
遺品整理業務している知り合いから聞いた話。
知り合いのいる遺品整理をしている会社に、
真面目な青年が入社して来た。
初めてで、
驚きの職種であるにも関わらず、
無遅刻無欠勤のケウジロウ的真面目さを発揮していた。
けど、
気持ちが優しい青年やったので、
遺品整理の際、
涙ぐみながら仕事をすることも多々やった。
そんなある日、
家族を捨てた高齢女性の遺品整理をしていた際、
一人娘への、
未発送のバースデイカードがたくさん出てきた。
御供養という部門に収められることになったが、
青年は、
遺族に届けたいと言って効かない。
俺の知人は、
「お前の気持ちはわかる。けど、遺族さんにしてみたら、ありがた迷惑や!」と諌めた。
やって、
遺品整理は、
遺族の納得丸投げ請け負いやさかい。
なのに、
青年は、
勝手にバースデイカードを箱ごと持ち出した。
遺族の住所は、
会社で調べた。
このバースデイカードの受け取り人にあたる一人娘、
ホシミは、
庭で幼稚園児の娘と、
花壇の手入れをしていた。
じょうろに水を入れようとしていた時、
遺品整理の青年が来た。
ホシミはキレて、
「生きてる人間の家を整理するな😡‼️」と怒鳴った!
青年は詫びを入れて、
亡くなったホシミの母親が密かに持っていたバースデイカードのことを話し、
箱を置いた。
ホシミは不機嫌そうに、
「困ります。そちらで処分するように言うてますから」と言った。
青年は必死に、
「でも、あなたのバースデイカードですよ。見てあげてください」と言うが、
ホシミは、
「見る義理はございません。アカの他人様なんですから」とあしらった。
青年は涙ぐみ、
「あなたを思っておられたんですよ」と訴えたが、
ホシミは、
「思ってたら、わたしを捨てたりしないでしょう⁉️だからそんなもんいりません」と断った。
青年は強く、
「駄目です!見ないと」と言うと、
ホシミは声を荒げ、
「要らんと言うとんやろが😠持って帰ってください!」と言い放つ。
青年は負けずに、
「嫌です。これは受け取っていただきます!」と引き下がらない。
ホシミは、
「要らんと言うとんじゃ😡❗️」と言って、
じょうろで青年の頭を叩いた!
青年は、
「駄目です!」と言ってこらえる。
ホシミは、
「要らん言うとんやろが、おんどれ🤬❗️」言うて、
また、じょうろで頭を叩いた!
青年は「嫌です!」と逆らった。
ホシミは、
「要らんと言うたら要らんのやワレ‼️」言うて、
じょうろを持って、
今度は二度叩いた!!
青年は必死に、
「叩かれても駄目です!」と粘る。
そこに俺の知人と数人の社員が来て、
青年に、
「あれほどするなと言ったろ😡相手さんは、二千万円の遺産も放棄されとんやから!」と怒った。
そしたらホシミの顔色が変わり、
「失礼ですが、遺産はお電話で二千円と申されませんでしたか😧❓」と尋ねるので、
俺の知人は、
「いいえ。二千万円と言いました。そのやり取りも録音させていただいております。そちら様の承諾で」と言うと、
ホシミは驚き、
「二千万ですって😳あんなチンケな女が----😨」と呟く。
俺の知人は、
「奥さんは電話では、相当取り乱されてましたからね。わたしどものことをハイエナ稼業だとも申されてました」と言うと、
ホシミは慌てて、
「誤解です❗️ハイエナジー稼業という意味のものを略してハイエナ稼業と申したまでで」と無理矢理言い開きをして、
「思えば、母も愛情深い女性でもありました。わたしは思いのすべてを白紙にいたしまして、バースデイカードと二千万円をいただきましょう」と語り、
ハンカチを目頭に当てた。
知人と社員たちは、
苦虫を噛み潰したような表情で戻ったが、
青年の心は晴れ渡っていたという。