それほんと?

キラ様のデスノート

トヨタ プリウスの設計問題

2010年02月07日 | トヨタ品質問題
トヨタ プリウスのABSシステムについて
いろいろなことが言われている。

それらを整理すると次のようになる。

1.低速時、ブレーキは回生ブレーキが主として作動する。
  つまり、前輪にブレーキが良くかかる。
2.この状態でスリップ(ABS作動状態)を検知する。
  つまり、前輪の左右どちらか、あるいは両輪がスリップする。
3.ブレーキシステムの切換え機能が働く。
4.回生ブレーキがOFFになり全て油圧ブレーキに切り替わる。
5.油圧ブレーキがABSの作動状態、制動力を再計算する。
6.4輪が油圧ブレーキで制御される。
  一般のガソリンエンジン車と同じ仕組み
7.油圧ブレーキで停止する。

プリウスブレーキ問題を体験した人の話には、
1秒くらいノーブレーキ状態になる、
あるいは、押し出される感じがする
というのが多い。

これは、上記3.4.5.6へ移行する時間に該当する。
ABSが作動する状態で起こる問題のようである。
重要なことは、この切換え期間中は、4輪全てのブレーキ
が作動していないということだ。
今まで、マイナスのGを感じ減速感を体感していたものが
ノーブレーキでGがゼロになるため、加速感に変わり、
空走する感じがする、、あるいは、
押し出された感じがする
のだと考えられる。

これは、ユーザーの感覚で済む問題ではない。
一般のガソリンエンジン車の場合、3.4.5は発生しない。
2.を検知した後、6に続くが、
その時間は1/100秒単位である。

これがABSのABSと言える所以である。

トヨタの説明は明らかに、このブレーキングシステムに問題が
あることを表明している。
1秒はユーザーの感覚、、、
という表現は、

トヨタプリウスのABSは回生ブレーキから油圧ブレーキ
に切り替わる時に、1/100秒単位では切り替わりません。
1秒くらいかかる場合もあります。
その間は、ブレーキが利いていません。

と言っているのだ。

これは、明らかに設計ミスだろう。
前原大臣もこの点を指摘してもらいたい。

ABSは一般の人が制御できないポンピングブレーキを
システム化したものだ。
ブレーキを踏み続けても最適に制御してくれる。
が、この時、ドライバーは、ブレーキシステムが
回生から油圧に切り替わることなど想定していない。
ましてや、その間、ブレーキが利いていないなどとは
夢にも思わない。
 
それが、今回のトヨタプリウスは、勝手に切換えて
その間ブレーキが利かないが、それはユーザーの
フィーリングです、、、で済むはなし、、
ではない。

もし、事故が発生した場合、だれの責任と言えるのか。
ユーザーの責任ではないだろう、、

私もエンジニアの一人なので、言っておきたいが、
回生から油圧への切り替えタイムラグの設計値は
1/100秒単位でなければならない。

それがトヨタプリウスでは、この100倍も
容認している設計品質は改めて問題と言わざるを得ない。

以上が大方の見方を整理したものだ。が、
問題は、まだある。

ブレーキングの途中でシステムを切り替える
ブレーキシステムのことが
設計思想として問題が無かったか
ということだ。

止める、減速するという操作中に、指令を受けた
車が、ブレーキシステム、メカニズムを勝っ手
に切り替えることのリスクをどう考えていたのかだ。

低速だから、問題はない、、そう考えていたのでは
無いか。

今回のトヨタの会見からは、切換えのリスク、設計
指標が大変甘かったと言わざるを得ない。

商品を魅力的に見せる、ことは重要なことだ。
燃費は商品を魅力的に見せる数字だ。

しかし、確かな技術に基づいていなければならない。
ブレーキシステムを発電に使う回生システムは、その
前提に立たなければならないが、
トヨタプリウスは、そうではなっかとしか言えない。

ブレーキはあくまで、油圧制御が本筋。
その上で、サブ的なシステムがエンジンブレーキであり
回生ブレーキだと思うが、、。

ブレーキングの途中でブレーキシステムを入れ替える
のは論外だ。

もし、緊急時に制御チップのASICやプログラムが
壊れていたら、どうなるのだ、、

全てのブレーキ制動が同じブレーキシステムで
行われているのと、緊急の時に使うシステムが
異なるのとでは、問題への対処がことなる。

例えば、普段から使っていれば、障害の予兆を
感じとることができる。だが、緊急時にしか作動
しないシステムでは、故障の予兆を感じとる
ことができない。
いざという時に障害で、、、となったら照明も
できない。

考えるだけで恐ろしい。