2011年4月5~6日にかけて、たまき公良は他スタッフ2名と東日本大震災の被災地である宮城県石巻市、女川町、南三陸町に入りました。 特に今回は、全国的にも、テレビや新聞などどメディアから注目されていない石巻から女川、南三陸町、気仙沼の間にいくつもの無名の集落があり津波でほとんど壊滅している一帯を物資支援と調査することを目的としました。
現地で被災者の皆さんと話して、たまき公良が感じたのが、「人々の表情が暗い」ということでした。被災者の皆さんに前を向いてもらうためには、「復興へのビジョンを示し、緊急の仮設住宅や暮らしのことを早期に解決を図ること。そのために、国会議員が現場に入り、何が求められているのか、また国が何をしようとしているのか直接被災者に接し、話をすることが大事と痛感した」。
その上で、「早急に復興支援策、また義援金など、これからの展望と安心感を抱いてもらえるようなメッセージをていねいに説明していくことが求められる」と述べた上で、たまき公良は「『忘れられた被災地』を出さないためにも、国会議員、省庁職員は、自分の足で避難所をまわり、現地での対応状況を被災者の皆さんの声を直接把握する必要性を感じた。少なくとも一ヶ所の視察を各議員に義務づけ支援の活動を強化すべきだ」と言います。自ら現地を回る中で肌で感じたこと、そして被災者からの切実な要望などを基に、下記の通りに中間報告を作成して政府・民主党本部に提出しました。
東日本大震災被災地における点在する無名の津波被災集落支援と調査の中間報告(要旨)
【政府・民主党への要望・提言】
国は今何をしているのか? 今後何をしていくのか?
早急に復興支援策、また義援金など、これからの展望と安心感を抱いてもらえるようなメッセージをていねいに説明していくことが求められる。
また、「忘れられた被災地」を出さないためにも、国会議員、省庁職員は、例えば全部の避難所をまわり、現地での対応状況を把握する必要性を感じた。少なくとも一ヶ所の視察を各議員に義務づけ支援の活動を強化すべし。
私が現地を回って感じたのが、人々の表情が暗いことである。解決していくためには復興へのビジョンを示し、緊急の仮設住宅や暮らしのことを早期に解決を図ること。これらを国会議員が現場に入り、直接被災者に接し、話をすることが大事と痛感した。
【財務省・金融庁への要望】
◎住宅ローンを軽減、手続きの簡素化を
役所まで出向かなければならないなど、手続きが面倒。
【農林水産省への要望】
◎新しく船を購入するための資金援助を
◎風評被害対策を
原発の放射能漏れなどもあり、漁業やカキの養殖などを再開して魚を捕っても売れないという心配がある。国や行政はその保障をしてほしい。
【厚生労働省への要望】
◎被災地へのカウンセラーの増派を
被災者のPTSDが杞憂される。
◎避難所にいる被災者の栄養バランスの調査指導を
みんな体調がおかしくなってきている。
◎震災で最も弱者といわれる障がい者に支援の輪を
障がい者の方に「震災後共同作業所などの施設はどうなっているのか?」と聞くと、
「全部閉所している」とのことだった。1日も早く作業所を再開して欲しいとの要望あ
り。
◎雇用問題の対策を
・生活のために働きたいが、近場は被災地で雇用はなく、都市(ex仙台)までは遠くて
行けない。
・職場を解雇されて、給料一ヶ月分の退職金しかもらえなかった。雇用を延ばしてもらうなり、退職金の増額など、生活を支援される方法を考えて欲しい。
◎下水対策を
衛生環境が悪いため、感染症が心配される
◎看護婦の支援要増強を
【国土交通省への要望】
◎復興庁の発足まで待たずとも、仮設住宅の早急な増設を
・今一番してほしいことは仮設住宅。第3次計画を早く出して欲しい。(石巻市長)
・仮設住宅の建設スピードが遅すぎる。いつ建ててもらえるかわからないし、小さい集落は後回しにされるのではないかという不安がある。速やかに増設してほしい。(女川町 御前浜)
◎高速道路は一般の方の救援車両についても無料にすべき
母を東京から女川まで迎えに行き東京へ連れてきた人から「16,000円も通行料の負担があった」という事実を聞いた。
【総務省への要望】
◎身分証明書となりうるもの速やかな再発行を
被災した人は身分証明がない。この人達が暮らすための支援を考える必要がある。女川町では身分証明書の発行も始まっているが、こうした小さな集落の人や老人が役場に行く足がない。
◎各種携帯の協同アンテナを建設すべき
非常時にはつながりにくい
【経済産業省】
◎女川原発のリスクマネージメントの説明を
恐怖に怯えていて、全然安心ができない。
◎早急な電力回復を。また、その復興の見通しを出すべき
避難所は自家発電のため、いつ電気が通じるようになるのか不安になる
【防災関連】
◎全国の津波被害が起こることが予想される地域の再点検を国をあげて至急やっていく必要がある。(東京や大阪の海抜ゼロメートル地帯など)
【ボランテイア関連】
◎NPOとの連携などで、支援の人を増員すべき
あまりにも支援の人が少ない気がする。10万人の自衛隊員が分散して支援に回っても、現地では少なすぎるという印象しかなかった。支援のボランティアも少ない。
◎山形ないしは岩手にボランティア活動の拠点を
仙台を根城にボランティアや支援をしている人も大勢いるようだが、ホテルはあることはあるが、あるビジネスは素泊まりで1泊8,500円など、値段が高い。