梅雨入り前の青空に屋根まで伸びた木の先で沙羅(シャラ)が咲き始めた。白い花は青空では格別に美しい。一夜花で別名夏椿の花、1日で落ちるにはもったいない花だ。
道路脇を燐家に向かい広がったヒメイワダレソウ(姫岩垂草)が水路方向にも広がって来た。燐家との間を流れるこの水路は部落管理の官地で水路の上側は我が家、下は隣の家が草刈りを受け持っている。背丈の低いヒメイワダレソウで他の草が生えなくなると助かるのだが・・・。
いずれ菖蒲か杜若、ではないがぱっと見には区別がつかないもう1種の花が咲いた、花菖蒲(ハナショウブだ。比較すると他の似た花よりは花弁が大きく華やかさは1番かも。
今年は梅雨入りが遅れていて中部地方は来週もどうだかと言う予報だ。6月だと言うのにあまりの暑さ、鬱陶しいい雨の季節である梅雨入りを待つと言う例年にはない気持ちになっている。雨の似合う花のアジサイには待ち遠しい梅雨入りか。アジサイとは不思議な花とつくづく思う。周りで花に見えるのは萼(ガク)でその中に見える小さく咲くのが花だ。ガクは装飾花の名がある。
そしてこちらの西洋アジサイも同じのようだ。違いはガクの出来方だ。見えているのは花ではなく萼、装飾花で本当の花は萼をめくると中に見える。
花は一般に花弁、雌しべ、雄しべで構成されている。その外側にガクが存在するのが一般的だがアジサイはこれが別に構成されていると言う珍しい花ということか。花弁に見えるがそれが萼(がく)あるいは苞(ほう)と言う花は少なからずあるようだ。1枚目は過日に紹介したヤマボウシだが、白く4枚の花弁らしく見えているのは総苞片の名がある。真ん中は小さい花の密集で実になるときは集合果と呼ぶようだ。因みにハナミズキも同じ構成のようだ。
もう1枚、ご存じの十薬の別名がある薬草ドクダミの花だ。この白く花弁に見える4枚の片、これも実は花ではなく総苞片のようだ。
アジサイもヤマボウシも萼あるいは苞は時を経て色の変化はあるものの長い期間残り、いつまでも花が咲いているように見える。西洋アジサイなどは最後は立ち姿がライフラワーのようになることがある。花の構成は雄しべと雌しべ等々・・・と知識としてはあったが萼がこんな形で見え、更に苞の存在など奥深さを知らされた。まだ知識は完全ではない。ホー、ホーと感心しているが、いつかガクガクと崩れることを心配する。両性花と装飾花の2種類で構成される面白い花アジサイ、”夏の夜の夢”で終わらずもう少ししっかり学びたい。