怒りの鉄拳

毎日更新日記

「子午線の祀り」大阪厚生年金芸術ホール

2005-01-28 01:05:26 | 芸能
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」
「平家物語」に題材をとり、劇文学と演劇とがせめぎあう面白さに溢れた、日本の戦後演劇史上に燦然と輝く不朽の名作「子午線の祀り」。
平家物語と木下順二の世界とが見事に調和した古典劇にしてすぐれた現代劇。能・狂言、歌舞伎、新劇と、ジャンルを越えたスタッフ・キャストが競い合い、磨き合いつつ創り上げ、統一された舞台。独誦から、また俳優全員による合誦までを自在に組み合わせつつ朗読する「群読」という独特の様式を通し、せりふと語りが鮮やかに共鳴し、あわせて研ぎ澄まされた言葉がもつ荘厳な響きの深さ、美しさを確立した作品。大宇宙の、永遠の時間の中の人間、巨大な運命と人間…ギリシア悲劇やシェイクスピア劇にも比肩する壮大にして格調高い舞台。

とまぁ、すでに古典といっていいほどの舞台、4時間の長嘆場、見るほうにも覚悟が要求されそうな舞台であるが、ここ大阪厚生年金芸術ホールはいかんせん。椅子が狭い!少しでも体格がいい人にはかなりの窮屈さを強いる。厚生年金も沢山お金を流用しているのだから、そろそろ椅子を替えて欲しい。こういうことに使われるのなら、くちさの多い大阪人も許してくれるだろう。次に見るときはゆったりと「子午線・・・」の世界にしたりたい。そうですよね、萬斎さん。