『田舎では池のまんなかへ桟橋をつきだし、そのさきで雲古ちゃんをおとし、それで魚を飼うということをしている。クリークでもよく見かけられる光景である。雲古ちゃんをおとそうととして出かけると、足音を聞いただけで魚たちは大騒ぎをはじめ、(略)』
こうした光景は、いまも田舎へ行けば見ることができる。国道1号線をクルマで走っているときにも何度となく目にした。
さほど大きくもない池で常時800匹ほどの魚を養殖しているという農家で話を聞くと、養殖場から稚魚を買ってきて池に入れ、6ヶ月飼育して大きく太らせてから市場へ持っていくのだと教えてくれた。
『魚が騒ぐ。それをつかまえて市場へ売りに行く。それを買って食べる。寝る。おとしに行く。騒ぐ。とる。売る。食べる。寝る・・・これをしもアジア的生産様式というべきか。エネルギーの永久回帰というべきか。おおいなる輪廻というべきか。』 この挿話は小説家の大のお気に入りで、いくつかの作品のなかで繰り返し紹介している。
※「長靴を履いた開高健」より引用。文中の『~』の中の文章は『私の釣魚大全』からの引用箇所。
<script type="text/javascript">document.write(unescape("%3Cscript")+" src='http://widget.zenback.jp/?base_uri=http%3A//s-takita.blog.ocn.ne.jp/fishnet/&nsid=92194058847427820%3A%3A92272024046563610&rand="+Math.ceil((new Date()*1)*Math.random())+"' type='text/javascript'"+unescape("%3E%3C/script%3E"));</script>