小辻節三博士に関しては、山田純大さんの著書である「命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民」に詳しく書かれている。私自身、この作品を読んで、小辻節三博士の、まさに「棘の道」に感動いたしました!
内容紹介
ナチスの恐怖からユダヤ人を救った、もう1人の日本人がいた
日本のシンドラー・杉原千畝の「命のビザ」で日本に逃れたユダヤ難民6000人。しかし許された滞在期間はわずか10日あまり。ビザが延長できない場合、彼らを待っているのはホロコーストの地獄だった。そんなユダヤ人たちに命を賭して救いの手を差し延べたのが、ヘブライ語学者・小辻節三であった。なぜ、どのようにして、小辻はユダヤ人たちを安全な地へと導いたのか? 小辻の生きざまに惹かれた俳優の山田純大が、イスラエル等を取材し、昭和史に埋もれた真実を明らかにする。
目次
少年期、青春期の小辻
ナチスによるユダヤ人迫害
奇想天外な『河豚計画』
満州へ
小辻と松岡洋右
杉原千畝の『命のビザ』
日本にやってきたユダヤ難民
ビザ延長のための秘策
迫るナチスの影
神戸に残ったユダヤ人〔ほか〕
http://vpoint.jp/column/67765.html↓転載
第二次世界大戦中、外交官として赴任していたリトアニアで、杉原はナチス・ドイツの迫害から逃れてきたユダヤ難民に、本国の方針に背いて独自の判断で査証の発給を続けた。日本以外にも査証を発給した国はあったが、中南米のその他の国の領事の中には手数料以外に法外な金を要求している者がおり、決して人道的とはいえない実態もあった。杉原の行為の人道性が注目されるようになったのはこのような背景があったからだ。
杉原が発給した査証によって6000人ともいわれるユダヤ人が救われ、高い人道性と共に杉原千畝の名は広く知られるようになった。しかし、難民同然のユダヤ人たちが当時のソ連を横断して日本海を渡り、日本に入国・滞在して、さらにその先へ旅を続けることができた背後で活躍した人々の事は、まだあまり知られていない。杉原を起点として“命のバトン”を繋いだ人々の事だ。
混乱を乗り越えて何とか日本に無事上陸できたユダヤ難民ではあったが、杉原の発給した10日間の滞在期間は、新天地への移動準備には不足であった。これを解決すべく松岡洋介に知恵を拝借し、神戸の警察署に根回しを行い、ユダヤ人の滞在を外務省管轄の通過特許から内務省管轄の入国特許に変更させることで、ユダヤ人達の滞在を合法化させた人物がいた。それが小辻節三である。
小辻は、そもそもは京都の賀茂神社の社家であったが、事情により列から離れた家系に生まれた。キリスト教を信仰するようになり、晩年ユダヤ教へ改宗することになる。彼が親交を深めた人物にゾラフ・バルハフティグというユダヤ人がいた。彼はポーランドから逃れてきたユダヤ人を代表して、杉原に査証発給を掛け合った一人だった。そして、1948年5月14日のイスラエル独立宣言文にサインをした一人となった。その後、イスラエルの宗教大臣を12年間も務めた。
杉原から小辻に受け継がれたバトンはゾラフを通じてイスラエルの建国へとつながったのだ。また、難民同然の異国の人々と関わり受け入れた当時の日本社会の人々も建国に貢献したこととなる。
杉原千畝(ちうね)さんはリトアニアの在カウナス領事館の領事代理だった当時、ナチスから逃れてきたユダヤ人に「命のビザ」を発給した。晩年は鎌倉市内に移り住み、一九八六年に亡くなった。今年は没後三十周年で、市議会は今年六月、杉原さんを顕彰する決議を行った。
小辻節三さんは、杉原さんが発給したビザが日本滞在十日間の通過ビザだったため、日本での滞在期間延長に尽力し、「命のビザを繋(つな)いだ男」と称される。一八九九年京都に生まれ、一九三六年ごろから鎌倉市に住み、七三年に死去。墓は遺言でエルサレムにある。
鎌倉市によると、十月八日の講演会は外務省との共催で午後一時から市生涯学習センター(鎌倉市小町)で、外務省外交史料館課長補佐の白石仁章さんが「没後三十年鎌倉ゆかりの外交官杉原千畝を語る」と題して話す。俳優水澤心吾さんの一人芝居「決断 命のビザ~SEMPO杉原千畝物語」もある。
来年一月には市中央図書館に杉原さん、小辻さんに関する書籍を集めたコーナーを設ける。同月に映画「杉原千畝 スギハラチウネ」の上映会も行われる。
十月八日の講演会は事前の申し込みが必要。先着二百八十人。
詳細は鎌倉市のホームページまたは、市文化人権推進課=電0467(61)3870=に問い合わせを。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/mobile/event/20161008.html
外務省国際情勢講演会/男女共同参画フォーラム 没後30年外交官杉原千畝を語る!
開催日時
2016年10月8日 (土曜日)午後1時~3時30分
場所
名称:鎌倉生涯学習センター
住所:〒248-0006鎌倉市小町1-10-5
募集人数
先着280人
内容
鎌倉で晩年を過ごし、今年没後30年を迎える外交官杉原千畝の功績を広めるため、外務省との共催で講演と一人芝居の上演を行います。
◆講演「没後30年鎌倉ゆかりの外交官杉原千畝を語る」
講師は白石仁章さん(外務省外交史料館課長補佐)。
◆一人芝居「決断 命のビザ~SEMPO杉原千畝物語」
出演は水澤心吾さん(俳優)。
申込方法
電話、ファクスかEメールで、催し名・氏名・電話番号を文化人権推進課(FAX23-8700、Eメール:jinken-danjo@city.kamakura.kanagawa.jp)へ。