連休中に何か書くとか言っておいて、まったくキーボードに向かう意欲が沸きませんでした。
トホホホ・・・・・。
というわけで今日もあんまり意欲ない。
例によってジャズ聴きながら気持ちよく飲んだくれてるので、聴いてるアルバムの事でも書こうと思う。
本日ほろ酔いで耳を傾けているのは、Bill Evans(ビル・エヴァンス、p)の「You Must Believe In Spring」。77年の録音で、メンバーはEddie Gomez(エディ・ゴメス、b)、Eliot Zigmund(エリオット・ジグムンド、ds)のトリオ。
Evansの死後に発表されたこの大傑作はEvansのリーダー作の中で僕が最も長時間聴き続けている最大の愛聴盤になった。
Evansが正規のレギュラーグループとして録音を残しているメンバーの中で、このトリオが僕は1番好きかなぁと思う。
Evansってやっぱメロディとボイシングに特徴があるピアニストで、間違ってもリズムを聴かせるタイプじゃない。そんなEvansと組むのにベースもドラムも饒舌なのはいただけない。その点、GomezもZigmundも手数を適度に抑えて音量も繊細だよね。間違っても感情に任せてハードヒットするところがない。
理想的なピアノトリオだと思う。
特にベース。
Evansと競演したベーシストではScott Lafaro(スコット・ラファロ)がベストパートナーのように言われるけれども、個人的には好みじゃない・・・・・なんだか歌いすぎるんだよね。平たく言うとやりすぎ(笑)。
「3者対等のインタープレイがEvansトリオの特徴であり素晴らしいところだ」なんてのは定説だけど、ソロパートは別にしてもね、対等なインタープレイすんだったらピアノの華やかさに比肩しうる音色を持った楽器を持ってきた方がよりコミュニケーションが際立つし、相手はベースじゃない方が効率がいいだろって思う。そもそも全編に渡って対等なインタープレイで演奏が進んでいくのであればソロパートなんか必要ないんだよね。
Evansがピアノ、ベース、ドラムスの平均的なピアノトリオの編成に拘った事、各自のソロパートを設けた演奏をしていた事っていうのは、もうそれが「3者対等でなかった」事の表れだと思うんだ。
Evansトリオは3者の互いの表現の場では決してなくて、Evans個人の音楽を表現するためのツールだった。これは良い悪いではなくてね。
その意味でGomezはね、メロディを弾こうとしているように聴こえないのね。適度にルートを散りばめながら、Evansのメロディのスペースに自然にカウンターフレーズを重ねていく。
僕は初めての演奏を聴く時はベースを中心に聴くという習慣があるんだけども、このアルバムを最初に聴いた時に「おお、伴奏が歌ってる!」って思った。「伴奏なのに歌ってる!」って。
Evansに常に着かず離れずに寄り添ってまつわりついていく感じ。「主旋律と伴奏」といった隔たりがあるのではなく「鎬を削る」のでもなく・・・・・なんつうか、ピアノとベースの理想的な距離だなって。
僕がこのアルバムを初めて聴いたのがまだロックバンドやってた頃で、凄くテンポキープに拘って時期だったのね。
いっしょにやってたベースの人が凄くテンポが正確な人で、全員がそれに合わせてズレないように練習しなきゃ、って・・・・・今思えば「何を瑣末な事をやってんだ。そんなん個人で練習するもんだろ」って感じだけど、その頃はバンド全体でスゲェ大きな課題だった。
そんな時期にこのアルバムを聴いて度肝を抜かれたのが、3者のテンポが自然に揺らいでいて、かつ破綻しないで演奏が進んでいく事。インテンポじゃなくて常にユラユラ揺れてんの。
「これどうやってピッタリ合わせてるんだ?」って思った(笑)。
クラシックだと指揮者のタクトに合わせる事か、もしくは小編成なら事前の打ち合わせやゲネプロ(General probe、演劇・オペラ・舞踊 などで,初日の直前に本番と全く同じ手順で行う総稽古)での決め事としてこれが行われる。
だけどこれってジャズだからね。
まして、「音楽には『あらかじめ作曲された(決められた)音楽』と『ジャズ』があるんだ」って発言をしてるEvansがテンポの揺らぎを前もって決めて演奏に臨むってのはちょっと考えにくい。
演る曲に対して「3人が共通の解釈をもって演奏している」という事なんでしょうね・・・・・スゲェな。
Evansってもともと調性感が希薄でフワフワとしたボイシングをする人だけども、この「テンポの揺れ」がそのフワフワ感、浮遊感を助長してる。
凄くロマンティック。
良いアルバムってずっと聴いていたいって思いませんか?。
このアルバムもそう。聴き終わると「ああ、もう終わっちゃったのか」って、ちょっぴり寂しく感じてしまう、そんなアルバムです。
Evans好きな人もそうでない人も、ジャズファンなら1度は聴いておくべきアルバムだと思う。
このブログを見ている方、機会があったらお試しあれ。
Evans好きになる事は請け合いですよ。
酔っ払った。
そろそろ寝ます。
ではでは。
トホホホ・・・・・。
というわけで今日もあんまり意欲ない。
例によってジャズ聴きながら気持ちよく飲んだくれてるので、聴いてるアルバムの事でも書こうと思う。
本日ほろ酔いで耳を傾けているのは、Bill Evans(ビル・エヴァンス、p)の「You Must Believe In Spring」。77年の録音で、メンバーはEddie Gomez(エディ・ゴメス、b)、Eliot Zigmund(エリオット・ジグムンド、ds)のトリオ。
Evansの死後に発表されたこの大傑作はEvansのリーダー作の中で僕が最も長時間聴き続けている最大の愛聴盤になった。
Evansが正規のレギュラーグループとして録音を残しているメンバーの中で、このトリオが僕は1番好きかなぁと思う。
Evansってやっぱメロディとボイシングに特徴があるピアニストで、間違ってもリズムを聴かせるタイプじゃない。そんなEvansと組むのにベースもドラムも饒舌なのはいただけない。その点、GomezもZigmundも手数を適度に抑えて音量も繊細だよね。間違っても感情に任せてハードヒットするところがない。
理想的なピアノトリオだと思う。
特にベース。
Evansと競演したベーシストではScott Lafaro(スコット・ラファロ)がベストパートナーのように言われるけれども、個人的には好みじゃない・・・・・なんだか歌いすぎるんだよね。平たく言うとやりすぎ(笑)。
「3者対等のインタープレイがEvansトリオの特徴であり素晴らしいところだ」なんてのは定説だけど、ソロパートは別にしてもね、対等なインタープレイすんだったらピアノの華やかさに比肩しうる音色を持った楽器を持ってきた方がよりコミュニケーションが際立つし、相手はベースじゃない方が効率がいいだろって思う。そもそも全編に渡って対等なインタープレイで演奏が進んでいくのであればソロパートなんか必要ないんだよね。
Evansがピアノ、ベース、ドラムスの平均的なピアノトリオの編成に拘った事、各自のソロパートを設けた演奏をしていた事っていうのは、もうそれが「3者対等でなかった」事の表れだと思うんだ。
Evansトリオは3者の互いの表現の場では決してなくて、Evans個人の音楽を表現するためのツールだった。これは良い悪いではなくてね。
その意味でGomezはね、メロディを弾こうとしているように聴こえないのね。適度にルートを散りばめながら、Evansのメロディのスペースに自然にカウンターフレーズを重ねていく。
僕は初めての演奏を聴く時はベースを中心に聴くという習慣があるんだけども、このアルバムを最初に聴いた時に「おお、伴奏が歌ってる!」って思った。「伴奏なのに歌ってる!」って。
Evansに常に着かず離れずに寄り添ってまつわりついていく感じ。「主旋律と伴奏」といった隔たりがあるのではなく「鎬を削る」のでもなく・・・・・なんつうか、ピアノとベースの理想的な距離だなって。
僕がこのアルバムを初めて聴いたのがまだロックバンドやってた頃で、凄くテンポキープに拘って時期だったのね。
いっしょにやってたベースの人が凄くテンポが正確な人で、全員がそれに合わせてズレないように練習しなきゃ、って・・・・・今思えば「何を瑣末な事をやってんだ。そんなん個人で練習するもんだろ」って感じだけど、その頃はバンド全体でスゲェ大きな課題だった。
そんな時期にこのアルバムを聴いて度肝を抜かれたのが、3者のテンポが自然に揺らいでいて、かつ破綻しないで演奏が進んでいく事。インテンポじゃなくて常にユラユラ揺れてんの。
「これどうやってピッタリ合わせてるんだ?」って思った(笑)。
クラシックだと指揮者のタクトに合わせる事か、もしくは小編成なら事前の打ち合わせやゲネプロ(General probe、演劇・オペラ・舞踊 などで,初日の直前に本番と全く同じ手順で行う総稽古)での決め事としてこれが行われる。
だけどこれってジャズだからね。
まして、「音楽には『あらかじめ作曲された(決められた)音楽』と『ジャズ』があるんだ」って発言をしてるEvansがテンポの揺らぎを前もって決めて演奏に臨むってのはちょっと考えにくい。
演る曲に対して「3人が共通の解釈をもって演奏している」という事なんでしょうね・・・・・スゲェな。
Evansってもともと調性感が希薄でフワフワとしたボイシングをする人だけども、この「テンポの揺れ」がそのフワフワ感、浮遊感を助長してる。
凄くロマンティック。
良いアルバムってずっと聴いていたいって思いませんか?。
このアルバムもそう。聴き終わると「ああ、もう終わっちゃったのか」って、ちょっぴり寂しく感じてしまう、そんなアルバムです。
Evans好きな人もそうでない人も、ジャズファンなら1度は聴いておくべきアルバムだと思う。
このブログを見ている方、機会があったらお試しあれ。
Evans好きになる事は請け合いですよ。
酔っ払った。
そろそろ寝ます。
ではでは。
わざわざのご来訪いただきましてありがとうございます。
「You Must Believe In Spring」、Eddie Gomezとの最後の録音になるんですよね。
オーバーダブものを1枚はさんで、次からはLafaroの再来と言われたMarc Johnsonが入ってくる。Zigmundも同時期に退団するので、このトリオでの集大成という事になりますね。
>甘口だのなんだのといわれそうですが
僕も個人的には甘口大いに結構で、音楽の雰囲気で「これはジャズじゃない」なんていうありがちな批判を真に受けるつもりは毛頭ありません(笑)。
というか、別にジャズでなくても、AORであろうがクラシックであろうが、演奏が良ければそれで構いません。極端な話、僕は演歌とか民謡も聴きますし・・・・・ですから「甘口?、ジャズじゃない?、だから何?」みたいな(笑)。
そういった頓珍漢な批判をしてる人って、音をきちんと聴いていないんだなぁって思います。
このアルバム以降、Evansは少しづつ下降線をたどっていくように思います。
最晩年にも傑作とされるアルバムはありますが、無造作なタッチがところどころに見え隠れするようになったり装飾音で押し切ろうとしたり、だんだんと繊細さが薄れていってしまうというか・・・・・。
このアルバムがには無造作なところが一瞬もなくて、キャリアの中で1番繊細な演奏をしていると個人的には思っています。
ある意味Evansのひとつのピークだったなと。
やっぱり傑作ですよね。
ではでは。
思い起こせば、本物のBill Evansに触れる切っ掛けはJohn Mclaughlinのアルバムだったりするのでした。
今後ともよろしくどうぞ。
John Mclaughlinのアルバムって「Time Remembered」でしょうか。
聴きやすくてよいアルバムでしたよね。
ギター6本でEvansをやろうという発想が楽しい。
今後ともよろしくお願いします。
ではでは。
TBありがとうございました。
"You Must Believe in Spring"はまだ聴いたことがないアルバムです。ぜひ近いうちに聴いてみたいと思っています。
>酔っ払った。
>そろそろ寝ます。
アルコールに酔ったのでしょうか。エヴァンスのピアノに酔ったのでしょうか。
今後ともよろしくお願いします。
>アルコールに酔ったのでしょうか。
>エヴァンスのピアノに酔ったのでしょうか。
うはぁ、また洒落た質問を(笑)。
エヴァンスのピアノに酔ったなんていえたらカッコイイですねぇ。
それじゃあ今日もエヴァンス聴いて寝ます。
ではでは。
私は"You Must Believe in Spring"はまだ聴いたことありませんが、こちらの記事を読んで聴いてみたくなりました。
わざわざ御来訪いただきましてありがとうございます。
SACDいいですね。
小市民の僕にはとてもとても(泣)。
今後ともよろしくお願いします。
ではでは。
僕もエディゴメスがいたときのトリオがかなり好きです。
紹介されてたアルバムは聴いたことがないので是非聴いてみたいと思いました。
わざわざ御来訪いただきましてありがとうございます。
Evansはジャズ聴き始めからずーっと聴いてきても飽きると言う事がありませんね。
もういいや、ってならない(笑)。
稀有なアーティストですね。
まだまだ聴いてないアルバムがあるので、ぼちぼち開拓していきたいと思います。
ではでは。