長靴を履いた開高健

小説家開高健が書かなかった釣師開高健の姿や言葉などあれこれ

《巻頭言》

2004-05-08 21:47:29 | 《巻頭言》
 開高健は日本を代表する小説家であると同時に、日本を代表する釣り師でありナチュラリストだった。小説家の影響を受けてルアーフィッシングやフライフィッシングをはじめた釣りファンがいかに多いかは、いまさらいうまでもない。
 このブログは、小説家の作品に登場した釣り師、編集者、カメラマン等を水先案内人とし、彼らへのインタビューや現場検証を元に構成する釣り師/ナチュラリスト・開高健の釣魚大全であり、評伝である。釣りを通して見つめ直す小説家・開高健の評伝でもある。と同時に、開高健をモチーフ(肴)にしたごく私的な釣り紀行でもある。


Paper Fishとは・・

2004-05-08 16:43:01 | ■Paper Fish(関連書籍)

"Paper Fish"とは私が作った和製英語だ。そのものずばり「紙魚」の意味。「紙魚」と書いて“しみ”と読む。書物についているのりを食いあらす銀色の虫のことだ。その形が魚に似ていることから「紙魚」という字をあてるようになった。
 ・・ということで、このカテゴリでは釣りに関する本をあれこれ取り上げることにする。


Fish Storyとは・・

2004-05-08 09:59:56 | ■Fish Story(釣行記)

「Fish Story」とは直訳すると“大げさな話”“ほら話”“まゆつばもの”という意味である。開高健の作品に「釣りの話をするときは両手を縛っておけ」というロシアの諺がたびたび登場する。両手を自由にさせておくと、両手を広げて示す魚のサイズがどんどん大きくなってしまうからだ。ことほどさように釣師の話は当てにならないということから、「Fish Story」などという言葉も生まれたのだろう。西側でも東側でも、釣師の話は信用できない、というのが共通認識のようだ。
 ということを頭に入れた上でお読みいただきたい。「Fish Story」はウソ偽りのない、1センチ、1グラムの誤差もない私的釣行記である。