
この映画は途中からしか観てないという記憶がありましたが、再びTV放映を観てみると、しっかり初めから観ていることに気がつきました。序章からじわじわ盛り上がってクライマックスをむかえる普通の映画とは異なり、唐突に始まり唐突に終わる、厳しい現実生活の一部をそのまま切り取ったような作品です。
トレーラーハウスで暮らすロゼッタは、求職許可をもらえないため職を転々としている。アル中でセックス依存症の母親をかかえながら、古着を売って食いつないでいる毎日。その昔「同情するなら金をくれ」という名文句をはく安達由美のドラマがありましたが、この映画の主人公は貧乏なくせに他人の同情はもちろん、施しをも拒否する心を閉ざした少女。そのため、運良く職にありついたワッフル屋で自分に好意を寄せる青年に出会っても、心を開くことができません。
殺伐とした心象風景を想像させるロゼッタの背後を追う手ぶれしまくりのカメラが、彼女の貧乏生活の描写におそろしいほどのリアリティを与えています。そのため、観客はまるでドキュメンタリーを見ているかのようにストーリー(といっても物語らしい物語はありません)に引き込まれていきます。いまや巨匠の仲間入りをはたしたダルデンヌ兄弟がはじめてカンヌ・パルムドールを受賞した記念すべき秀作。
ロゼッタ
監督 ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ(1999年)
〔オススメ度



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トレーラーハウスで暮らすロゼッタは、求職許可をもらえないため職を転々としている。アル中でセックス依存症の母親をかかえながら、古着を売って食いつないでいる毎日。その昔「同情するなら金をくれ」という名文句をはく安達由美のドラマがありましたが、この映画の主人公は貧乏なくせに他人の同情はもちろん、施しをも拒否する心を閉ざした少女。そのため、運良く職にありついたワッフル屋で自分に好意を寄せる青年に出会っても、心を開くことができません。
殺伐とした心象風景を想像させるロゼッタの背後を追う手ぶれしまくりのカメラが、彼女の貧乏生活の描写におそろしいほどのリアリティを与えています。そのため、観客はまるでドキュメンタリーを見ているかのようにストーリー(といっても物語らしい物語はありません)に引き込まれていきます。いまや巨匠の仲間入りをはたしたダルデンヌ兄弟がはじめてカンヌ・パルムドールを受賞した記念すべき秀作。
ロゼッタ
監督 ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ(1999年)
〔オススメ度




