秋の7草の1種ススキ(薄)だ、尾花の別名がある。近所での秋の草刈りは2つの暗黙のルールがあるようで彼岸花の花芽が出る前に行う他ススキは切らないようだ。お陰でこのようなススキがあちこちで見られる。”幽霊の正体見たり枯れ尾花”、江戸時代の俳句だ。確かに夜に揺れるさまは少々不気味化かも知れない。
蔓に咲く葛の花、こちらも7草の1種だ。元来、蔓の草花は処理が厄介なものだがこの葛はその中でも横綱級かも知れない。毎年毎年、蔓を長く伸ばし、見る間に大地・大木を覆いつくす。葛粉そして漢方薬としても使用される有用性もあるのだが。
今の時期、散歩道を楽しませてくれる草花は多い。代表格は露草ではないかと思っているがこの地、この花も多い。ルコウソウだ、正確にはマルハルコウソウではないかと思う。これも蔓性の草花、しっかり他の草花に巻き付きながら伸びている。
そしてもう1種、名からも匂いそうなヘクソカズラ(屁糞蔓)だ。匂いがきついようだが臭覚がなくなってから知った花で嗅いだことはない。名付けたのは朝ドラでも取り上げられた牧野富太郎氏だ。どんな気持ちで命名したのだろうと考えるだけでも楽しい草花だ。
穂をたれ、思い出深い草花が風に揺れている、エノコログサだ。イネ科の植物で猫じゃらしの別名もある。子供の頃、エノコログサの先を切り、残った茎にミミズを差して田畑に水を引く用水の石垣に出来た巣で蟹を釣ったのを思い出す。ミミズを巣に差し込み、カニがいたら少しづつ引き出し、出てきたところを抑える。楽しい遊びの一つだった。
彼岸明けは今月25日だった。が、今年は彼岸花の開花がずいぶん遅い。毎年、並び咲く場所にも全く花がない。この地へきて15年になるがお彼岸にポツポツとしか彼岸花がないのは初めての経験だ。
ここまで花が遅いと今年は咲かないのではないかと心配したが、昨日ぐらいから花芽が出始めた場所が増えてきた。こんなに気温が高い日が多い年だったのに、と思いながら調べてみたら逆だった。彼岸花は地中の温度が20度を切るぐらいにならないと花芽を出さないそうだ。”暑さのせいで遅れた!”と言うことのようだ。私も年とともに気温・気候の変化で身体の不調を訴えたくなる時が増えた。天気痛と呼ばれる気圧の変化(特に雨降り)による頭痛(偏頭痛)は岐大病院の先生のお陰で月一の偏頭痛治療薬の注射と漢方薬呉茱萸湯(ゴシュユトウ)で収まった。が、季節の変わり目に多く発生する頭痛(偏頭痛ではない)には今も悩まされている。鎮痛剤で抑えてはいるが多用もいけないと言うことで今日は民間治療でビワの葉をおでこに貼って過ごしている、お客さん・宅急便が来ないようにと願いながら。