今日は小澤征爾さんの80歳の誕生日。現在開催中の「セイジ・オザワ松本フェスティバル」ではバースデー・コンサートも開催されます。先日、怪我のため予定されていたオペラの指揮を降板、というニュースもあって心配していましたが、今日は元気な指揮姿を見せてほしいものです。
さて、自分にとって生涯忘れられないコンサートがあります。それは1978年3月、小澤さんがボストン交響楽団を率いて初めての日本公演をした時の東京文化会館での演奏会。
◆当日のプログラム
自分は大学2年生。学内のオケに入っている先輩から「小澤征爾とボストン響が来るんだよ!聴きに行かない!?」と誘われ、必死で稼いだバイト代をつぎ込んで(確か2階のB席で7000円でした)チケットを買ったのです。
それまでオケを生で聴いたのは1回だけ。もはや伝説となっている名番組「オーケストラがやってきた」の公開収録でしたから、世界の超一流オケを聴くのは初めてで、本当にわくわくしていました。
◆山本直純さんの本も面白かった!イラストは山藤章二画伯!
そして1978年3月16日、上野の東京文化会館大ホールは満席。19時開演。
プログラムは
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
マルタン:7つの管楽器、ティムパニー、打楽器、弦楽のための協奏曲
ベルリオーズ:幻想交響曲
最初のスメタナから颯爽としたテンポで美しく響きわたるオケの音に感激。続くマルタンは明るく品のある管楽器の音色と切れのいいリズムが実にかっこいい。休憩をはさんでいよいよメインの「幻想交響曲」へ。これがもう圧倒的な名演!聴きながら何回背中に電流が走ったことか。特に感激したのはボストン響の金管楽器セクション。明るく肌理の細かい響きと完璧なバランスとアンサンブルには鳥肌が立ちっぱなしでした。そして4楽章から5楽章への盛り上がり、コーダに向かって一気呵成に進んで行くさまは興奮もので、今でも最後の輝くような音が耳に残っています。
なお、奇跡的に当時NHKが放送した録画がYoutubeで見られますので、ご覧になってください→こちら
では熱狂的な拍手に答えての「ハンガリー行進曲」をお聴きください。会場中が熱気に包まれていました。
★ベルリオーズ:「ハンガリー行進曲」(1週間後にNHK-FMで放送されたもの)
今回あらためてプログラムのメンバー表を見ていたら、トランペットにRolf Smedvigの名前が!自分がいちばん好きなトランペット奏者で、エンパイヤ・ブラスも何回か聴きに行きましたが、この時ステージにいたとは!。。。残念ながら先日若くして亡くなられましたが、彼の音と演奏は大好きでした。ご冥福をお祈りします。
(2015.09.01)