くない鑑

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「坂の上の雲」の先

2011年12月30日 | 竹園別鑑
司馬作品の、3年にも渡る壮大な(実写化)ドラマは、先日の「日本海海戦」を以って遂に完結しました。
あまり視聴率は振るわなかったと聞いていますが、、、
私の周りでは、見ていた人は結構います。
けど、家政婦のミタが高い視聴率で、最終回が40%に達した!って日テレが浮かれているみたいですが、これを周りで見ていたって人を、あまり聞きません。

まぁ、所詮はそんなものでしょう。
これで一喜一憂しているのは当事者くらい。
家政婦の実績に浮かれている日テレが過去に操作してますから(苦笑)
両手を上げて拝むほどの絶対的信頼度は感じられませんし、高視聴率=いい作品というワケではないでしょうから。

坂の上の雲」は、世評、映像化は難しいとされていたようですが、今回のこの実写化は、実に見応えがありました。
この前までにやっていた大河と比べたら、雲泥の差。
キャスティング、映像美、迫力(スケール)、それをとっても最高でした。
特に、今年の第3部の旅順攻略の2話は、圧巻でした。
帝政露軍と帝国陸軍との“旅順要塞”を巡る攻防は、戦争が、何と悲惨で悲劇的なのか・・・を、まざまざと見せつけられた気がします。

二○三高地攻略がなったその時、村上連隊と児玉満州軍総参謀長とのやりとり。
攻略した旅順要塞を巡察し、蒼天を見上げる乃木司令官の一コマ等々、、、
胸に迫るものがありました。

また、ドラマのクライマックスでもある日本海海戦でも、一つ一つの細かいディテールまでとても精巧に仕上がっていて、迫力ある海戦を目撃することが出来ました。
ただ、欲を言えば、日本が辛くも負けなかった要因や背景。
例えば、露国内で発生した血の日曜日事件や要人暗殺などの(数々の)テロ行為。
ポーツマスでの小村外相とウィッテ露蔵相との交渉場面と、これに起因する日比谷事件等々を、少しでも取り上げて欲しかったです。

しかし...
この日露戦争後。
例えば帝国陸軍は、満蒙地域の権益を次第に特殊化して拡大。
やがては中央(大本営、陸軍省(参謀本部))のコントロールも効かなくなり、ここが起爆剤となって、遂には泥沼の太平洋戦争へと突入してしまいます。
また、日本海海戦で劇的勝利を収めた司令官となった東郷は次第に海軍内で神格化され、昭和5年のロンドン海軍軍縮会議(条約)の条約締結には反対の立場を取る(海軍内の)軍備増強派(艦隊派)の“拠り所”として、推進派の浜口内閣を批判。
結果、条約批准には至らず。この後の軍国化に起因した事象でもあります。

江戸時代から明治時代へ。
武士を頂点とした支配体制から四民平等へ。
痛みを伴う劇的な変革を経て、進み始めた近代国家。
その過程で生じた日清、日露の両戦争を経て、まことに小さき国が開花期を迎えたことは、間違いないと思います。
けど、開花した花がどうであったか、、、
その時の、例え世界の潮流がそうであったとしても、、、
「坂の上の雲」を見終えて、思うところ、考えさせられるところが多くありました。。。

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