Jazzを聴こうぜBLOG版

100の質問配布中。
カテゴリーの「100の質問」からどうぞ。

今日聴いたアルバムの中からあれこれ6

2005-04-17 21:28:36 | 今日聴いたアルバム
あー、4月に入って息つく暇もないほど忙しく、ブログへの投稿もすっかりご無沙汰になってしまいました。
毎年この時期はいやだね。人間関係も仕事内容もガラッと変わるから、何かにつけて余裕がなくなる。ここんとこ家に帰ってきても仕事が気になってリラックスできず、結果プライベートの事は何も手につかないという最悪な状況にありまして、やっと今日あたりから普段のペースに戻りかけてきたかな?、という感じです。
ふざけんじゃねぇ、俺はそんなに給料もらってねぇぞー(笑)
このまま軌道に乗るといいねぇ・・・・・まぁ、そんなこんなでネタのストックも全然できておらず、仕方がないので「今日聴いたアルバムの中からあれこれ」でもやろうと思う。

まずは最近再び凝りはじめているBill Evans(ビル・エヴァンス、p)がらみで2枚。
Cannonball Adderley(キャノンボール・アダレイ、as)とEvansがPercy Heath(パーシー・ヒース、b)とConnie Kay(コニー・ケイ、ds)というMJQのリズム隊を引き連れての「Know What I Mean 」。録音は61年。
この2人がMilesのグループで競演した金字塔「Kind Of Blue」が59年。Evansはその年にベストメンバーといわれる例のトリオを結成して、あの「Portrait In Jazz」を吹き込む。
それから2年後の「Sunday At The Village Vanguard」や「Waltz For Debby」なんかもこの年になるのか・・・・・レギュラートリオが絶好調で油が乗ってきた時期のCannonballとの再会セッション。
ベースとドラムが派手な事をしない、言ってみればストロングスタイル(笑)の人たちなので、過激なインタープレイはあまりない。しっかりとしたリズムキープの上で2人がソロを取り合ってる感じなんだけど、Evansは随所にサラッと小細工を入れていく。職人芸だねぇ。
Cannonballってバピッシュなコテコテの演奏をする人でしょ。で、このアルバムもEvansがそれに合わせるのかと思ったんだけど、これがそうでもない。どちらかというとEvans寄り。
これはそういう申し合わせがあったんだろうかね?。
ファンキーの代名詞のようなCannonballがWaltz For Debbyをやるなんて・・・・・ウウッ、面白い。

Evansがらみ2枚目、Jim Hall(ジム・ホール、g)とのデュオ作2枚目、「Intermodulation」。
僕は同デュオでの62年の前作「Undercurrent」よりもこっちの方が好き。
「Intermodulation」は66年の録音で、前作からの4年の間に2人のデュオの手法は完成を見たといったところでしょうか・・・・・具体的には「弾かない」(笑)。
ギターとピアノのデュオの場合コードがぶつかるのを避けるために、ギターがシングルトーンでのソロをとってピアノがその伴奏に回る。ギターをフィーチャーした形になってしまう事が多いのね。
で、そうでなくってお互いが滞りなくインプロヴァイズしていこうってのがこのデュオのコンセプトだったんだけど、「Undercurrent」では2人が距離を測りあって、手探りで歩み寄っていく感じだったのね。
今作ではもうそういった手探りはない。「余計な事弾かなきゃいいんだよ」ってところに2人がたどり着いたということか・・・・・ホント弾かないんだよ。特にピアノソロの時の左手なんかね。
この曲はこういった進行だからここでこの和音を弾きたいなんてのは一切なくて、だただたお互いの音を聴いて、必要なところに必要な音を最低限返しあっていく。
シブイよー。
ジャズ界の神格2人の職人芸が淡々と紡がれている傑作。

大西順子、「Play, Piano, Play」。
この人の復帰祝いにこのアルバムを聴いています。
大西順子、復帰したね。復帰したよぉ!!!。今までどうしてたかなんてのはどうでもいい。また聴けるんだなぁ!。
この人のピアノは太い。音色もフレーズも甘さがなくてズッシリと重い。堂々たる押し出しを持っているよね。
こんだけぶっとい音を出すのに、演奏全体にどこか今にもプツリと切れてしまいそうな繊細なテンションが漂ってる。
みんな、知ってるか大西順子。おい、知ってるかよ!。
今日本の女流ピアニストがちょっとしたブームだけど、この人はその先駆けというか、ね。
90年代以降に台頭してきた日本の若手女流ピアニスト、それぞれ好きだけども、みんなまだまだ青いよ。
あの頃の大西順子には及ばない。
聴け!、大西順子を聴け!!。
ウオーーーッ!!!。

「Eclypso」。
いまさらのようですが、最近また聴きだしたTommy Flanagan(トミー・フラナガン、p)ですな。
趣味がいい。なんだろこの趣味の良さは・・・・・品がいいというかね。
Elvin Jones(エルヴィン・ジョーンズ、ds)との競演盤、57年の「Overseas」は有名だけど、これはそのなんと20年後、再びElvinと競演したもの。
Elvin Jonesってどちらかというとホットな、ビートの躍動感や力強さを売りにしているドラマーだけど、なんだか品のいいFlanaganのピアノと合わさるとちょうどいい湯加減なんだよね。Flanagan淡々と品のいいフレーズをまとめていくんだけど、Elvinが随所でバスドラをドカドカやって、適度にヒートアップさせてくれるの。でも沸騰して吹きこぼれちゃう事はないのね。
この人って本国アメリカではずっと評価されなかったんだって?。リーダー作のほとんどがアメリカ以外のレーベルからのものだし、書評なんかでも「名脇役として、サイドマンに回った時に真価を発揮する」なんて書かれちゃってたりする。
いいじゃん別に。
この人のピアノは繊細だよ。タッチも常にコントロールされてるし、フレーズが垂れ流しになる事はない。
もうちょっと評価されてもいい人だと思うなぁ・・・・・。

今日は前述の4枚以外のものも含めて、あまりにピアニストのアルバムばかり聴いたので、最後寝る前に「Art Pepper With Warne Marsh」を聴こうと思う。
ウエスト派の中でも異端というか、陰影美やリリカルな叙情性を売りにしたArt Pepper(アート・ペッパー、as)と、所謂「トリスターノ学派」、クールジャズといわれた派閥のWarne Marsh(ウォーン・マーシュ、ts)の競演。
録音は56年で、ウエストコーストジャズの衰退期。
熱気ムンムンのハードバップ全盛の時期に、2人ともメインストリームから一線はずれた位置にいた白人ミュージシャン2人だけども、その分ネチッとしたファンキー特有の粘り気とは無縁な、寛いだ好演奏を聴かせてる。
2人とも音が柔らかいね。感情に任せてハードブロウするところがなくて、常に余裕を持って歌ってる。Pepperのそーっと吹いてるかのような控えめなトーンもいい。
2人のヘッドアレンジによるアンサンブルも絡み合いつつ適度に生かしあっていて、聴いてて楽しい。
Warne Marshの影響か、Pepperがいつものように感傷的に流れてしまうところもないしね。
ほろ酔いで気分が良い時に聴きたいねぇ。
今日はこれを聴きながら寝る事にします。

ひさしぶりの投稿だったけど散々。次回はもうちょっとネタを仕入れて、マシなのを書こうと思います。
ではでは。