へなちょこおやじの自給自足入門

自給自足を目指しておそるおそる農業研修の門を叩いた俺。この先どうなることやら。ちょっと不安。

定植ラッシュ

2017年05月29日 | 日記
育苗ハウスで大切に育てられた苗たちが次々と外の世界に旅出って行きます。

まず最初はトマトを5/26に定植しました。


コンテナに入れて


ポットにたっぷりの水をあげて


定植。


あらかじめ刺しておいた支柱から5~10cm離して植える。

通常トマトは、本葉8~9枚で最初の花房が出た頃に定植するんですが、
今回は、育苗ポットが少し小さく、苗の老化が怖いので早めの定植となりました。

苗の老化とは。。。

小さいポットに長期間、苗が植えられていると、根がポット全体に回り茶色く変色します。
根がそのような状態になった苗を老化苗といいます。
そういった老化苗を定植しても、新しい根が出にくく、うまく成長しないことが多いそうです。

なので今回は本葉5~6枚の若苗で定植です。


植え方なんですが、
通常は、支柱を背にして、花房を手前に向けて植え付けるんですが、
今回の苗は、まだ花房がないので、とりあえず植えて、花房ができたら手前に向くように修正すると。

第一本葉を手前に向けると花房が手前を向くことが多いですが、
それも品種によって違うので、とりあえず今回は双葉が畝と並行になるように植えます。


畑面よりほんの少し根鉢が出るくらいの深さで植える。


で本日は、ピーマン、万願寺ししとう、ナスを定植です。

株間は、ナスが60cm、ピーマンとししとうは50cmで植えます。
ナスは本葉6~7枚、ピーマンとししとうは本葉8~10枚の状態です。

ピーマンとししとうは交配する恐れがあるので離して植えます。
植え方はトマトと同じで、畑面より少し出るくらいの深さで、双葉が畝と並行になるように植えます。


ナス


ピーマン

大体1a(30坪)に200株くらい植えるんですが、植えるスピードが大事になってきます。
午前中に400株以上植え、のどがカラカラになりました。




株を定植した後に支柱を立てました。

そのあと納入されたばかりのマルチャーでマルチ張りの練習。


自然農法らしくないというツッコミは無しでお願いします(^^;)


本日はこれにて。

つづく










自然農法(2)

2017年05月25日 | 日記
どうして生態系が豊かだと自然農法的にいいのだろうか?

生態系が豊かということは、そこに暮らす生き物の種類と数が多いということ。
そして生き物の種類と数が増えると、自然とバランスがとられ、突出した生き物が発生しなくなる。

害虫もいればその天敵もいる。多くの良くも悪くもない菌の中に、悪さをする病原菌が共存する世界。
害虫も病原菌もある一定の数に収まればそれほど悪さもしない。
全体的に見ると害虫も病原菌も存在しなくなり、全てがただの菌ただの虫になる。

多種多様な生き物がいることによって、野菜が害虫や病原菌から守られる。
自然農法ではそう考えるようだ。


現在主流である慣行農法では化学的な農薬が使われ、
一部の有機農業では、化学的ではないが、ある特定の生き物を殺す生物農薬などが使われる。



農薬を使わない状態は、以下のピラミッドで表される。

野菜を食べる害虫がいても、その害虫を食べる天敵がいることで、大きな被害がでない。


そして、農薬を使うとこうなる。

野菜以外の生き物が存在しない不自然な世界となる。

やがて農薬の効果が切れる。すると1次消費者(草食動物)の害虫がやってくる。


そしてまた農薬を使う。

農薬を使う理由はこのように畑を無生物状態に保つため。

農薬を使った畑で、農薬の効果が切れるといち早くやってくるのが1次消費者の害虫で、
2次消費者の天敵がやってくるまでにはずいぶん時間のロスがある。

天敵がいない間に害虫が大発生して被害が大きくなることもあるそう。



自然農法の生物ピラミッドでは害虫を食べてくれる生き物たちがたくさんいるので安心。


ここで、有機農業で認められている農薬について。
例えばJAS有機では、化学合成された農薬以外の農薬(天然農薬)は使ってもよいことになっている。
木酢液や唐辛子の抽出液、ニンニクの抽出液など。

天然素材ということで、確かに人体に影響はないかも知れません。
でも生態系は壊れてしまう可能性がある。

生態系を豊かにし、多種多様な生き物が存在する世界を作るのが自然農法。
もちろん安心安全で美味しい野菜を作ります。
そして、安心安全ということでは、有機農法と自然農法は同じになる。

でも、生態系を破壊する可能性があるという意味では、有機農法も慣行農法と同じになるのかも。

つまり、
有機農業は人々の健康を大事にする農業で、
対する自然農法は、人々と自然環境の両方の健康を大事にする農法だと言えるのではないでしょうか?


つづく





自然農法

2017年05月24日 | 日記
農薬や化学肥料を使う、一般的な農業形態を「慣行農法」といいます。
それに対して、農薬や化学肥料を使わずに、
有機肥料のみを使う農法を「有機農業」というのは皆さんご存じの通りです。

かつては、「有機農業」とは「勇気農業」だと、勇気のあるやつだけがする農業だと、揶揄されたりしたらしいですが。。。

また、有機の「機」を自然がもつ「仕組み」ととらえ、
自然の仕組みの有る農業、すなわち自然の仕組みを利用した農業全般を有機農業と言ったりもします。

となると、ではいったい自然農法とは何だろう?有機農業とどう違うのか?と疑問がわいてきます。
で、調べてみてもはっきりとはわからない。
やはり自然の仕組みを利用する農業だから有機農業と同じやんとなるわけです。

自然と名のつく農法だけでも、

 自然農法 自然栽培 自然農 と色々。

やり方だけみても、
肥料はダメだが堆肥はいいとか、動物性堆肥はダメだが植物性堆肥はいいとか。
肥料もダメ堆肥もダメ、外部から有機物を持ち込まず、緑肥等で栄養をまかなうとか。

一切耕すのはだめとか、半不耕起がいいとか、
耕耘回数を減らして、耕耘深度を浅くすればいいとか色々。

つまり、自然農法という決まった形の農法があるわけではないということになります。


で、今朝から「自然農法を始めました」という本を読み始めたんですが、
これが結構わかりやすいわけです。


まず生態系というキーワードが出てきます。
多様な生き物が暮らす空間ですね。

空間のなかで、様々な生き物は協調し合い、
競争し合います。食うや食われるの関係が複雑に絡み合い、安定します。

この生態系の中で全ての生き物のエネルギ-の元になっているのが植物だと。
光合成をする植物というものがいなくなれば、大部分の生き物は生きていけなくなります。

それで、生物ピラミッドの中で、植物は「生産者」という位置づけになります。
一方、植物のエネルギ-を元として生きている生物を「消費者」と呼ぶわけで。

そして、直接、植物を食べている生き物を「1次消費者」といいます。
いわゆる草食動物で、畑では、アオムシやアブラムシなどの害虫になります。

この草食動物を食べてエネルギーを得ている生き物を「2次消費者」といい、いわゆる肉食動物ですね。
畑では、テントウムシやクモ、カエルなどです。

そしてこのクモやカエルを食べる小鳥やネズミなどを「3次消費者」、
その小鳥やネズミを食べるネコやヘビなどを「4次消費者」といいます。

さらにその上のワシやフクロウなどを「5次消費者」といい、
この「5次消費者」がいるような自然環境はとてもいい状態だそうです。

この生き物どうしのつながりを表した物が「生物ピラミッド」になります。




この生物ピラミッドが高いほど、自然農法の畑としては、より良い畑となるそうです。
ピラミッドを高くするためには?

底辺の生産者(植物)の量と種類を増やせばいいと。
下が大きくなれば上も大きくなり、ピラミッド全体が高くなると。

生産者を増やすために自然農法の畑では野菜の他に雑草を生やします。
雑草によって生態系豊かな環境を作り出すというわけです。

どうして生態系が豊かだと自然農法として良いのか?

それは次回ということで。

つづく









メロンの交配など

2017年05月22日 | 日記
このところ暑い日が続いてますが
皆様いかがお過ごしでしょうか?

僕は昔から暑いのが苦手で、今日もやはり午前中だけで水1Lをがぶ飲みしてしまいました(^^;)

午前中は、メロンの交配をやりました。
10~15節目にある、今日咲いた雄しべの花粉を、
これも今日咲いためしべにつけます。

雄花の花びらを取り、花粉をあらわにして、絵の具の筆で花粉を取ります。
そして花粉のついた筆をめしべにこすりつけます。


雄花の花びらを取っったところ。


雌花は、花びらの下がプックリふくらんでます。
雌花のこのふくらみがメロンになります。

その後、メロン苗とキュウリ苗の鉢ずらしです。

これは全ての葉に光を当てるためですね。

午後からはS圃場のメロンに灌水です。
この辺りは水はけの良い黒ボク土の畑が多く、雨が降らないとすぐ乾燥します。


用水路の水をポンプで吸い上げ


給水します。


マルチ灌水(マルチの中に穴あきホースが通ってる)


先日メロンを播種した畝にも灌水


その後、また別の圃場(C圃場)で草取りをしてると遠くの方で雷が鳴り始め、
しばらくすると雨が降ってきました。

「灌水を始めると雨が降る」というジンクスがあるようですが、
本当にそうなったのにはビックリですが。。。


研修生用の自分の畑もいよいよ本格化してきました。


トマトとキュウリの支柱を立て、ワラを敷いた状態。

今日は、ベビーリーフと小松菜を収穫。
今夜のおかずになります(^o^)

つづく


「あっ」

2017年05月19日 | 日記
僕は今農業の研修を受けているわけで。

そして農業をやりたいと思ったきっかけは、
いつも安全な食べ物を食べていたいと思ったから。

う~ん。「安全な食べ物」だとちょっとニュアンスが違うような。。。。
人為的な操作ができる限り入っていない食べ物って言ったほうがしっくりくるかな。


疑うわけではないが、世の中に出回ってるものが
本当に安全かどうかなんてわかったものではない。

だからこそ、自分で作るのが一番確実だと思い、
今ここにいる。


研修生に応募する際、入学願書みたいなのがあって、
その中に「この研修を通じて何を身に付けたいですか」みたいな項目があった。

もちろん、野菜や穀物の自然栽培の技術を身に付けたいですと書いていて、ふと浮かんだことがあった。
それは、「農業者特有の体の使い方、身のこなしを身に付けたい」ということ。
これって結構重要な気がする。

研修当初、農作業をしていても、体が思うように動かず、すぐ腰が痛くなったりした。
動作がぎこちなく、先生のように早くできず、自分を情けなく思ったりもした。

そして一昨日。
刈払機で草を刈っているときのこと。

それまでは、動きに無駄があり、草を刈る速度も遅く、すごく疲れもした。
それが、そのとき、あっ て、ふとわかった。あっこうすればいいのかって。

何だろう、あの瞬間。
そしたらすごく楽で、しかも早くきれいに刈れる。何かうれしい。


そうか。なるほど。この「あっ」ていう経験を積み重ねていけば、
いつかベテラン農家さんのように機敏な動きができるようになるのか。

。。。とふと考えたわけで。


まぁ、ほんのささやかな、きわめて個人的な感覚ですが。。。。

ということで

つづく