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武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

裏切りの夕陽

2007年06月20日 | 人生の意味
鮨屋の金城、銀座
島とカウンターで飲み始めた。
「緒方は、乗せられたと言うより、やっぱり騙されたというとこかな」
「絵図を書いたのはホ・ジョンマンだろう」
「今になって、緒方が言い始めたのは、35億円の出資者とは、街の喫茶店で会って、名刺交換もしなかった」
「相手が持ち合わせがないということで、それで名前は聞いたが忘れてしまった」
「本当だとすると、子供の使い以下だな」
「仮にそれを信用して、その出資者は、緒方のハーベスト投資に登記を移転したら、35億円を払うという条件だったらしいが」
「それは解せない」
「出資者が本気なら、手付金として10%の3億5千万円を緒方に預けるのが常識だし、それを求めるのはビジネスのイロハだ」
「それなしに、どこの馬の骨かも分からん奴の言うことを信じて、移転登記をするなんて、信じられない話だ」
「だから偽装取引だと言われる」
「執行妨害罪の刑法犯だ」
「そういうことだな」
「途中から、緒方の話も変ってきている、最初は土屋弁護士と声を合わせて、出資者は35億円なんて右から左に動かせる信頼に足る人物だとしていたが」
「そうなんだな、なぜ話が途中から信頼できる出資者から、喫茶店であった怪しい人物に変ったのだろう」
「緒方が持っている出資ファンドは、出資者の名前は秘匿できる。これは合法だ。ライブドアの堀江が、使った手法だ」
「だから、その信頼できる人物は乗ってきたが、特捜が動いて、手を引いた」
「そういう人物は日本で数える人しかいない」
「その系のSMか」
「そうだな、その名前は公には出せないな」
「この問題の根っこは何か深いものがある」
「小泉さん、朝鮮、拉致、巨額のカネ、それぞれの点が線となって繋がるとすれば」
「つまり、日本から北朝鮮へ、現金1兆4千億円をタダでくれてやったことの意味は、水面下での北朝鮮との秘密交渉があった、拉致被害者の解放の見返りであったが、カネだけ取られて裏切られた」
「いや、これ以上は言えない。冗談じゃなくこれを暴露したら、明日には、俺は東京湾に浮いている」
「だから、緒方と土屋は、記者会見では、急にボケ老人になったのか」
「何か訳の分からん日本語を喋り始めて、名刺もありません、名前も忘れましたか」
「あれは総連と北朝鮮に対するメッセージなんだな」
「そういう意味では、地検特捜に守られているほうが安全かもな」(笑)
目の前にきれいに盛り付けられた刺身は、まだ殆ど手をつけられずにある。
島は、ひょいと顔を上げると、冷酒を頼んだ。意気のいい返事が返ってきた。島は飲めよと酒瓶を持ち上げた。
国際謀略とスパイの暗躍は、今の時代も普通の市民の顔をして街を歩いている。
それらを動かす影の権力者は、暗い情熱で高層階から街を見下ろしているのかもしれない。
島が顔を向けて言った「今日はリカに会いに行こうか」
銀座の蝶チョはスパイじゃなくて、エルメス、フェラガモのお花畑を飛び回っている。
1兆円と言っても何のことか分からないだろう。それよりも、今日の売り上げが彼女らにとっては切実な課題なのだ。
(ムラマサ、月光に冴え始めた)