もなく,
さっきから熱が出てきたとのこと。
もう少し様子をみて,何かあったらまた連絡します
ということだった。
この4年間熱など出したこともなかった義母が,
なんでまたこんな時に限って~~。知恵熱か?



その後1時間ほどして家に着き,荷物を置いて着替えて・・・と,猛烈な睡魔に襲われ,そのまま2時間ほど寝てしまった。気づいたら7時半。慌てて,夕食を食べに出ることにしたが,遠くまで行くのも大儀だなあと思っていたら,我が家から車で3分ほどのところにある小さなフランス料理のレストランが開いていたので,そこへ飛び込んだ。ラストオーダー寸前で,ちょうど2組のお客さんが出てきたところで,私たちの貸し切り状態。コース料理しかないので,前菜,スープ,メイン(オットはフルコースを頼んだので,魚料理と肉料理の間にシャーベットまで出てきた)と順に料理が運ばれて来る中,再び電話が鳴った。

夕方から,熱が上がってきて38度あるので,
解熱剤(ロキソニン)を飲ませようと思うがよろしいか,と。
私は,怪我とかしたときの痛み止めとして病院でもらったロキソニンを
大事にしていてたまの頭痛時に飲む。今朝も飲んだばかりだ。
私には合っているのかよく効くし,外科などで出される痛み止めといえば
ロキソニンなので,ごくごく一般的な薬だと思うので,
お願いします,と返事した。



フランス料理などのんびり食べている場合じゃないだろ!という声も聞こえたような(もちろん,私たちとしては,優雅に今夜はおフランス料理としゃれてみよう,なんて気持ちでここへ来たのではない)・・・だけど,保育園などで子どもが熱出したらすぐに迎えに来い,といわれるのとは違うような感じでもある。どうなんだろう?ホームとの付き合い方というか,こういう場合の対処のしかたがわからない。

連休中で医者は休みだし,かといって救急に駆け込むほどのこともないと言うケアマネのことばには,「迎えに来い」というニュアンスも感じられなかったので,とりあえずは甘えてお任せすることにした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかし,今回の我々の外泊に合わせての義母のステイ,
目的が法事であったので,熱を出して世話をかけ,
上記のような気持ちの上での迷いはあったけど,
うしろめたさを感じたり,良心が痛むことはなかった。
しかし,もし,これが,たとえ一泊であってもお楽しみのための旅行だったとしたら,
どんな気持ちになっていただろう。
ショートステイは介護者のリフレッシュのために必要なことである,
という認識は介護に携わる人たちの間にはかなり浸透した考え方ではある。
また,ショートステイさせるのに理由は問われない。
多分,今回の連泊が遊びの旅行であったとしても,
良心のとがめなど感じずに堂々と出かけていたと思う。
でも,たまたま初めてのこういう機会に予想もしなかった発熱騒ぎで,
次は純粋に2人で旅行にでも・・・
と芽生えかけていた小さな望みの芽がしぼみそう・・・


私はMW?

2009-04-07 16:26:53 | Wilmaの思い~介護

火曜日は,朝は行かない代わりに夜行くことにしている。月曜日の朝は,昨日の日記の通り。水曜日は,前夜(つまり火曜日)からオットが泊まるので,朝の支度は問題ない。ただ,お迎えに来ていただく頃にはオットは出かけているので,一人で居るところを連れ出してもらうという算段。そして,今日,火曜日は,私は朝は行かない代わりに夜行く。で,その朝であるが,お迎えに来ていただく9時半から10時の間は,義母はたいがいまだ布団の中である。一旦早くに起きてパンを食べたり,新聞を取り入れたりすることはあっても,再び寝ていることが多い。そんなところへ,お迎えに来てくださるのだ。最初の打ち合わせでは,どこに何があって,どういう風に起こして,食事をさせて,戸締まりやゴミ捨て,片付けはこうこうで・・・と事細かにお願いをしていたのであるが・・・

一度は布団が敷かれたままであった。また,いつも,履き替えたパンツ(のゴミ)がない。昨日の早業からすると,たとえ,パンをまだ食べていなくても,とにかく「連れ出すこと」が第一義なのだ。昨日の早業からすると,ひょっとしたら,シーツごとくるまれて出かけるのではないかとさえ思える。まぁそれはそれでいいのだけど・・・

しかし気がかりなことがある。

私が朝行く月曜日とか休みの日(もちろんこれまでもずっと朝や昼前に行ってたときも),洗濯や布団干しが必要なかったことがほとんどない。特に,私が行くときは,寝ている布団がドンピシャと濡れていて,被害がそれだけで収まっていることはあまりなく,家中グショグショということが多いのだ。敷き布団にダミー布団,掛け布団,カーペット敷き・・・本人は背中までびっしょりで,おまけに汚れたパンツがとんでもないところに脱ぎ捨ててあったり,トイレまでの通路が洪水状態であったり・・・と,後始末に大わらわのことがしょっちゅう。この冬は天気が悪い上に干す場所が足りなくなり,ついにコインランドリーを利用することもあった。

それなのに,これまで火曜日の朝,一度も布団を干さねばならなかったような事態がなかったみたいなのだ。何で私の時だけ?MWな私・・・

そして,今日は,やっぱり・・・と思った。

義母が帰ってくる1時間ほど前に着いた。朝刊は取り入れてなかったし,雨戸も開いていた。でも,布団はちゃんと畳んでしまってあった。お茶を沸かしたり,盛りつけなど大体夕食の用意をしてからちょっと外へ出て居る10分ほどの間に,オットが到着しそして義母も帰ってきていた。そして,夕食を食べて,8時半頃,オットがいつものように布団を敷き始めた。「今日はシーツも汚れてないの?」「そうみたいやで。寝間着も畳んで押し入れに入っていた。」「何でやのん?私が来る日はいつもびちゃんこやのにぃ~~っ」で,オットがシーツの下のペットシーツを見てみるとやっぱりちょっと汚れていた。ということはシーツも汚れているってことじゃない!「もう乾いてるからええやん。明日洗おう。」というのだ。私はもうこれから帰るし,明日は来ないから,勝手にして~と放っておいた。ところが,義母を布団に入れるとき,シーツに顔を近づけたらやっぱり,臭かった~~。確かにあまりにびしょびしょではなかったから,そのまま気づかずに畳んでしまわれたのだと思うけれど,やっぱりこのことはちゃんとお願いしないといけない。また,火曜日の朝の様子をちゃんと教えてもらえるように連絡帳を作るなどして欲しいと思っている。普通デイとかショートではそういうモノがあるらしいから。 


リハビリ

2009-04-02 16:14:35 | Wilmaの思い~介護

リハビリといっても,被介護者のリハビリではなく,私の,である。

先の日記に書いたように,私の生活全般に再構築が必要である。その事始めとして,ちょとだけ働くことを考えた。「考えた」というかたまたま目に入った求人広告。4月のはじめの10日間だけの,市(区)役所でのアルバイト。泣いても笑っても10日間なら,なんとかなるだろう。これから先のことはわからない。でも,外へ(働きに)出ることの第一歩としてはちょうどよさそうだ。100均で履歴書用紙を買ってきて,何年かぶりで書いた。時給はよくないし,交通費も出ない。仕事は,税務関係の入力。黙々と入力すればいい仕事なら得意だ。私にぴったりの仕事。もっと適任の人なんているかしら?すでに採用が決まった気分。で,3月の終わりのある日,面接を兼ねた説明会に出かけた。派遣会社が入札で取った市役所の仕事である。

12人くらいの人が来ていた。しかも男性が4,5人。あとは,主婦っぽい女性。説明のあと,前の席から3人ずつオープンに面接。私は2列目で自分を含め6人の応募者の様子がわかった。前列2人は男性。最初の男性は60過ぎのおじさん。聞いていると,どうも税務署関係のOBみたいな人で,すでに同じような仕事をしているという。次の若い男性は,大学を卒業したところで,公務員試験には受かっているが採用待ちだとかで,いつ採用があるかわからないので,短期のアルバイトをしたいという。次の女性は,最初のおじさんと同じく,既にどこかの役所に行っているらしい。みんな手強い。次は私の列。隣のお兄さんは,院卒だという。この方は,秋から何か資格取得のために学校に行くとか行っていたけど,理系の院卒の人が,時給900円にも満たないアルバイトに応募してくる時代なんだ。私の右隣は,私と年格好の似たおばさん。横目で履歴書を見たら,学歴も似たようなものだった。そして,なんとこの方も,前の2人と同じく税務署でアルバイト中。3人とも今日はローテーションから外れた休みの日で,みんな3月いっぱいで切れるのでその後の仕事を求めて来ているというのだ。後ろの2列の人たちはどんな人かはわからなかったけれど,少なくとも6人中3人が経験者(現役)。3人が男性。このような説明・面接会が,この日だけで3セットくらいあったと思われる。そして,もう1日行われることになっているので,7,80人,もしかしたら100人くらいの人が,この仕事の争奪戦に加わる計算だ。人柄とかそういうものはほとんど関係なさそう。経験とあとは配属される役所との距離がモノをいいそうな感じだった。だとしたら,私は多分×だろうと思った。確かに面接に行くまでは,私が採用されないで誰が?なんて思っていたけれど,甘かった。この不況下の雇用情勢を目の当たりにしたその衝撃の方が大きかった。そしてなんだか疲れて,万が一採用の連絡があっても断ろうと思い始めていた。そして,やっぱり,数日後履歴書が返送されてきた。

実際4月に入って,あぁ本当なら(というのも変かな?)今頃働いていたのだな~なんていう思いが浮かぶことは確かだけれど,やっぱり何もなくてよかった,というのが正直なところ。まだまだ,働きに出るところまで,こころのリハビリが出来ていない。もうちょっと家のなかで出来ることを1つ1つやっていこうと思っている,今日は,その手始めに,ケーキを作った。明日はオットにお弁当を作ってあげようと思う。  


上がり?ふりだし?リセット?

2009-04-01 16:20:42 | Wilmaの思い~介護

義母が小規模多機能ホームを利用し始め,私の生活は一変したといって過言ではない。しかし,4年前,当地へ引っ越してきて,いきなり通い介護の生活が始まったことに比べれば,たいした変化ではないかもしれない。それまでは,私は,13年間,週3~4回働いて,それなりに自由になるお金を稼いで,気ままな生活をしていた。趣味はパッチワークや料理・お菓子・パン作り。こちらへのオットの転職が決まったときには,パン教室をやりたいなぁなんてちょっと夢を抱いたりもしていた。そして,この家(マンション)も,いくつか候補があったなかで,その環境のすばらしさに惹かれて,夫婦二人住むにはちょっと贅沢なくらい広いこの部屋を選んだ。新しく買う家具はほとんどなかったけれど,台所だけは,以前のマンションはカップボード兼作業台は特注で作りつけていたので持ってくるわけにはいかず,うまく使えるように購入するなり考えなくてはならなかった。特にキッチンは,実際に使ってみないとわからないから,住み始めてからおいおい考えていこうということで,「とりあえず」,古いカラーボックスなどを組み合わせて臨時の棚を置くことにした。ところが,まだ引っ越しの荷物が全部開かないうちに義母の認知症状が顕著になり,新居のキッチンどころではなくなったのだった。転居に伴ういろいろな手続き,オットは新しい職場でいろいろ大変だし,家のことについてはカーテンやエアコンなど,最低限の環境を整えることで精一杯だったのだ。だから,台所については4年経った今も,「とりえあえず」の棚がそのままである。食器だって,こちらへ来てから使っていないモノもたくさんある。

小規模多機能という恵まれた施設を利用できるようになり,いきなり10日以上のショート中は,まるで「介護すごろく上がり!」と言いたくなるような気分だった。だけど,週の後半3泊のお泊まりと月・火のデイを基本にしたパターンが軌道にのりつつあり,家のことをちゃんとする時間的・精神的余裕が出来てきても,なんだか「今更~」という感じで,なかなか行動に移せない。4年間は長すぎた。「上がり!」なんかじゃなかったんだ。結局「ふりだし」に戻っただけなような気がする。単に「ふりだし」に戻ってすべてが元のままかというとそうではなく,逆にモノが増えて,中途半端に改善されている部分もあったりして,全くのゼロからの再構築ではないのである。それは,台所に限らず,私の生活全般について言えること。「ふりだし」でもなく「リセット」でもなく・・・1つのステージをクリアしたけれど,またより困難な次のステージのスタートラインに立っているといった感じなのかなぁ・・・


ほんならあんたが連れて行ってくれるんかい!?

2009-04-01 12:26:20 | Wilmaの思い~介護

3月3日に書いたことと重複するけれど,通いサービスを受け始めて1か月経って,これまでずっと思ってきたこと,改めて思ったことなど記しておこうと思う。

義母は,人付き合いが悪いというほどではないけれど,あまり社交的ではない。近所づきあいも昔のことは知らないが,希薄である。認知症状が出てからは歩行も困難になり,そのことは本人も自覚があるようで元来の慎重な性格も手伝って,自分から外へ行こうとしない。ここ2年くらいは,車に乗せて2,3か月に1回医者や美容院に連れて行く以外,玄関から先へ出たことがない。徘徊で大変な思いをしておられる方の話を見聞きすると,申し訳ないくらい,その心配がない。だから,家の中が少々ぐちゃぐちゃになっても,火の元さえちゃんとしておけば,夜間も,また昼間でも半日以上放っておけた。そんなわけで,介護保険もデイサービスに出かけるのではなく,ヘルパーさんに来ていただくというスタイルでの利用を続けてきた。それとてなかなかうまくいかなかったのであるけれど。

お風呂もきらいではないけれど,気が乗らないと,「外へは行かないから,汚れていない」と理屈をつけて拒否したし,唯一行ってくれていた歯医者も,行くのをいやがり,結局入れ歯も壊れたままついに歯なしになってしまった。また,あまりにも髪が伸び放題で,みっともないから美容院に連れて行こうとしても,「別にどこに行く訳じゃないから,きれいにしなくてもいい」と言い張り拒否。「汚れていない」とか「きれいにしなくてもよい」という理由は一応言うけれど,だんだん,その目的とするところがいやなのではなく,「外へ出ること」自体がいやなのだとわかってきた。「行こう」というと「いや」と言うことはわかっているので,何も言わずに手を引いてホイホイホイと連れ出すに限る。しかし,ある時,美容院を予約していて,その手で連れ出そうとしたけれど,玄関まで来て,頑として動かなくなったことがあった。テコでも動かないということの見本のように。そのころ,ハリケーンとか竜巻の被害が相次いで報じられていて,ちょっと不謹慎だけれど,「竜巻でも来てくれないかな。家の方から飛んでってくれないと,おかあちゃんを外へ出せないわ」などと冗談を言っていた。

そんなわけだから,デイサービスなんて問題外。どうしても,という事態が起きた場合にはショートステイさせる必要はあるかもしれないけれど,デイケアとかデイサービスはムリムリムリと思っていた。もし,同居していたなら,ちょっと違っていたかもしれない。介護者がずっと一緒というのを避けるという目的でデイに通わせているという人も多いし,介護者・被介護者両方のために必要なことだと思う。でも,こちらが,1日のうち限られた時間通って面倒を見る分には,必要ないわけである。そして,何より,義母自身が勝手知ったる家で気ままに過ごせるというのは,それなりに幸せなのだと思う。何よりも,デイに出かけるために,送り出しのヘルパーさんに入ってもらったり,あるいはこっちがそのためだけに行かねばならないとしたら,そのエネルギーたるや・・・喜んで行ってくれるものならその労も厭わないけれど,上記の通り,そんなことはあるはずがない。

ケアマネとの面談時や,ヘルパーステーションのサービス提供責任者が来られたときなど,「デイサービスはどうですか?」と勧められることがよくあった。また,いろんな人(身内からちょっとした知り合いまで)からも,「どこか預けたらいいのに」とか「デイサービスは行かないの?」と言われることもあった。本人にとってそういうサービスを受けることの是非は別としても,こちらの行かせる(送り出す)労力と,行っている間の自由・安心とをはかりにかけたら,答えはノー!直接義母のことを知らない人,介護に携わったことのない人には説明したりわかってもらうのは面倒だから,適当に返事しておくけれど,ケアマネをはじめとする関係者にそう言われると,ムカツク。本人のためには良いこと,そして,家族の負担を軽減する,といういわゆる介護専門家の「正しい観点」から勧められるのだろうけれど,「ほんなら,あんたが連れて行ってくれるんかい!?」と言いたくなる。

そんな思いを抱えながら4年間過ごしてきて,竜巻がやってきたというより,熟した果物が木にしがみついていたのが,たえきれなくなってポトリとおちた,という感じ。落ちたところには,小規模多機能ホームという受け皿があったというわけ。

普通のデイサービスは,ワゴン車やマイクロバスなどで,利用者の家を回って順にピックアップしていく幼稚園バスみたいなもの。大体の時間が決まっていて,それまでに支度を調え,すぐに乗り込めるようにしないといけない。しかし,小規模多機能のお迎えは,個別で,送り出しのためのヘルパーさんの役割もしてくれる。一人暮らしの義母の場合,朝は9時頃まで寝ていることも多く,お迎えに来てくださったスタッフは着替えや布団あげ,朝食などの世話までして下さり,おまけに洗濯物までいっしょに乗せていって下さる。行かないと言ってぐずった日は,出直して迎えに来てくれる。帰りも,4時とか5時の決まった時間ではなく,家族の都合に合わせて,一人一人送って下さる。夕食を食べてから帰るもこともできる。食事をお弁当に詰めてもらって持ち帰ることもできるし,場合によっては家族の分まで用意していただける。このあたりは,小規模多機能の通常のサービス範囲なのか,ここのホームの特別なものなのかわからないけれど,とにかく,すべてにおいてきめ細かくお世話していただける。たしかにきっかけはあったけれど,いきなり10日以上のショートをして,はい終わり!ではなく,続けられるのは,こういうサービスがあるからこそ,なのだ。しかも,包括料金制なので,回数も自由。本当は週5回行きたいけれど,介護度による点数の上限で,4回しかいけないとか,ショートの利用も少なく抑えられている方も多いと聞く。小規模多機能の場合は宿泊料金が別なので,ホテルや病院の個室料金並のお金はかかるし,利用者が増えれば部屋が取れないなど希望が100%かなうわけではないけれど,普通のショートよりは自由度は高いと思う。義母の場合は,週の後半3泊のステイを基本にお願いしている。 今日からまた3泊のお泊まりだ。私は,久々に自分の実家に行ってこようと思っている。


デイサービスにも介護者のエネルギーが必要

2009-03-03 15:39:02 | Wilmaの思い~介護

通い3日目のこの日のことは,記録も記憶もあまり定かではない。
特に朝のお迎えのときのことがすっぽり記憶から漏れ落ちている。
かろうじて,電車やバスカードのタイムスタンプで,前日と同じ時間に出かけた
ということがわかるくらい。
しかし,帰りのことはよく覚えている。翌4日は義母の誕生日なので,
ホームにお菓子を差し入れようとして,デパートをうろうろしていたから。

さて,ここからが本題

すいすい機嫌良く出かけてくれたら,その日は私のもの!
とちょっと期待して,頑張って朝早く(といっても8時半ごろ)出かけるのだけど,
お迎えが10時前後で,そのあと,洗濯やら掃除をしていると,すぐ昼になる。
多機能ホームでは,家で汚したシーツや寝間着なども持ち帰って洗濯してくださる。
それはありがたいのだけれど,義母の夜間から朝方にかけての尿の量が
ハンパじゃなく,1回分は家で洗濯しようということになる。
布団干しが加わることもある。
洗濯物はともかく,布団はやはり昼過ぎには取り入れたい。
で,結局お昼をワイドショーをおかずに一人寂しく食べ,
徹子さんとともに午後のひとときを過ごして,洗濯物が大体乾き,
お布団も取り入れて・・・となると,
実家を後にするのが2時前。
そして,買い物をして家に帰り着くと,3時を過ぎる。
この帰宅時間は,これまで,お昼を中心に通っていたころと同じである。
しかも,夕方は,7時頃夕食を持って,
オットの職場の最寄り駅まで行かねばならず,
5時半には支度にかからなければならない。
結局自分の時間は3時半から5時半の2時間。
でも,自分ちの洗濯物を取り入れたり,
買い物してきた物や郵便物を整理したりしていると,
あっという間にこの時間はなくなる。

通いの日に限って言えば,負担が増えたような・・・
義母が快適で安全で清潔な1日を過ごすことが出来ているという安心感
を得るための代償。

デイサービスというのは,通い介護者向けではないと実感。

ホームの方では,朝出かけるときは,家族は居ても居なくても大丈夫と
言って下さっているので,これからは無理はしないつもりではあるけれど。


空の巣症候群?

2009-02-26 14:15:23 | Wilmaの思い~介護

実際にこれを書いているのは,3月終わりのある日の午後なのだけれど,どうしても,義母が突然ショートステイで家を空けて1週間ほど経ったときの,解放感と戸惑いの気持ちを記録しておかねばと,リアルタイムの日付で書いておこうと思う。ちょうどその頃,やはりお母様が認知症という昔からの友人とのメールのやりとりが,「まんま」の状況や気持ちを表しているので,そのままコピっちゃいます。

<私からのメール>

私はちょっと今,暇になったというか~~。これくらいの自由時間はもちろんこれまでも全くなかった訳じゃないけど,でも,こちらへ引っ越して4年目にして初めての生活リズムで,お昼ご飯なんかどうしていいかわからないって感じ。 昨年暮れぐらいから,義母の意識レベルが低下し始め,ほとんど動かなくなりました。病気で体が動かせないのではなく,脳みそからの指令が出なくて人間としての活動が極端に減ったという感じ。それでもちょっと元気なときもあって,なんとか1月はやりすごしたのですけど,2月に入って,ご飯もほっといたら食べないし,一日中部屋から一歩も出ずに立つこともしない,なんて日が続きました。着替え1つさせるのも大仕事。かといってヘルパーさんの対応は私ら以下。オットは仕事のほうも年度末で何かと大変らしく,さすがの彼も,アップアップ。それで,ケアマネさんのところに相談に行ったら,小規模多機能施設をオープンしたからそっちはどうですかと言ってくれて,早速そちらのケアマネさんに来てもらい,かわることにしました。前のケアマネはほとんど役立たずで,変えたいと思っていたので,それだけでもよかった~と思いました。で,聞いたことあるかもしれないけど,小規模多機能施設ってのは,定額制で,通い(デイサービス)・泊まり(ショート)・訪問(ヘルパー)を柔軟に組み合わせて利用できるという介護保険のサービスの1つです。とにかく今まで外に行かせたことがないので,とりあえず,ヘルパーさんにきめ細かく入ってもらって,慣れてきたら連れて行ってもらうといことでお願いすることにしたのが先週の月曜日。ところが,火曜日,来てくれたヘルパーさん新人の方で,もひとつって感じだったの。彼女がお昼をとりに戻った1時間半ほどの間に,私が洗濯やら掃除をしていたのですが,ウンチをもらしちゃった。まぁそれは初めてのことではないんだけど,その始末をしようにも,動いてくれない。変に動かれても困るのだけど,体を90度回転させたり,服をぬがせたりするのも大汗かいた。お風呂も沸かしたけど,風呂場まで連れて行くことはとうてい無理って感じで,1時間くらいかかって部屋で洗い拭きして着替えさせカーペットカバーを取りかえ,洗濯を始めたころに,ヘルパーさんがお昼をもって再登場。その人がいっしょにいてくれたらどうだったかわからないけど,やっときれいになったところに,涼しい顔して入ってこられ,何事もなかったのごとくお昼を食べさせて(自分も食べて)帰られたのがう~ん。逆に,私がいないときに,あの事態に遭遇したら彼女はどうしただろう?とか思うと,もうあかん!と思いました。夕方オットにもその話をしたら,彼ももうお手上げ~と白旗を揚げた。そして,夜,ケアマネさんが来ることになっていたので,全部話してみようということになって,私も夜再び行って,相談したら,「なんなら,今から連れて行きましょうか」と言ってくれたのです!夜だったので,本人もあんまりわけわかってなかったみたいで,玄関に横付けにした車に担ぎ込まれて,出発。オットがついていったのですが,30分くらいして戻ってきて,「おかあちゃん,すーっと寝たわ」って。翌朝はちょっと抵抗はあったらしいですが,それ以来1週間行ったままです。この週末には一度連れて帰ろうと思ってはいますが,向こうに会いにいっても,結構なじんでいて,本人はどこにいるのかあんまりわかっていないみたいけど,家にいるときと同じようにごろごろしてぬいぐるみ相手にまったりすごしています。スタッフの方たちともよくおしゃべりもするらしいです。へぇ~!?って感じ。案ずるよりは産むが易し・・・でした。ここの利用を始める前に,うちの近所の特養と叔母が世話になっている有料老人ホームにも相談に行き,両方申し込んでおくことにしました。特養の方は新しくて広くてとてもきれいで感じのいいところではあったのですが,130人待ちだそうです。当分の間は,やっと出会えたちょっと押しは強いけど行動力のあるケアマネさんと居心地のよい施設でなんとか乗り切りたいと思っています。


<友人からの返信>

私だったら、一日かかっても打てないような、詳しいメールありがとう。取り敢えず、良かったね。手のかかる子供が、結婚や就職で、独立してしまった後の感じに似た状況かな。これからどうなるか、わからないけど、今まで頑張った分、めーいっぱい自分のために使って下さい。


<私からの返信>

手のかかる子供が、結婚や就職で、独立してしまった後の感じに似まさにそれ!空の巣症候群ってやつかもね。まだまだこれからどうなるかわからないのに・・・
今日の午後は,通販のカタログ眺めたり,パソコンゲームしたりして,なんとなく過ごしてしまいました。本当はしなくちゃいけないこといっぱいあるのに。で,さっきやっと重い腰を上げて,わざわざバスに乗って駅まで買い物に行き,肉や魚,野菜のお買い得品しこたまと,醤油やら塩やら重いものをえっこらしょと買ってきたんだけど,帰りのバスに乗った途端,今日はオットは打ち上げがあるから晩ご飯いらないと言ってたのを思い出しました~~一気に気が抜けました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たった10日ほど手を離れただけなのに,
ものすごい解放感と空虚感を感じている。
もし,介護や看病でとてもとても手がかかった人が亡くなったら,どんなんだろう。
もちろん,亡くなれば,悲しみが大きいのだろうけれど,
逆に,葬儀やもろもろの手続きで,
解放感や空虚感など感じている暇はないだろう。
むしろ,亡くなってしばらく経ってそういうゴタゴタが終わってから,
じわ~っと襲ってくるのだろうな,と,
なんとなく想像は出来るけど,
仕事や子育てなどで,ボーッとしている暇なんかないわ!
といった環境がないと,ダメになってしまいそうな
自分の姿も想像できてしまって,ちょっと怖いものも感じる。