武田じゅうめい 旅人は風に向かって進む

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人にはニッポンが足りない

女の一生

2006年11月26日 | 人生の意味

 

 

今年の6月、東北地方にある緑のきれいな山間の町を旅したときに、一軒のひなびたラーメン屋に入った。

老女が一人でやっていた。一杯400円。 
野菜がたくさん入っていた素朴な味だった。人に歳を聞く趣味は無いが、あまりに皺が深いので思わず聞いていた。
95歳だと顔をくずして笑った。
常連客10人くらいを相手に毎日ラーメンを出しているという。 新しい客は来ない。

夫は10年前に亡くなり、息子も65歳で死んだという。

毎日、顔見知りのお客が来てくれて、話ができることだけが一人暮らしの楽しみだと言う。

ラーメンを食べて、お元気でと別れたが、もう会えることは無いだろう。

そのとき、女の一生という言葉が頭をよぎった。

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