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ケイシロウとトークアバウト

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職人列伝~ガンガンがんちゃん ライン着神!!

2021-02-28 23:53:00 | 日記




「ライン着神前~季節風の男がやってくる😲」の続き。

某大手自動車会社のライン作業して2週間が経った。
朝勤務前の1日。
風呂場で、
痛む指関節を揉んでたシンイチは、
明日起きれるやろか😨❓と心配してた。
そしたらそこに、
遼が来て、
湯船に誰もいないのをいいことに、
バク転入浴した😱
注意する気力もなく、
シンイチは自室に帰る。

翌朝4時起床。
洗面と朝食後に、
送迎バスが来る。
シンイチたちは、
3ヶ月契約してるから、
期間満了することが求められている(モチ、会社側から)。

バスの中、
見知らぬオヤジが乗っていた。
斜視や😨
ボソボソ声が、
「ガンガンがんちゃんや」とあちこち-----
隣席の遼が小声でシンイチに、
「マムシに咬まれて、ひんがら目になったんだって」と言う。
シンイチは、
恐る恐るガンガンがんちゃんを盗み見。
愛想も無いフテ顔の斜視は、
不気味さ100%😬

その日、
車のトリム作業(内装作業)で、
車内に潜り込み、
インパクト(電動ドライバー)で、
やっとの思いでボルト打ち😩
シーツ部に大量の汗を落とした。
愕然としていたシンイチの後ろから、
シャーシ(外装作業)の効かん公がシンイチ押し退けて、
シーツ部の汗を吸い飲み😱😱して、
すぐにシャーシ作業。
ここのラインはガチに早い‼️
再びトリムで苦労するシンイチに、
効かん公は、
「お前の汗は酸味が薄い。ビタミンCが足らん証拠や!!」とわめく!
反論する気もなれず、
シャーシの方に目を向ければ、
ガンガンがんちゃん、
めちゃくちゃ早い😵‼️

休憩。

連日の立ち仕事の上に、
車内に入り込んで、
数十秒の持ち時間にボルト打ち😩😩
その繰り返しに、
腰に激痛が走り、
指の関節がカクカクし出して(ばね指という)、
立ち上がる気力が無い😨
持ち場に戻る気力が無い😨😨
そんな状況のシンイチ見てた遼は、
効かん公に、
「アイツの顔見るのもきょうで終わりやな」と言った。
効かん公は合掌して、
「キリエ・エ・レイゾン」(ラテン語。主よ憐れみたまえの意)と叫んだ!

シンイチに、
そういう馬鹿な情景を気にする気力はない😞
動かない体を動かそうとしながら、
昔の記憶が混じって-----
特に、
ばあちゃんと神社仏閣歩き回った思い出とともに、
立ち上がれずに膝を着いたまま、
「ああ、神様」と呟いた。
その時、
何者かが手を差し伸べて、
シンイチを起こした。
ガンガンがんちゃんやった。

がんちゃんは、
班長にシンイチを休ませるように言いつける。
そして、
シンイチの掌のツボを3箇所押さえた。
すぐに、
大激痛で悲鳴を上げるが、
次第に痛みがひいて、
フツーに指が動かせる。

ガンガンがんちゃんが代わりにトリムに入り、
これまたむちゃくちゃ早く仕上げる。
作業しながら、
ガンガンがんちゃんは、
「🎤はぁ~!来る日も来る日も重労働!牛馬も憐れむトリム工!」と鼻歌する😳
シンイチは、
2時間休憩して、
がんちゃんにコツ教えてもらって、
無事にトリム作業を終えた👍

この日、
シンイチが数回ラインを止めるミスをしたが、
遼も一度ミスってラインを止めた。
相変わらず、
ノック無しにシンイチの部屋に来た遼は、
「俺のせいじゃないんだ😡効かん公が悪いんだよ👎」と責任転嫁。
そして、
「言わせてもらうけどなぁ、効かん公はガチに-----」と言ってる途中で、
効かん公がレモン🍋持って入って来たから、
「偉い!!」と言って出て行った。
効かん公はビタミンC取るようにシンイチに言いつけて、
退室した。

翌日から、
組み立て作業の持ち場は違っても、
シンイチとガンガンがんちゃんは仲良くなった。
腰痛も足の痛みも、
がんちゃんがツボを押さえたら、
良くなり、
最後には、
トリム作業をマスターした。

ただ、
がんちゃんは、
契約切れのとき、
季節風が変わったら、
よそに行くことを常としているため、
シンイチは恐れた。
お別れするのを。
しかし、
3ヶ月後に、
季節風は変わらなかった。

がんちゃんは、
シンイチに喋らせ、
自分は聞き役に回った。
シンイチが、
「どうしてシャーシばかりするんですか?」と問うと、
がんちゃんは、
「斜視やから」と真顔に答える。(ヨーロッパではシャーシではなくシャシと呼ぶことも教わった)
シンイチが、
「ネットでは、期間工の作った車とか乗れるか、と書いてありました」と元気なく言えば、
がんちゃんは、
「そしたら、人力車に乗れば良かろう」と答えた。(期間工の携わらない車とかほとんど皆無)
こうして、
仕事慣れしたら、
時間が経つのが遅いライン作業にあって、
がんちゃんは、
シンイチの話し相手になった。

全くミスをしないシンイチに対して、
ちょくちょくミスしてラインを止めた遼は、
シンイチの部屋に来てため息吐いた。
シンイチは「気にするなよ」と言ってあげた。
そしたら遼が、
「お前、俺を買うか?」と聞くので、
「もちろん買うよ」と返答したら、
遼は「待ってろ」言うて、
ズボンを下ろした。
そして、
内ポケットからスミレの花を出して、
「好きにしろ」と言って、
スミレ咥えて、
ケツを向けた。
シンイチが驚いて、
「ナニしてんだよ😳⁉️」と言うと、
遼はキレて、
「お前、今、俺を買うと言ったろ😡⁉️」と言って、
ズボン履きながら「馬鹿にしやがって」と呟いて、
部屋を後にした。
シンイチは訳がわからんやった🧐❓❓
フツー、
人を買うとは相手の能力をほめることで売春の類いやないはずなのに----🤔❓❓❓

とにかくライン作業は慣れたら慣れたの問題があった。
ズバリ、
時間が経たない感覚と、
同一作業の繰り返しによる想像力の麻痺やった。
そんなとき、
ガンガンがんちゃんが側にいてくれる。
そして、
底辺と言われた仕事から、
官僚に至るまで、
こういう大変なことがあると教える。
がんちゃんは言う。
「人は悲しみの中で花開く」、と。

そして、
シンイチに悲しみの時が来る。
次の3ヶ月契約が終わろうとした時に、
季節風が変わった。

シンイチたちは、
続く3ヶ月契約をしたが、
がんちゃんは、
荷物をまとめた。
シンイチは、
泣きじゃくりたい。
けど、
そんなことして、
がんちゃんが留まるやろか-----

寮の前で、
タクシーに乗り込むがんちゃんをじっと見続けるシンイチは、
ライン作業の先の過酷さと後の退屈さを、
この、
ガンガンがんちゃんから助けられたことを思い出し、
心に、
「ばあちゃん。神様いたよ」と言った。

がんちゃんはタクシーの窓から顔を出して、
「見失わなければ、しあわせ掴める」と言って、
そして、
タクシーを走らせた。

シンイチは、
がんちゃんの乗ったタクシーを見送りながら、
涙を流し、
「季節風にあなたを感じ、
ボルトを打つ時はあなたの目となって、
インパクト持つ手をあなたの手として、
あなたの足で俺はラインに立つ!!」と言った!

時は過ぎる。

21世紀の夜明けから15年が経過!

とある大手自動車工場で、
トリム作業していた気の弱い青年が、
ばね指と腰痛で、
座り込んでいた。
先輩の派遣社員から、
昨夜聞かされた、
ガンガンがんちゃんの話が脳裏にこびりつく。
とにかく立たないとと焦っても、
体が動かない。
がっくりと目を閉じて、 
「ガンガンがんちゃん」と呟いた。
誰かが手を差し伸べて来た。
がんちゃんやろか❓と相手を見ると、
斜視ではない、
やさしそうな30代の男性が「行こう」言うて、
手を引っ張り立たせてくれた。

~この記事をケイジロウ(SK)に捧ぐ!!


ライン着神前~季節風の男がやってくる😲

2021-02-28 00:02:00 | 日記
「季節風にあなたを感じ、
ボルトを打つ時はあなたの目となって、
インパクト持つ手をあなたの手として、
あなたの足で俺はラインに立つ!!」
(シンイチがガンガンがんちゃんに誓った言葉)




21世紀の夜明け。
ところは冬の北海道。
驚天動地の不景気に、
大地も人の心も凍りつく🥶

シンイチという二十歳になったばかりの青年がいた。
昨年、
とある旅行会社に入社して、
一年も経たないうちに、
倒産した。
そして、
その年の北海道は、
氷河期並みの寒さと、
氷河期並みの雇用情勢に、
人々は嘆息した😭😭

シンイチの家には、
寝たっきりのばあちゃんがいる。
このばあちゃんは、
信心深く、
シンイチの幼少時は、
いつも、
神社仏閣を連れまわされた。
ばあちゃんの口癖は、
「何があっても、最後は神様が助けます」やった。

今、
シンイチは、
愛知県にある、
某大手自動車会社へと、
派遣社員としての手続きに行く。
その時、
シンイチは、
寝たっきりのばあちゃんに、
「ヤッパ神様いなかったよ。ばあちゃん」と捨てゼリフ残して、
家を後にした。

愛知県での面接に合格。
自動車会社から指定された寮に行く。
完全個室😃
家賃タダ😃😃
光熱費無料😃😃😃
むちゃ壁が薄い😱
共同風呂😱😱
共同トイレ😱😱😱
良し悪し互角の環境😶

ここに隣部屋のジャニ系青年が入って来た。
ノックもせずに😳
シンイチはこの男にうれしそうに、
「俺、りょう(寮)が好きです😀」と言うと、
男は顔を赤らめ、
「お前、初対面にそんなこと言うなよ。何も言えなくなるだろ」と恥ずかしがる。
シンイチは不思議そうに、
「何がそんなにハズいんですか❓」と聞くと、
相手は、
「ヤダなぁ。お前の言葉だよ」と言うから、
シンイチは、
「俺はりょう(寮)が好きだと言っただけです。どうしてあなたがハズくなるんですか?」と答えたら、
相手はムクれて😠、
「そういう時はな、社員寮が好きだと言うんだよ!!」とガナった!
シンイチもムキになり、
「どう呼ぼうと俺の勝手です!」と口答え。
相手は、
「困るんだよ!!俺の名前は遼(りょう)っていうんだから‼️」と荒々しく吐き捨てて、
出て行った。
シンイチは不愉快やった。
いくらりょう違いでも、
初対面の男に告白とかするやろか😡❓と心に呟いた。

翌日、
工場への送迎バスに乗せられて、
座学(作業工程の講義)と健康診断を経て、
実地体験。
北海道育ちのシンイチは、
農業系やから、
工具とか使い方わからんかった。
なのに最初に使命された。
インパクトドライバーを担当官から渡されるが、
ドライバーのケツをボルト🔩にあてて、
笑い者🤣になる。

そして、
配属部署が決まるんやけど、
以下のライン作業の工程がある。

(1)プレス
(2)ボデー(車体。ボディやなくてボデーと言わないといけない)
(3)塗装
(4)組み立て
•トリム(内部装備)
•シャーシ(外部装備)
(5)検査

この中で、
組み立てのトリムがガチガチガチにきついので、
多くは、
運搬(物資運び)、塗装、検査(商品としての出荷前の最終チェック。責任重大)に、
回して欲しいと願い🤲十字をきる🙏

面談官と向き合うシンイチに、
面談官はゆっくりとした口調で、
「君は検査の方が似合っている------ということはないからトリムや」と言った。
シンイチ心臓急停止😱😱💯‼️
トリム🙀トリム🙀🙀一番きついトリム🙀🙀🙀

なお、
勤務体制は、
朝勤務(am6:00からpm 3:00くらいで残業がよくある)
夜勤務(pm 4:00からam 0:00で残業あり)を、
一週ごとに交替する。
いわゆる二交替システム。

シンイチは、
絶望の極(キワ)に寮に帰ると、
近くの部屋から、
テレビ局に大声で、
抗議の電話をしているメタボがいた。
なんでも、
この頃コナンが面白くないとかいうもんやった。
シンイチが注意しようとしたら、
遼がきて、
「あいつとは関わるな。ヤバいから」と言った。
シンイチが、
「あいつは?」と問うと、
「効かん公。わがままの自己中でそう呼ばれてる」と答えた。
期間工の効かん公---🤔🤔🤔
遼は、
「聞いたと思うけど、二交替、朝の方がシンドイぜ」と言って、
自室に戻った。

さて、
翌日から、
送迎バスに乗せられて工場に。
ちびっと以下に解説入れる。



これがトリム。
中装備作業。
足、腰、指が絶叫する‼️



こちらはシャーシ。
外装備作業。
先のトリムほどやないけど、
足、腰、指が悲鳴上げる。

次に組み立て作業の重要工具として、




インパクトドライバー。
電動ドライバーということやけど、
ボルトを締め過ぎれば焼き付き、
緩ければ検査からインネンつけられる。
ボルトは適度に締めるのが望ましいとのこと。




これはレンチ。
緩いボルトを調整したりする為、
組み立て作業の必需品。

解説はここまで(車オンチの俺にはちんぷんかん😢f1マニアのAE協力🙏)。

シンイチは、
トリムで悶絶した。
ナンチュウきつさやろうか🙀😱
2時間おきに10分休憩、
食事休憩は45分。

遼と効かん公とシンイチの三人で飯食ってたら、
あちこちで、
「季節風が変わった」
「アイツがここにくるんだと---」
と、
ざわつき、
「がんがんガンちゃん」と言う声で、
休憩終了。
効かん公が食いかけトンカツをパンツに入れようとしたとき、
遼が、
「この前、班長に注意されたろ😡」と厳しく言うと、
泣き叫びながら持ち場に戻っていった。

なのに、
シンイチの心には、 
さっきの言葉が響く。
「季節風が変わった。アイツがここにくる。---ガンガンがんちゃん」