個人的な感覚だが月ごとの代表花と聞かれれば2月の梅で始まり3月は桜、4月はフジそして5月はアヤメと答えたくなる。子供の頃から馴染んでいたアヤメ、その頃は紫色の花一色のように思うが近頃はこのような橙色も咲いている。更には白色もある。雨に似合う花とも思える。
庭に増えた花の1種、エビネだ。他家でミヤコワスレとセットで植えられていた庭が美しいと思い植えたようだ。2種の花とも競うように増えている。
名前も花も似た花2種だ。順序が逆のように思うが先に二人静(フタリシズカ)の花だ。芽吹きは葉のみで大きくなり花芽を出す。二人静ではこの花芽が2本伸びた後に花が咲く。
そして一人静(ヒトリシズカ)だ。2種の花の大きな違いは一人静の芽吹きは2枚目の写真のような花芽が伸びる。そして葉が伸び種子になったときの形状が一人静は1本で二人静は2本の違いになる。静御前の美しい舞姿からの一人静の名、そして静御前と亡霊の舞姿からの二人静。名の由来は楽しい。
秋の紅葉が美しいニシキギ(錦木)、この美しさを錦に例えたことが名になっている。ニシキギは平らな茎、赤い実そして極めつけは紅葉の美しさと飽きない木だ。その花が今だ。秋の赤い実・紅葉の紅さからは想像できない爽やかな花だ。
木に鋭い棘を無数に持つことの発展から名になったヘビノボラズ、蛇も登れないだろうが剪定時も苦労する。葉の色が薄赤い色で新緑のころにはアクセントになる。名に合わない可憐な花が咲いている。
ヘビノボラズの名を知り、和名はどのように付けられたのか気になり調べてみた。先ずは①色・大きさ・形状などの形質、そして②似た部分のある動物から、③歴史上の人物から、④神社・仏閣・仏具に由来するもの、⑤昔の生活用品に関するもの、⑥産地・自生地等々。
当てはまる花の名を一つづつ考えてみた。ヘビノボラズは①、②としてはイヌフグリがそうだろう。定家蔓(定家蔓)は③、ホウチャクソウ(宝鐸草)は④、オダマキ(苧環)は⑤、伊吹麝香草は⑥か。こうしてみると形質からの名は忘れない気がする。ヘビノボラズなんて1度覚えると棘を見ると思い出すだろう。もう一つある、ヘクソカズラ(屁糞蔓)だ。匂いを嗅ぐには勇気がいる花と言うだけで忘れない。