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言語聴覚士の独り言

話すということ

 多くの言語聴覚士は認知神経心理学に基づいて、失語症の方への訓練プログラムを立案します。

例えば、「りんご」と発話する時は

①りんごのイメージを頭の中に思い浮かべる(赤色で球体で冬の果物で‥など)

②次にまとまりとしての単語をイメージに合う物を探します
→ここで誤ると「りんご」が「みかん」や「ハサミ」といった意味性の錯語になります。

③次にまとまりとして選択した言葉に合う音を選択します。
→ここで誤ると「りんご」を「ごんり」や「たひむ」といった音韻性錯語になります。

④次に選んだ音を正しく発音するために口などの発声発語器官を動かします。
→ここで誤ると発話が歪みます(発語失行)

①〜④、あるいは①〜④を繋ぐ経路のどこに問題をあるかを発話の誤りから分析して訓練を立案します。

【この考え方の私見】
 メリットは言語聴覚士がわかりやすいということ。訓練立案が行いやすい。
 デメリットは誤りや反応に一貫性がない場合がほとんどなのに、説明がつきにくい。話し言葉の抑揚や感情を合わせた表現の部分を考えていない。


 昨日、失語症のテストをしていたら、明らかに緊張されていてうまく言葉が出てこなくなられていました。緊張した際にどうなるかの評価にはなりますが、普段の会話での問題点の抽出にはならないと思い、テストを中断しました。
 趣味である旅行の話を伺ったら、写真を持ってきて身振り手振りで楽しそうに話をして下さいました。
 客観的評価や、数値で表す事も大切ですが、数値には現れない部分も大切だと改めて思いました。
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