高校生諸君今が試される時ぞ

小さなころからその目標のために全てを犠牲にして打ち込んできた高校生最後のインターハイが中止になった知らせは伝える方も断腸の思いだったろう。
　当事者の生徒側は永年の目標が突然無くなり驚きと虚無感に打ちひしがれているに相違ない。学校教育における部活動は自分の限界を超える鍛錬によって身体能力の向上や忍耐力、向上心、優れた者へ敬意、未熟な者への思いやり、協調性など多くの社会人として大切な心の持ち方を学ぶ場でもある。そして何よりも努力する事によって成果が如実に会得できる教育の中の主体をなすものであると言える。
　生徒諸君にはこれから永い人生には、このような降ってわいたような突然の試練があるという事を知り、その時に今迄やってきた運動は何のためだったのか、その苦しかった鍛錬は社会でどう生かせるのか考えて欲しいと思う。
　人よりも苦しいトレーニングをしなければ人よりも強くはなれない事は自経験済みである。
　今はその鍛えてきた精神力が試されている時だ。
その時が来るまでじっと待つも良し、発想を替え新たな目標にチャレンジするもよし、チャンスと捉えるか禍と諦めるかで、これからの人生が決まる、決して下を向くな天を仰げ若人らしく。
　若者には何ものにも束縛されない自由がある、清冽な心がある頑健な身体がある。