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長靴を履いた開高健

小説家開高健が書かなかった釣師開高健の姿や言葉などあれこれ

開高健と牧羊子。夫婦の関係が作家を鍛え、釣師を生んだ。

2010-08-11 22:09:43 | ■頁の背後(管理人の独り言)

Dscf0822小説家・開高健にとっての牧羊子。牧羊子にとっての小説家・開高健。

釣り師・開高健にとっての牧羊子。牧羊子にとっての釣り師・開高健。

そんな視点から取材をしたい。

牧羊子の妹。開高健の妹。この2人には今年中に会っておきたい。

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開高健-奇跡の生還直後ベトナムからの国際電話

2010-07-20 20:30:20 | ■頁の背後(管理人の独り言)

 県立神奈川近代文学館で開催中の『開高健の世界展」の目玉展示の一つが、週刊朝日の特派記者としてベトナム戦争に従軍した開高健がジャングルでベトコンに包囲され、九死に一生を得た翌日(1965年2月15日)と翌々日(16日)に週刊朝日編集部との間で交わした国際電話の録音。会場でその録音を聞くことができる。

ジャングルで死を覚悟し、同行した朝日新聞の秋元啓一カメラマンと交互に遺影を撮りあったのが2月14日のこと。以来、この日を小説家は自らの命日と定め、秋元キャパと2人で徹底的に飲み明かすことを習慣としていた。

その翌日と翌々日の生々しい小説家の肉声がテープに残っている。

実はこのテープを茅ヶ崎の旧開高邸(現開高健記念館)で最初に見つけたのは私である。テープが収められていた箱の裏に記されていた「週刊朝日」の文字と日付を見てピンときた。「長靴を履いた開高健」の取材で何度となく開高邸を訪れていたときのことだ。

「長靴を履いた開高健」では従来語られることの無かったエピソードも多数紹介したが、文字にはしなかったものの、私の中では実はこのテープを発見したことが開高健を後世に語り伝える上での一番大きな貢献だったのではないかと思っている。

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生誕80年「開高健の世界」展

2010-06-12 20:02:45 | ■頁の背後(管理人の独り言)

県立神奈川近代文学館で6月12日からはじまる「開高健の世界」展に先駆けて、11日、内覧会に行ってきた。内覧会を見るというよりも、6~7割は久しぶりに顔見知りに会うのが目当て。案の定、開高健記念会の坂本会長をはじめ、吉澤さん、森シスターズ、集英社の菊池さん、朝日の岩田さん、開高健コレクターの伊佐山さんをはじめ、見知った顔がたくさんあった。展示室に入る前のロビーにビール、ワイン、ウィスキーなどが用意されており、昼間から遠慮なくいただく。まるで年末恒例のボジョレヌーボーの会のよう。

肝心の展示会の出品物で一番目を引いたのは展示室のいっとうはじめに展示されている開高さんの文机。牧羊子さんと同棲をはじめたときに開高さんが実家から持ち込んだ文机だという。開高さんの全身全霊が塗り込められているような佇まいにドキッとさせられた。

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もうひとつ、開高さんと牧さんの結婚記念写真も目を引いた。ウエディングドレスを着込んだ牧さんの隣りに三つ揃いを着た開高さんの表情は怒っているようでもあり、戸惑っているようでもあり、少なくともまったく幸せそうには見えないのだ。
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前々からこの夫婦のことを取材してみたいと思っているのだが、このツーショットを見てますますその思いを強くした。秋くらいからとりかかりたいものだ。

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ABU社の表記は間違いか?

2010-06-08 22:37:31 | ■頁の背後(管理人の独り言)

『長靴を履いた開高健』の読者の方からメールが届いた。

スウェーデンの釣具メーカー、ABU社の表記がおかしいのではないかというご指摘だった。

スウェーデンに行ってABUのリールを買おうとして現地の人にいろいろと尋ねたが、ABUというのは会社の意味なので、「会社はいっぱいある。探しているのはきっとアブ・ガルシア(ガルシア社)のことだろう」といわれたというのである。    

現地での体験は重いので、ひょっとしたら間違えたのかと思って、とりあえずwikipediaで調べてみたところ、次のような説明が載っていた。

■アブ・ガルシアの名前の由来
1921年にスウェーデンのスヴェングスタ(Svangsta)において、ABウルファブリケン社(AB Urfabriken)として創業。社名は創業者であるカール=アウグスト・ボルイストレム(Carl-August Borgstrom)の頭文字であるABと、時計工場を意味するUrfabrikenを合わせたものである(ABはスウェーデン語での株式会社(Aktiebolag)の略称を意味するという説もある)。

読者の方の指摘もあながち的外れではなかったが、しかし、アブ社/ABU社の表記でとくに間違いはなさそうだ。

Photo

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「長靴を履いた開高健」お詫びと訂正

2010-05-29 20:25:37 | ■頁の背後(管理人の独り言)

長靴を履いた開高健 (朝日文庫) 長靴を履いた開高健 (朝日文庫)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2010-05-07

「長靴を履いた開高健」のあとがきにこう書いた。

『文春文庫版『オーパ!』(81年3月25日1刷)の《解説》で菊谷匡祐さんが次のように書いている。《けれど、開高健の意味と価値は誰しも認めながら、その作品とがっぷり四つに組んで論じた批評家がわが国はまだなく、また国文科の大学生が卒業論文で開高健をとりあげることが、ほとんどないとも聞きます。(略)よく読まれつつ論じにくい--開高健とはそんな小説家です。》
 当時20代半ばで、駆け出しの物書きで、一開高ファンにすぎなかったわたしは、自分が開高作品とがっぷり四つに組めるとはゆめゆめ思わなかったが、しかし、「いつかそんな仕事をできる自分になりたい・・」と思ったことをいまでもよく覚えている。』

この5月に文庫化されたものを読んだ読者(開高さんの熱烈なファンだと想像する)から、編集部に次のような電話があったそうだ。「文春文庫版のオーパ!はどこで入手できるのでしょうか?」

すぐに文庫編集部から私のもとに確認の連絡があった。

結論からいえば、文春文庫版の「オーパ!」は存在しない。「集英社文庫」の間違いだ。私自身のケアレスミスだ。
この場を借りてお詫びすると同時に訂正させていただきます。

それにしてもなぜこのような明白なミスが発見できなかったのか。ちょっと不思議である。

もっとも罪深いのはもちろん私自身だ。私のミスだ。しかし、私が書いた文章は連載の担当だった小学館の編集者、単行本化の作業をしたフリーの編集者、小学館の校正担当者がチェックした上で単行本になり、単行本になって3年以上経つが今まで読者からもそのような指摘はされたことがなかった。

文庫化するに当たっても私がチェックし、編集者ならびに校正担当者がチェックし、「問題なし」ということで印刷されたわけでる。

著者、編集者、校正担当者が2度に渡ってチェックして、この明白なミスに気がつかなかった。こういうこともあるのだ。

ちなみに、「あとがき」は以下のように続く。

『30代半ばを過ぎて釣りをはじめた。フライ竿をかついで関東周辺の渓流を歩きまわるようになった。釣師・開高健を身近に感じ、意識するようになったのはこの頃からだ。小説家・開高健を論じることは無理でも、釣師・開高健ならば自分の取材対象になりうるのではないかとぼんやり考えるようになった。企画しだいではアラスカやアマゾン、モンゴルへ行けるかもしれない。物書きとしてはもちろん、釣師としても魅力的な仕事ができそうだ、と思ったりしたものだ。(以下略)』

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