2019年9月24日、トランプ政権は2020年1月からホワイトカラーエグゼンプションを適用するのに必要な最低収入を35,568ドル(375万円)に引き上げると発表した。
アメリカの企業は、労働者が週40時間以上働いたとき通常より50%割増した賃金を払わなければならない(日本は週40時間あるいは一日8時間をこえた労働に対し25%の割増が必要。また月60時間をこえた分には50%の割増が必要)。
労働時間にかかわらずこのような割増が不要になることをホワイトカラーエグゼンプションという(日本でも2019年4月から高度プロフェッショナル制度という名称で実施されている)。
アメリカでは、ホワイトカラーエグゼンプションを適用するのに必要な条件が職種ごとに細かく定められている。
たとえば管理者については、(1)二人以上の部下がいる、(2)部下の解雇権を持っている、ことなどが必要とされている。
それに加えすべての職種について最低限の賃金水準が定められている。
この水準は2004年以来、年23,660ドル(250万円:1ドル=105円)に据え置かれてきたが、米政府はこれを2020年1月から35,568ドル(375万円)に引き上げることを決定した。
ちなみに州によっては、独自にこれより高い収入要件を設けているところが増えている。
たとえばカリフォルニア州はホワイトカラーエグゼンプションに必要な最低収入を49,920ドル(525万円)と定めている。
ウォールストリートジャーナルによれば、同州はさらにこれを2023年に62,400ドル(655万円)に引き上げる予定になっている。
米政府、ホワイトカラー・エグゼンプションの収入要件を引き上げ (2016/5/18)
連邦地裁、ホワイトカラー・エグゼンプションの収入要件引き上げを差し止め (2016/11/25)