快晴の立山を満喫して、雷鳥沢で張ったテント。
でも、快適な夜は短くて、結構すぐ目が覚めた。。
どうも風が強い。
天気が下り坂なのは想定の範囲内だけど、さっき星をみてから2時間も経ってない。
そして23時頃位から、風がどんどん強くなってきた。
テントがぶっ壊れることはないにせよ、張り綱が甘かったりすると飛ばされかねないので、
何回か外に出て確認。
この時点で張り綱にはまったく問題なし。
どうやら殆どのテントも起きている模様。
ひょっとすると今日は殆ど寝られないかもな。。
という予感みたいなものはしてきました。
そして吹き荒れる強い風で、殆どまんじりともできないまま、
事件発生。
どうにも寝ていられてなくて、テントの中で体を起こして座り込んでいたその時、
強い風に煽られた直後に、ゴンザレスの頭上で「バキン」。
一瞬のち、それが自分のテントのポールが折れた音だと気付いて、背筋が凍りました。
そして次の瞬間、風に煽られたテントがはっきり「ぐんにゃり」とたわみ、思わず内側からテントのポールを持って支えました。。
山岳テントは強風に煽られることは想定の範疇なので、この程度で壊れるのは恐らく設営ミス。
考えられるのは、ポールのつなぎ目がきちっと入っておらず、そこに力が加わって破損という展開。
とっさに手を伸ばしてポールスリーブをたどったところ、やはり、頂点に近いところでぽっきり折れてました。
考え得る中で最悪の事態。。。
テントはもはや風に耐える力が殆どなくなって、強い風が吹くたびにたわんでしまう。。
このまま強風が続けば、そのうち折れたポールがテント生地を突き破って、
テントは自立不可能になる可能性が高い。
寝袋に入ったままで、テントの中に食材とかも散らかったままの状態でテントがつぶれるのは一番収拾がつかない。
時計を見たら午前1時を回ったところ。
夜明けまではまだ3時間以上。
天気も、これからまだどんどん悪くなっていくはず。
一瞬でぐるぐると頭の中をよぎりましたが、
テントの修復はあきらめ、テントが立っているうちにとにかく荷造りして撤収することに。
とにかくテント内を空にして、
それから、テントが飛ばないよう張り綱を張ったままでフライをつけたまま、ポールを直接抜く。
テント生地に片っ端から石を置いて飛ばないようにしつつ、
端から一気に折りたたんでテント撤収。
さて、これから?
明かりのついているトイレ前に移動しで、改めてパッキングをしなおしつつ考えてみた。
①3時間このまま時間をつぶして、明るくなってから室堂のバスターミナルまで40分程度歩く。
ただし、おそらく朝には雨になって雨の中を室堂まで移動。
②雨が降り始める前に夜の間に室堂まで移動してしまって、室堂のバスターミナルの屋根のある建物の中に逃げ込む。
心の中では①が正解だと分かってた筈なんですが、、、
キャンプ場にいれば人がいるし、雨に降られたところで命の心配まではいらないけど、
単独行で夜中にはじめてのルートを夜中に歩くというのは、
ここから室堂まではおそらく「遊歩道」に近いレベルの道だし、山小屋も途中に幾つもある。
とはいっても、3000メートルクラスの山だし、天気は下り坂だし、一人夜中に雨の中で道に迷えば遭難の可能性だって否定できない。
午前2時半くらいまでテント場のトイレの明かりの前で粘りましたが、
室堂へ向かうことにしました。②を選択です。
無駄に?3時間くらい夜のテン場でじっとして雨が降るのを待つというのに耐えられなくなって。
そして一人、ヘッドランプをつけてテント場から山道へ。。。
歩き始めは上り坂。
これが想像以上の急なのぼり。
そして想像した以上に風が強い。。
そして上るにつれてガスが濃くなってきて、周りが、、、どんどん真っ白な世界に、。
最初は遠くに山小屋なんかの明かりが見えていたのですが、
いつのまにやら何も見えなくなり、ヘッドランプの明かりが足元の道を照らすのみ。
道は明瞭で登山道というよりは遊歩道に近いので迷うはずはない、はずんだけど
もしこれで道に迷ったら、、、遭難決定か?という怖い想像も頭からは離れなくて。
30分ほど上ったところで、雷鳥荘の明かりが見えてきて、ホッ。
こんな夜中なのに、入り口すぐのロビーで話しをしているおじさんが二人。
思わずドアを開けて一時避難。。
いやー、「屋根のある建物」の安心感ってすごい!(感謝!)
正直30分歩いたで既にゴンザレスの心は半分折れていて、、、
行程はまだ半分ほど残すも、真っ白な霧の中に再び踏み出すことはできず、そのまま1時間半ほど、空が少し明るくなるまで雷鳥荘のロビーから動けませんでした。
4時半ころになって空が少しだけ明るくなり始めて、少しだけ視界が利き始めたので、雷鳥荘を後に。
雷鳥荘から先は、地獄谷といわれる、立山の噴火口周辺をめぐる遊歩道。
昼間で天気がよければお散歩コースなんでしょうけどね~。
ガスの濃いうす暗がりの中で、時々吹く強風の中でヘッドランプに照らされて見えてくる看板が「有毒ガス発生注意。吹流しの向きに注意」とか書いてあると、
萎えるばかり。。
強風と真っ白なガス。時々ピカピカと光る空。
左下の谷にある池は「血の池地獄」らしい。暗くてよく分からないけど。。
テント場を出てから、歩いている人には誰も会いません(当然!)
道はどんどん平坦になり、室堂のターミナルについたのは4:50ころ。
「うおー、生きてた~」
大げさっぽいけど、気分的にはそんな感じ。
既に数人の避難者?がいましたが、殆ど建物の中は空。
そして、最初のバス時刻を確認すると・・・・8時、で3時間以上あったので、
チケット売り場の近くにマットを敷いて寝袋で仮眠。
そして1時間ほどして、ふと、がさめとき、窓の外は台風のような暴風雨になってました。。。。
これは最悪だ。
その頃から続々とずぶ濡れで到着する人たちが続々と現れ始め。。
結果的にはゴンザレスは雨にも降られず、逃げ切ることができました。
ただ、この選択が正しかったかといわれると、結果的に雨に降られても朝まで待つのが正解だったんだろうと思ってます。
やっぱり山の場合は、遭難リスクを極力ゼロにするべきなんだよな、きっと。
そんなことを考えつつ、8時の朝一のバスで下山し、仮眠を取りつつ何とか無事大阪まで戻ってくることができました。
テントも壊したし、何より思い出すのも嫌なくらいきつい経験でもあったし、高い代償になりましたね~。
繰り返さないよう、糧にしなきゃいかんですね。
でも、快適な夜は短くて、結構すぐ目が覚めた。。
どうも風が強い。
天気が下り坂なのは想定の範囲内だけど、さっき星をみてから2時間も経ってない。
そして23時頃位から、風がどんどん強くなってきた。
テントがぶっ壊れることはないにせよ、張り綱が甘かったりすると飛ばされかねないので、
何回か外に出て確認。
この時点で張り綱にはまったく問題なし。
どうやら殆どのテントも起きている模様。
ひょっとすると今日は殆ど寝られないかもな。。
という予感みたいなものはしてきました。
そして吹き荒れる強い風で、殆どまんじりともできないまま、
事件発生。
どうにも寝ていられてなくて、テントの中で体を起こして座り込んでいたその時、
強い風に煽られた直後に、ゴンザレスの頭上で「バキン」。
一瞬のち、それが自分のテントのポールが折れた音だと気付いて、背筋が凍りました。
そして次の瞬間、風に煽られたテントがはっきり「ぐんにゃり」とたわみ、思わず内側からテントのポールを持って支えました。。
山岳テントは強風に煽られることは想定の範疇なので、この程度で壊れるのは恐らく設営ミス。
考えられるのは、ポールのつなぎ目がきちっと入っておらず、そこに力が加わって破損という展開。
とっさに手を伸ばしてポールスリーブをたどったところ、やはり、頂点に近いところでぽっきり折れてました。
考え得る中で最悪の事態。。。
テントはもはや風に耐える力が殆どなくなって、強い風が吹くたびにたわんでしまう。。
このまま強風が続けば、そのうち折れたポールがテント生地を突き破って、
テントは自立不可能になる可能性が高い。
寝袋に入ったままで、テントの中に食材とかも散らかったままの状態でテントがつぶれるのは一番収拾がつかない。
時計を見たら午前1時を回ったところ。
夜明けまではまだ3時間以上。
天気も、これからまだどんどん悪くなっていくはず。
一瞬でぐるぐると頭の中をよぎりましたが、
テントの修復はあきらめ、テントが立っているうちにとにかく荷造りして撤収することに。
とにかくテント内を空にして、
それから、テントが飛ばないよう張り綱を張ったままでフライをつけたまま、ポールを直接抜く。
テント生地に片っ端から石を置いて飛ばないようにしつつ、
端から一気に折りたたんでテント撤収。
さて、これから?
明かりのついているトイレ前に移動しで、改めてパッキングをしなおしつつ考えてみた。
①3時間このまま時間をつぶして、明るくなってから室堂のバスターミナルまで40分程度歩く。
ただし、おそらく朝には雨になって雨の中を室堂まで移動。
②雨が降り始める前に夜の間に室堂まで移動してしまって、室堂のバスターミナルの屋根のある建物の中に逃げ込む。
心の中では①が正解だと分かってた筈なんですが、、、
キャンプ場にいれば人がいるし、雨に降られたところで命の心配まではいらないけど、
単独行で夜中にはじめてのルートを夜中に歩くというのは、
ここから室堂まではおそらく「遊歩道」に近いレベルの道だし、山小屋も途中に幾つもある。
とはいっても、3000メートルクラスの山だし、天気は下り坂だし、一人夜中に雨の中で道に迷えば遭難の可能性だって否定できない。
午前2時半くらいまでテント場のトイレの明かりの前で粘りましたが、
室堂へ向かうことにしました。②を選択です。
無駄に?3時間くらい夜のテン場でじっとして雨が降るのを待つというのに耐えられなくなって。
そして一人、ヘッドランプをつけてテント場から山道へ。。。
歩き始めは上り坂。
これが想像以上の急なのぼり。
そして想像した以上に風が強い。。
そして上るにつれてガスが濃くなってきて、周りが、、、どんどん真っ白な世界に、。
最初は遠くに山小屋なんかの明かりが見えていたのですが、
いつのまにやら何も見えなくなり、ヘッドランプの明かりが足元の道を照らすのみ。
道は明瞭で登山道というよりは遊歩道に近いので迷うはずはない、はずんだけど
もしこれで道に迷ったら、、、遭難決定か?という怖い想像も頭からは離れなくて。
30分ほど上ったところで、雷鳥荘の明かりが見えてきて、ホッ。
こんな夜中なのに、入り口すぐのロビーで話しをしているおじさんが二人。
思わずドアを開けて一時避難。。
いやー、「屋根のある建物」の安心感ってすごい!(感謝!)
正直30分歩いたで既にゴンザレスの心は半分折れていて、、、
行程はまだ半分ほど残すも、真っ白な霧の中に再び踏み出すことはできず、そのまま1時間半ほど、空が少し明るくなるまで雷鳥荘のロビーから動けませんでした。
4時半ころになって空が少しだけ明るくなり始めて、少しだけ視界が利き始めたので、雷鳥荘を後に。
雷鳥荘から先は、地獄谷といわれる、立山の噴火口周辺をめぐる遊歩道。
昼間で天気がよければお散歩コースなんでしょうけどね~。
ガスの濃いうす暗がりの中で、時々吹く強風の中でヘッドランプに照らされて見えてくる看板が「有毒ガス発生注意。吹流しの向きに注意」とか書いてあると、
萎えるばかり。。
強風と真っ白なガス。時々ピカピカと光る空。
左下の谷にある池は「血の池地獄」らしい。暗くてよく分からないけど。。
テント場を出てから、歩いている人には誰も会いません(当然!)
道はどんどん平坦になり、室堂のターミナルについたのは4:50ころ。
「うおー、生きてた~」
大げさっぽいけど、気分的にはそんな感じ。
既に数人の避難者?がいましたが、殆ど建物の中は空。
そして、最初のバス時刻を確認すると・・・・8時、で3時間以上あったので、
チケット売り場の近くにマットを敷いて寝袋で仮眠。
そして1時間ほどして、ふと、がさめとき、窓の外は台風のような暴風雨になってました。。。。
これは最悪だ。
その頃から続々とずぶ濡れで到着する人たちが続々と現れ始め。。
結果的にはゴンザレスは雨にも降られず、逃げ切ることができました。
ただ、この選択が正しかったかといわれると、結果的に雨に降られても朝まで待つのが正解だったんだろうと思ってます。
やっぱり山の場合は、遭難リスクを極力ゼロにするべきなんだよな、きっと。
そんなことを考えつつ、8時の朝一のバスで下山し、仮眠を取りつつ何とか無事大阪まで戻ってくることができました。
テントも壊したし、何より思い出すのも嫌なくらいきつい経験でもあったし、高い代償になりましたね~。
繰り返さないよう、糧にしなきゃいかんですね。