言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

観念ではなく納得

2023-02-28 22:16:00 | 日記
私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。

今日、30年以上独居を続けてこられた高齢な女性へのサービス提供が終わりました。

明日から施設に入ると決断されたからです。

その方は進行性の病気でした。

歩けなくなり、移動は四つ這いでした。

言葉も失い、詳細な意思表示は困難です。

周りから見ていると、もうとっくに1人暮らしの限界は超えているように見えました。

家で転倒や転落などで大怪我をする前に施設に入ることを何度も話し合いましたが頑なに拒否をされていました。

今日、最後の訪問すると何度も何度も聞いた事のある田んぼや畑、牛の世話を沢山頑張ってきた話をしてくださいました。
(言葉は出ないので筆談。文字も7割は間違ってしまいます。)

最後に私にできる事はないかと伺うと、「会いにきて欲しい」と言われました。

施設入所の話が出ては、たち消えていた方だったので、最後にまた大どんでん返しがあるかもしれないと思っていました。

しかし、寂しそうではありましたが入所するご意向は変わりませんでした。

最後の決め手は何だったの推測すると、自分で『納得』したかどうかだと思いました。

諦めて覚悟をする『観念』ではなく、自分で決めた『納得』です。

この方は嫁ぎ先が畜農家であり大変苦労をされましたが(本人談)、しっかり自分の人生を歩んでこられたことが分かります。

私は施設に送るサマリー(申し送り書)の最後に「全ての選択は本人に委ねるように配慮していただきたい」と書きました。

施設入所後も自分の人生を歩んで欲しいです。

もちろん会いにいきます。

子どもたちに仕事は楽しいと伝えたい

2023-02-27 21:38:00 | 日記
今日、仕事から帰ると5歳の息子が私に言いました。

「おかえり!お仕事楽しかった?」

私は間髪を入れずに

「もちろん!楽しかったよ」と返答しました。

このやり取りを少し分析してみます。

普段は「おかえり!」だけの息子がなぜ楽しかったを私に尋ねたのか。

それは毎日息子に「今日、保育園は楽しかった?」と聞いているので、息子は帰宅した私に同じことを質問したのだと推測できます。

何故私が間髪を入れずに「楽しかった」と返答できたのか。

理由は2つあります。

1つ目は仕事なのでもちろん大変な事や正直言って辛い事もありますが、それ以上にやりがいや学びなど幸福感を得ています。また人間関係も恵まれいるので、楽しいか楽しくないかの2択なら楽しいに入ります。

2つ目は子どもには仕事は楽しいと伝えたいと常々思っている事です。

物事全てにプラスの面もマイナスの面もあります。

仕事の辛い部分にばかりフォーカスして子どもたちに伝えると、子どもたちは仕事に就くのが嫌になります。

大人に憧れを抱けなくなります。

仕事が楽しくなくても、不機嫌になったりため息ばかりをついているのではなく、

楽しくはないけれど頑張ったよ。と笑顔で返答ができる状態ではいたいです。

反面教師も強いかもしれませんが、子どもが大人に憧れる社会の方が健全だと私は思います。

自ら動かないと景色は変わらない

2023-02-26 21:34:00 | 日記
今日は午前中は息子とハイキングに行きました。

低山ですが、あまり整備されていない道で、山の中を散歩するような素敵な道でした。

頂上からの絶景も格別でした。



午後からは娘たちのブラスバンドの発表会でした。

中学生の娘(OG枠)と小学生の娘が一緒に舞台に立てる唯一の発表会です。

元気いっぱいの演奏に癒されました。

絶景や音楽を楽しめた理由を考えてみました。

理由は2つありそうです。

1つ目は自らが動くこと。ハイキングはまさに自分が山を登ったことで絶景が見れました。

2つ目は人の影響を受けること。今は音楽と縁のない私が大ホールで素晴らしい音楽を聴けたのは娘たちのおかげです。

ハイキングや音楽は分かりやすいですが、

何かを得たい時は自ら行動を起こすか、人に影響を受けるしかありません。

失う時は動かなくても失います。また人を間違えると奪われていきます。

自ら動いて幸せに近づき、影響を受ける人を間違わないようにして、自分に良い影響を与えてくれる人を大切にする。

これに尽きるような気がします。


共存のために

2023-02-25 21:15:00 | 日記
今日は朝からマウンテンバイクでトレイルを走ってきました。

私の住んでいる地域は熊はほぼいないと言われています。

熊が出没したと言う話も聞いたことがないので熊対策は必要ありません。

しかし、私は猿以外は出会ったことがありませんが猪や鹿もいるようです。

猪は人を見たら突進してくる可能性もあり注意が必要です。

また、人を襲ったことのない熊と異なり、鈴の音くらいでは逃げてくれないみたいです。

獣に出会ったらゆっくり距離をあけるしか対応はないので念のため注意はしますがあまり気にはしていません。

私が1番注意しているのは人間です。

山は当然マウンテンバイクで走る方だけでなくハイカーや猟師、山菜採りの方もいるかもしれません。

マウンテンバイクで接触してしまうと大怪我になる可能性があります。

そこでマウンテンバイクに取り付ける鈴を購入しました。

その名は『鈴丸』



この鈴の便利な所は鈴が鳴るのを止める事ができる所です。

マグネットが付いていて不要な時はくっ付けて音を止めておけます。



必要な時はロックを外して鳴りっぱなしにして周囲の人に走っている事を知らせる事ができます。


もちろんハイカーなど人がいる事に気が付けば直ぐに下車をして挨拶を交わして安全を確認してから走り始めます。

また、可能性は低いですが、猟師さんに獣でないと知らせる役割もあると思います。

動物も含めてみんなの山。

安全にマウンテンバイク遊びを楽しみたいです。




高齢者の女性に感謝を伝えよう。

2023-02-24 21:58:00 | 伝えたいこと
私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。

ご利用者のほとんどは後期高齢者です。

後期高齢者の女性を一まとめにすることはできませんが、

私(40代)世代から見ると本当に苦労されている方が多いです。

今日訪問したご利用者の奥様の話。

幼少期は戦争で10歳の時に3歳の弟を背負い空襲から逃げる。
20歳で嫁ぎ、旦那の親兄弟の家事を一手に引き受け、毎日一升お米を炊く生活。
やった事のない農業を手伝い、子宝にも恵まれ、妊娠は病気ではないと言われながら家で出産。
ひと段落する前に旦那の両親の介護。並行して子育てと旦那の仕事の事務仕事。退職する前に旦那の若年性認知症が発症。そして86歳の現在も懸命に旦那さんの介護をされています。

他の方でも夫を介護しているにも関わらず平気で剣幕で命令されている方を見かけます。

昔はそういう文化だったと言えばそれまでです。

私が異を唱えてもどうにもなる事ではありません。

ただもっと賞賛され労ってもらってもいいのではないでしょうか。

リハビリの合間に上記の話をしてくださったのは聞いて欲しかったのではないでしょうか。

男性が仕事で苦労していたのも事実です。

しかし、どちらが自分らしい人生を送っているのか、どちらが我慢をしてきたのか。

そんな事を考えるのに意味はないかも知れませんが、私は尊敬します。

敗戦後の日本をここまでの豊かな国にしてくださったのは男性の頑張り以上に女性の支えがあったからだと思います。

今は平等を当たり前にしようという風潮があります。

絶対的な平等などありません。

ただ誰もが主体的に自分が選択をして生きていける世の中になって欲しいと願います。

高齢者の女性が近くにいる方は話を伺い、沢山の話を聞いたのであれば労いの言葉をかけて感謝の気持ちを伝えてください。