
二人の大学アスリートがいた。
ヒラヤマとウチハラという男子で、
特にヒラヤマは、
猫のように俊敏に動くと絶賛されていた。
また、
各スポーツ大会は、
ヒラヤマによって、
ヒラヤマ所属の大学に栄冠がもたらされた。
そんなヒラヤマは、
常にチームメートに上から目線やったので、
ウチハラはいつもウツが入るんやった。
ある日、
合宿で、
山荘に行った。
すぐに、
ヒラヤマとウチハラは、
滝つぼが見える丘まで走り、
自然の空気を大きく吸い込んだ。
その際、
ヒラヤマがウチハラに、
「お前の走り確かに速いけど、フォームがジジイなんだよな。フレッシュさがなくて線香臭えんだよ」と言ったので、
ウチハラは心の中で、
ヒラヤマのムエルト(スペイン語で死の意)を強く願った。
ヒラヤマが滝つぼの周辺を見回していた時に、
山腹に、
小さなお地蔵さまを発見した。
と同時に、
凄まじい突風が起こり、
ヒラヤマとウチハラは滝つぼに転落した😱😱
二人は、
チームメートの通報によって、
救急搬送され、
医療処置を受けた。
ウチハラは全治2週間の打撲で済んだが、
ヒラヤマは、
下半身麻痺の重体となった。
車椅子生活になったヒラヤマのところに、
ウチハラが遊びに来た。
二度と歩けない体になって、
万年ウツ状態のヒラヤマのそばで、
ウチハラはわざと、
「🎤歩こう、歩こう。わたしは元気。歩くの大好き」と、
「となりのトトロ」の主題歌『さんぽ』を唄った。
ヒラヤマは拳を握りしめて耐えた❗️
また別の日。
ヒラヤマが、
猫のような俊敏さを失ったと嘆いていたら、
ウチハラが、
猫の着ぐるみ来て四つん這いでやって来て、
「ニャーア!」と鳴くんやった。
ヒラヤマは唇を噛みしめて耐えた❗️❗️
翌年、
ヒラヤマは、
所属する大学のスポーツ部に、
あの山荘での合宿の同行を願い出て、
許された。
そして、
あの滝つぼが見える丘まで、
ウチハラに背負われてやって来た。
ウチハラはヒラヤマを背負いながら、
「お前は終わりなのです。ジ・エンドなのです。フィナーレなのです」と嫌味をテンコした。
ヒラヤマはこの罵詈雑言をスルーして、
あの山腹のお地蔵さまを見つめていると、
ウチハラがせせら笑いながら、
「相変わらずチンケなお地蔵さまですね」と言った。
そして、
歩き始めようとしたら、
キノコ🍄を踏んで、
足を滑らせて、
背中のヒラヤマともども、
滝つぼに転落した。
再びチームメートの通報で、
二人は救急搬送され、
医療処置を受けた。
今回は、
ウチハラもヒラヤマも全身打撲の重傷で、
ウチハラは下半身に麻痺が残り、
車椅子生活を余儀なくされた。
が、
ヒラヤマは、
傷が癒えると同時に、
「歩ける」という確信から、
徹底的にリハビリして、
歩行が可能となり、
走り、
元のアスリートへと復活した。
この出来事を思い巡らしたヒラヤマは、
あの山腹のお地蔵さまを引き取って、
自宅の庭で供養した。
と、
そこに、
DQN尼の本尼(ホンニ)が寺の坊主を連れて、
ヒラヤマの家に来た。
ナンでも、
あの山腹のお地蔵さまは本尼(ホンニ)が供養責任者やったらしいけど、
ほったらかし状態の時に、
ヒラヤマが引き取ったとの報を聞き、
訪問したとのことやった。
本尼(ホンニ)は言った、
「本尼(ホンニ)はほんに、かたはらいたしく、あんまり片腹痛いので病院に行ったら盲腸と言われましたのです」、
と。
こういうイミフな戯言が最後になったけど、
ケイシロウ、
奇跡は必ず存在する!!