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『天・地・水・命』 ~自然の恵み~

 「 天を仰ぎつ 地に伏しつ 水に語りて 命覚ゆる 」 仙人

バンザイ

2008-06-20 | 生物(etc)
 「ヤマトオサガニ」と「コメツキガニ」が住む場所の中間的な性状の砂泥の場所に住む「チゴガニ」です。
 この三種で見事なほどの棲み分けを実践しています。

 ほとんどの資料では甲羅の大きさが1cm程度となっていますが、同じ大きさとされる「コメツキガニ」と比べると、どう見ても相対的に本種の方が大きめです。
 
 食事の合間に時々『バンザイ』をします。

 

 この行為は“ウェービング”といってオスのみが行う行為です。
 メスへのアピールや他のオスへの示威の意味があるといわれていますが、繁殖期以外にも見られるので、まだ分からない行為でもあります。

 

 

 こちらは2匹で同時にやっていましたが、手前のカニは脚まで精一杯伸ばしてかなりやる気満々です。

 さらに...

 
 
 この“ウェービング”は、時として周囲の仲間達が一斉にやり始め、ハサミの上げ下ろしのタイミングが同期する事がありますが、泥の中で真っ白いハサミが同時に動く様はなかなか壮観です。

 in 吉野川

砂団子

2008-06-19 | 生物(etc)
 ふと砂浜を見てみると、何やら小さなものがいっぱい転がっています。

 アップにしてみると...

 

 小さな直径2~3mm程度の砂団子です。

 そしてこの砂団子の製作者です。

 

 甲羅の大きさが1cm程度の小さなカニ、「コメツキガニ」です。
 ハサミで砂をすくっては口に運び、砂中に含まれる有機物やプランクトンをろ過して摂取します。
 食べ終わった残りの砂が球状になり砂浜いっぱいに砂団子が溜まっていく訳なのです。

 かなり臆病なカニで、近寄るとそこらじゅうでお食事タイムだったコメツキガニは一斉に巣穴に逃げ込みますが、こちらが動かずにその場にじっとしていると、ゴソゴソと巣穴から這い出してきてまた食事を再開します。

 ちなみに『泥団子』ではなくあえて『砂団子』としたのは、本種は泥状の場所には生息せず、専ら砂地の場所に生息しているからです。
 つまり泥地に棲む「ヤマトオサガニ」などと棲み分けをしている訳です。

 in 吉野川

バランス

2008-06-18 | 生物(etc)
 四国三郎の別名を持つ大河、吉野川の河口です。
 河口域には広大な干潟が出現しますが、この時は潮の引きはじめでまだ少ししか干潟が姿を見せていません。
 でも干潟の生き物はボチボチ姿を見せ始めています。

 画像は泥にすむ「ヤマトオサガニ」です。
 カニは節足動物の中の「十脚類(目)」という仲間に入り、左右一対の大きなハサミと左右四対の脚を持っています。

 

 しばらく観ていると、ハサミを前に大きく伸ばして後ろ?の脚を上げはじめました。

 

 最終的にこの体勢に落ち着きました。

 

 四本脚で体を支えています...
 しかも左の第二脚は地面に触っているだけで、ほとんど支えには寄与していないような感じです。
 つまり実質左右の第三脚と、陰でよく分かりませんが左の第四脚の三本脚で体を支えています!
 かなり不安定な姿勢だと思うのですが???
 絶妙のバランス感覚です!
 (グラグラ揺れることもありません!)
 なぜこのような姿勢をとるのでしょうか?

 観ていて飽きないカニの生態です。

 in 吉野川

新種?

2008-03-23 | 生物(etc)
 昨日の巡検で「ボウズ」と書きましたが、実は新種と思われるものを採集していました。
 『イシダタミセラス・ヒロカワエンゼ』とでも命名しましょうか、色彩がしっかり残っているぐるぐるアンモ?です。
 へその部分が緑色をしているのは、このアンモは海藻でも食していたのでしょうか???

 『御山』で打ちのめされて、『湯浅』で打ちひしがれて、『広川の海岸』まで流れ流れて、化石の代わりに現生生物をサンプリングしました。

 とある化石関連のHPに、タコの足をアンモに見立てた記事がありましたが、まさにあれの二番煎じで申し訳ありません...
  
 賢明な方はとうにお気付きでしょうが、潮間帯に生息する巻貝「イシダタミ」の中身です。殻の装飾が古い町並みの道路等の「石畳」にそっくりな事からこの名前が付いています。

in 広川町白木海岸

「突然ですが、55555を踏まれた方コメントを下さい!」
  (うっかりしていました。)

烏賊

2007-05-09 | 生物(etc)
折角有明海の『がん漬』の名前を出しましたので、対抗して玄界灘の『烏賊(イカ)』の話題です。
先日アップした玄海海中展望塔のある波戸岬の西方に呼子(よぶこ)という港町があります。
玄界灘に面しているため新鮮な「海の幸」が有名で、朝市なども大規模に催されています。
色々な海の幸が豊富な中にあって、最も有名なのはやはりイカでしょう。
港の通りではそこかしこに「イカ活け作り!」の幟が林立し、どこの食堂でもイカ料理を味わう事ができます。
「イカの一夜干し」の露店も立ち並び、まさにこの街が如何(いか)にイカに満ち溢れているかが覗えます。
今回入った店では、店内のイケスのイカをその場ですくって刺身にしてくれます。
どうです、新鮮なイカは透明ですよ!しかも触れるとまだ色が変わりますし、足(ゲソ)もクネクネ動いています。

刺身を食べた後は、残りの部分を天ぷらに!

これがまた美味い!

最近では呼子と言えば「イカシュウマイ」が全国区になりつつありますが、やはり天然素材をそのまま、もしくはシンプルな料理で食すのが一番ですね。

潮招き

2007-05-08 | 生物(etc)
以前淡路島の成ヶ島の干潟でハクセンシオマネキを見つけましたが、こちらはただのシオマネキです。
体色やハサミの大きさに個体差はありますが、どれもシオマネキです。
(実のところ、体色に関してはいつも泥を被っていますので違うように見えるだけかも...)
日本本土にいるシオマネキの仲間はこの2種だけで、ハクセンシオマネキは砂地の干潟に、シオマネキは泥の干潟に生息してます。

有明海の名物に『真蟹漬(まがにづけ)』というのがありまして、地元では『がん漬』と呼んでいます。
( カニ → ガニ → がん となったものと思われます。)
シオマネキやアリアケガニ、ヤマトオサガニといったカニ類を殻ごと砕いて塩辛にしたものです。結構辛いのですが、酒の肴にもご飯のお供にももってこいの味です。



まさに潮を招いているところです。

一体

2006-12-25 | 生物(etc)
Kammer beach in TINIAN
被写体は何か分かりますか?
周りの景色と一体化しています。
白い吸盤が見つけられたら...
そうです、タコがサンゴの割れ目にに潜り込んでいますね。
気にせずにただ眺めていたら絶対に見過ごしそうな見事な保護色です。
生物は何と言っても目玉が最も目立ちますし、生命感をかもし出しますので、このタコも目を細めて生命感を消し、サンゴを装っています。
でもしっかり漏斗が丸くなって海水を吹き出しています。

さていよいよ今年もあと一週間。最後に体調不良になってしまいましたが、最後まで頑張っていこう!

白扇潮招き

2006-08-02 | 生物(etc)
成ヶ島の干潟で見つけた「ハクセンシオマネキ」。
環境省の希少種(準絶滅危惧種)に指定されている。
雄の片方のハサミが巨大化しています。(ちなみに左が巨大化するのか、右が巨大化するのかその比率は、1:1らしい)
6~8月の繁殖期には雄がこのハサミを一斉に振り、雌にアピールするけど、その姿はなかなかユーモラスです。
でも、実際このハサミは普段の生活では邪魔なんだろうなぁ...食事するときは小さいハサミしか使わないし...
横に歩くからまだいいけど、真っ直ぐ歩くんだったらバランスがとれないと思う...

蛍の餌

2006-07-08 | 生物(etc)
アユと同じく川床の石に生える藻(珪藻類)をエサとするカワニナ。
水が綺麗な指標ともなる生き物です。
そしてこのカワニナをエサとするのが、なんとあのホタルの幼虫です。ホタルの幼虫は水生昆虫と呼ばれ、水の中で成長し、陸上に上がり土の中でサナギとなり成虫に羽化します。
また、幼虫のときも成虫より光は弱いのですが発光するのです。
ホタルの幼虫はカワニナ以外のものはエサとしないので、ホタルの生息のためにはカワニナの存在が不可欠です。

テナガエビ♀

2006-02-06 | 生物(etc)
テナガエビ Macrobrachium nipponense
スジエビに続いて淡水のエビ、テナガエビです。
この画像はメスですが、実は潜水中にテナガエビのオスに巡りあったことがありません...TVを見ていると、例えば四万十川なんぞでテナガエビのオスをバンバン捕まえて、茹でて食べているところを目にしますが、私にはなぜか縁がありません。♂無しに繁殖は無理なのに...
という訳で、今考え付いた今年のプチ目標!
『テナガエビの♂を見つけて写真を撮ろう!』

マシジミ

2006-02-05 | 生物(etc)
マシジミ Corbicula leana
日本本土には、マシジミ、ヤマトシジミ、セタシジミの3種が生息していますが、一般的に食卓に上るのは、汽水域で採れるヤマトシジミです。宍道湖なんかが産地として有名ですね。
一時、宍道湖とつながる中海の淡水化計画が持ち上がりましたが、宍道湖の湖産物に甚大な影響が出る事が懸念され、結局中止になりました。

マシジミは汽水環境でも生息しますが、繁殖は無理のようですね。
このマシジミは、琵琶湖に流れ込む日野川で見つけたもので、砂地を掘るとどれだけでも採れそうなぐらいウヨウヨ見付かります。この辺の人は食べないのかなぁ?
子供の頃、九州の田舎で近所の川でたくさんシジミを採って、家で食べていた記憶があります。(あれは多分マシジミだったと思う...)
私は、味噌汁の具ではシジミが一番のお気に入りで、面倒くさくても身までしっかり食べます。
聞くところによると、シジミのエキスは肝臓病や貧血、皮膚病等にも効果があるらしく、徐々に効いてくるから継続して食べる事が大事みたいです。

あまりシジミの「旬」など語られる事はありませんが、夏の土用の頃と冬の今の時期に旬がありますので、食べましょう!
(シジミ普及地位向上委員会の回し者ではありませんが...)

長~いヒゲ

2006-02-04 | 生物(etc)
スジエビ Pakaemon paucidens
も一つスジエビ画像ですが、なぜこれをアップしたかと言えば、彼の長~い触覚を見せたいからです。実はこの画像でも彼の触覚の端の部分は画像の外です。(見えるかな~?)
なんでこんなに長いのでしょう?重くはないだろうけど、邪魔だとは思いますが...
多分体も小さいし、武器も持っていないので、いち早く危険を察知して逃げるためなのでしょう!?

どうも風邪気味で体がだるく、本日採集がOFFの日で良かった。
(行く予定だったら元気だったりして...)
だからクリーニングは進みません。
明日はK資料館のゼミです。早く復活しないと!

スジエビ

2006-02-01 | 生物(etc)
スジエビ Pakaemon paucidens
化石のクリーニングが停滞すると、ついつい水中や他の写真の蔵出しに走らざるを得ません...
野洲川のスジエビ君です。
植生(水生植物)の豊かに繁茂する河川では、ホントに“うじゃうじゃ”という表現がピッタリなくらいに湧いています。
こんなにちっちゃな生き物ですが、河川の生態系を支える重要なポジションにいます。彼らだけではなく、どんな生き物でも『鎖』の一つを担っているので、大事な存在にかわりはないのですが。
<植生⇔デトリタス>⇒プランクトン⇒スジエビ・底生生物(水生昆虫)⇒魚類・・・という図式(捕食・被捕食)が出来上がり、河川生態系が構築されるわけですね。
ずーっと大事にしていかなければ!

『御山』の守り神

2005-11-05 | 生物(etc)
御山』の遠景です。
クッキリ左の三角がピークですが、右の方まで全域が「『御山アンモ聖域」です。
御山』にはニホンカモシカやイノシシ、ノウサギなどの哺乳類が棲んでいます。発掘隊仲間のkatsuさんのリュックには鈴がぶら下がっていて、沢を登って行く間中、♪チリ~ン,チリーン♪と音がしています。いわゆる”熊よけ”の鈴ですが、御山にはクマは居ないみたいです。
その他にもカジカガエルやアカハライモリ、マムシに加え、この前の沢にはザリガニカワムツヨシノボリ類も居ました。
そして何と言っても一番たくさん居るのは『サワガニ』様ですね。

この沢蟹様はかなり怒っていらっしゃいます。両方のハサミを振り上げ威嚇しています。沢の中にはもちろん、石をめくっても、山道にもそこら中にウヨウヨいらっしゃいます。
「大丈夫!君には何もしないから...チョットだけ石を分けてね!」