怒りの鉄拳

毎日更新日記

NHK大河ドラマ「武田信玄」

2007-09-28 17:30:44 | TV・ドラマ
内容 <h ref=http://kurau4gms.at.infoseek.co.jp/kaiko-singen.htm>武田信玄
原作:新田次郎(『武田信玄』より)  脚本:田向正健   音楽:山本直純

 ~主な出演者~
中井貴一(武田信玄)   柴田恭兵(上杉謙信)   平幹二朗(武田信虎)   若尾文子(大井夫人)
紺野美沙子(三条の方)   南野陽子(側室湖衣姫)  大地真央(側室里美)   池上季実子(側室恵理)
菅原文太(板垣信方)   本郷功次郎(甘利虎泰)  児玉清(飯富虎昌)     橋爪功(真田幸隆)
堤真一(武田太郎義信)   若松武(武田信繁)     篠塚勝(武田信廉)     村上弘明(高坂弾正)
美木良介(馬場信春)   篠田三郎(山県昌景)    真木蔵人(諏訪勝頼)    森田順平(今井兵部) 
小林克也(原昌俊)     岡村太郎(原隼人佑)  青山裕一(北条氏政)    丹波義隆(石和甚三郎)
井上孝雄(松田憲秀)   北村総一朗(松田康郷)  浜村純(倉科三郎左衛門)  市川団蔵(足利義昭)
石橋凌(織田信長)    中村橋之助(徳川家康)   財津一郎(太源崇孚)   佐々木すみ江(とら)
渡辺正行(平三)      宍戸錠(原虎胤)       板東八十助(諏訪頼重)  宇津井健(直江実綱)
小川真由美(八重)    上条恒彦(村上義清)    岸田今日子(寿桂尼)   佐藤慶(阿部勝宝)
内藤正敏(岐秀和尚)   西田敏行(山本勘助)    中村勘九郎(今川義元)  杉良太郎(北条氏康) 

 

 ~あらすじ~
戦国時代、四方を山に囲まれた甲斐国で、知謀・策謀の限りを尽くし強固な家臣団と国造りで領土を広げていき、“戦国最強の武将”として織田信長・徳川家康などからも恐れられた男・武田信玄。父を追放し我が子を死なせるという家族・肉親の悲劇的関係に悩みながら独自の手法で信濃を統一、越後の上杉謙信と川中島で死闘を繰り広げる。「人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり」という信条で戦国時代を力強く生きた信玄の生涯を、大合戦シーンと豪華俳優陣で描く戦国絵巻。



 ~総評~
評価:★★★★★

【序論】
 前年の「独眼竜政宗」は巧みな物語構成や主役・渡辺謙の好演で人気を博し、大河ドラマ史上最高視聴率である39.7パーセントを記録するほどの大成功作となった。昭和58年「徳川家康」以来、大河ドラマの花形とも言うべきエネルギッシュで重厚な“戦国もの”が消え、「山河燃ゆ」「春の波涛」「いのち」と近代篇大河が登場し、しかも人気は今ひとつ。そのあとを受けて久しぶりの戦国大河であり、主役・政宗の波瀾万丈の人生を豪華俳優陣で描いたことで大ヒットとなった。
 …その大ヒットを受け継ぐ使命を否応なしに負わされる形となったのがこの「武田信玄」である。誰もが知っていて、なおかつヒーロー性が強く、人気ある戦国武将・武田信玄の生涯を追うもので、川中島の戦いにおける上杉謙信との死闘をはじめとして、戦国ファンをうならせるのに文句ない題材であった。

【物語展開】
 物語は晴信の初陣からスタートし、父との確執、国造り、信州攻略、川中島血戦、義信事件、そして上洛の為の出陣と信玄の臨終まで、文武両道を強靱な精神力をもって実践しながらも、実際のところは家族に悩み、幸せとは縁の薄いひとりの人間としての姿を浮かび上がらる。そうした苦しみを周囲には見せる事なく威風堂々と生きる信玄の姿が映し出される。
 特に印象的なのは甲斐の軍勢や合戦そのものをビジュアルでダイナミックに見せてくれた事、人間としての喜怒哀楽をストレートに表現した事、そして何よりも、戦国時代という特殊な時代背景を、映像だけでなく音も重視しながら(馬の嘶きと蹄音、篝火、そして効果音として用いられた秦琴など)、臨場感たっぷりに描いた事である。
 何しろ初回から目が離せない展開が続く。「独眼竜政宗」につづく戦国王道大河であり、あまりにも有名な戦国最強の武将の生涯を描く待望の作品という事もあり、否が応にも注目を浴びる中で、晴信の初陣と奇計を用いての城取り、父・信虎との対立、初恋、三条の方との祝言と倉科党との出会いまで、これから展開していく物語のエッセンスがほとんど初回にこめられている。若いがゆえに後ろを振り向かずに突っ走り、恋をし、そして悩む姿に、自分自身の青春の日々と重ね合わせながらご覧になった視聴者も多かったであろう。性格の激しすぎる父と、あたたかく見守ってくれる母との対比も見事で、家臣たちもみな勇猛かつ有能。その中で信虎の暴政が甲斐に危機をもたらし、野武士に捕らえられてしまうという緊迫したムードのまま初回は終了。あっという間の85分で、次回も見なければおさまらないという気にさせてくれる実に見事な構成である。

 …ところで、最大の見せ場となる川中島第4回目の戦いは、物語も後半にさしかかった第27・28回で登場している。NHKには「早く川中島をやれ」という催促電話がかなりの本数あったとのことであるが、序盤から地道な国造り・地盤堅めの様子を描き、越後の上杉謙信の人となりもある程度描けたところで、いよいよクライマックスのひとつといえる「川中島の合戦」が大規模に展開された。大河ドラマとしては前代未聞の規模での撮影となったようである。
 「川中島血戦(二)」は序盤から緊迫感漂うもの。「前備え」「後備え」「左備え」「右備え」とそれぞれ部隊ごとの陣容が巧みに描きわけられ、別働隊として上杉勢の背後に回った飯富部隊はしっかり赤で統一、高坂隊の黄色、原美濃隊の黒と、ビジュアルの工夫も細部に行き渡り、言葉にしがたいスケールと迫力と感動を視聴者にもたらした。…そしてどっかりと本陣に腰を下ろす信玄・中井貴一もまた、座っているだけで圧倒的威厳を感じさせる素晴らしい姿で、雷のような声を発しながら信玄の首を挙げよと家臣を叱咤する謙信・柴田恭兵と見事な対比を示す。
 …しかしその中でも信玄の嫡男・太郎義信の失策と窮地に陥る姿、そしてそれによって敏感に反応する戦況がカメラでしっかり追われている。それがまた川中島の戦いの終わったのちの「義信事件」につながっていき、最大の見せ場を終えたのちの視聴者つなぎ止めに貢献している。

 この大河「武田信玄」は、ただ単に戦に強い信玄と武田家臣団の様子を描くのみにとどまらない。父・信虎の追放、正室・三条の方との確執、太郎義信の自害など、晴信入道信玄自身が、息子として夫として父として家族の問題に悩む姿も強調されており、人間性が一段と豊かに描かれていたのも忘れてはならない。戦国武将として逃れられない道とそれに対する人間としての情、あるいは対立する骨肉愛と怨念など、湖衣姫、三条の方、八重、太郎義信、四郎勝頼などをも巻き込みながらめまぐるしくストーリーが展開していく。そしてその影で、周辺諸国とのにらみ合いなども絡み、信玄が様々な苦難を乗り越えていきながら成長していく姿が、縦横無尽に動き回る個性的キャラクターとストーリーの中で見事に描かれている。
 とにもかくにも、連続ドラマとしての要素を随所に散りばめ、視聴者が必ず次回も見たいという気にさせてくれるメリハリのある展開が続き、大河ドラマの醍醐味を存分に味わう事のできる1年間であった。個性豊かなキャラクターが多く、それをまた個性豊かな俳優陣が素晴らしい演技で魅せてくれた事にもよる。そして、最近ではほとんど重視されない「人間の死」というものの壮絶さ、荘厳さをこれでもかというほどの迫力をもって描いてくれたのも良かった。

 なお余談であるが、タイトルバックと山本直純の約2分40秒のテーマ曲そのものが「風林火山」になっていたと言うことがまた興味深い。まず“武田信玄”とタイトルがびゅ~んと飛んできて画面いっぱいに表示される時、バックは灰色の砂のつむじ風であった。さらに夕焼け空に雲がものすごい早さで移動し、武田騎馬軍団が勇ましく疾走する場面は地面にカメラを埋めて馬の足下から撮っていた。これがいわゆる「風」の部。 さらに進んで出演者紹介の部分にさしかかると音楽が突如静かになって、幻想的な霧のたちこめる「林」の部となる。木漏れ日の美しい林の中をゆっくりカメラが移動し、武田赤備えの騎馬軍団が縦に長い列をつくって「棒道」と呼ばれる道を疾走している場面を空撮。さらには富士山をバックに色とりどりの花が咲き乱れる中、1頭の馬が草をはんでいる静かなシーン。
 場面はここでさっと変わり、音楽も勢いよくなる。武田騎馬隊がカメラの方に向かって走ってくるバックでは、あの「西部警察」に勝るとも劣らない爆薬が次々に爆発し、真っ赤な画面を左から右へ疾走する騎馬軍団の姿はまさに「火」の部を彩るのに最高。
 そして小川真由美・杉良太郎・西田敏行らがテロップで流れ出すクライマックスシーンでは、火山が噴火するシーンを採用。 さらに進んで制作者・撮影スタッフなどのロールが流れ出す頃には音楽も最高潮となり、バック映像は甲斐の山々を流して撮っている。ラストの演出者紹介では、やはり霞たなびく富士山の美景が出て「山」の部が帰結し、約2分40秒の音楽のテーマ曲が終了する。
 このテーマ曲や、場面ごとの雰囲気をうまく伝える山本氏の音楽を聴きながら、あらためて映像と音楽のマッチングの重要性について考えさせられた。
 

【俳優陣】
 この作品は筆者が今までに出会った大河ドラマ、いや全てのテレビドラマの中で最も素晴らしい出来映えだと感じている。前述の如く、壮大な合戦シーンや卓越した物語展開に加え、主役・武田信玄を演じた中井貴一(当時25歳)のどっしりと構えた演技がひときわ光っていたといえる。彼のスマートさと実年齢からは想像もできないような図太い声、メリハリのきいた発音、相手をにらみつけるあの独特な視線、立ち居振る舞い、どれをとっても非の打ち所がない。
 青春時代の晴信は(そのまま)おおらかに、かつ理知的に、川中島あたりになるといよいよ戦国武将としての風格をにじませ、微動だにしない信念をそのまま姿に変えたような勇壮さを備え、晩年は病をえて、強がっていながらもどことなしか暗い影を背ににじませるという、細部にまで細かい気配りが施された見事なもの。あれで本当に25歳の人間の姿かと思わせるようなリアルな老け役は違和感を全く感じさせない素晴らしいものだった。
 さらに父信虎の平幹二朗、重臣板垣信方の菅原文太、山本勘助の西田敏行、駿河・今川義元の中村勘九郎、相模・北条氏康の杉良太郎、そして宿敵・上杉謙信の柴田恭兵など、周囲を固める脇役陣も皆々役にはまっていて素晴らしかった。
 信玄の父・武田信虎を演じた平幹二朗は、甲斐を追われてからの流転の人生を演じる姿がもっとも印象的であった。元甲斐国主であったというプライドと数多くの合戦で名を馳せた勇猛さを全身ににじませながらも、どこか孤独で、寂しく老いていく姿をも両立させて演じきっていた。
 板垣信方役の菅原文太は、若き信玄の父親代わりとして、また武田家譜代の重臣として大活躍であったが、信州攻略に粗暴さを見せる信玄を諫める為に上田原の戦いで村上義清を相手に全身に無数の槍を受け壮絶な死を遂げる。我が子のような晴信の行く末を案じながら、その晴信を諫めるためにあえて戦場に散って行く姿は涙なくして見られない。
 さらに、駿河の今川義元と相模の北条氏康との政略かけひきも素晴らしい描き方であった。
中村勘九郎演じる今川義元は、自らが上洛して天下をおさめるのだという家柄からくるプライドをいつでもにおわせ、表面では友好的ながら本心は甲斐など簡単にひねりつぶせると考えているあの自我の強さがたまらない。それが最終的に「慢心」に変化し、桶狭間でショッキングな殺害のされ方となり、独特な性格を最期まで素晴らしい演技で体現したものとして特筆すべきキャラクターである。
 また相模の北条氏康もまた晴信のよきライバルで、戦には決して負けぬ強さを持ちながら天下を取るという野心を全く持たない武将。いつでも悠然と構えながら、領国をどう治めていくかについて苦心する姿が、杉良太郎のあの豪快さ・迫力とのミスマッチが逆に氏康という人物を露骨に炙りだし、そして異彩を放ちながら個性をアピールしている。
 また女性陣も充実していた。正室三条(紺野美沙子)と側室(南野陽子・大地真央・池上季実子)らの「お裏方」の戦いもまた、美しくもはかないものであった。
 ユニークだったのが農民・平三のキャスティングである。当時「コント赤信号」リーダーとしてバラエティに活躍中であった渡辺正行を起用し、戦国時代の平民がどういう暮らしをしていたのか、戦いをどう捉えていたのかなどを、母とら(佐々木すみ江)の個性的演技とともにドラマに独特な味を加えていた。

【脚本】
 田向正健の脚本の素晴らしさもまた他の追随を許さない。俳優にセリフを言わさず、どっかりと座らせただけ、表情だけの演技を魅せてくれたのもこのドラマをおいて他にはない。大河ドラマは年月日までやたらと忠実に、起こった事件を時系列で追っているだけでドラマ性を欠いているものも多く、その逆にナレーションばかり充実させてつまらない人間関係ばかりに視点の中心をさくものが少なくないが、このドラマはそうした風潮は全くなく、武田信玄をはじめとして登場してくる武将ひとりひとりをヒューマニックにかつダイナミックに描いているところが評価できる。
 特にこの時代をより鮮明に映し出すものだったと思いたくなるもののひとつに、あの独特の「助詞抜き脚本」がある。テニヲハを極力省く事で、蛇足なくすっきりと聞くことができるというのと、不自然に現代らしさが出ないというのが良い。特に印象深いのが上田原で大切な重臣を失った事で晴信を叱責する母・大井夫人の台詞。「死者の山築きて国栄えたる事など、古今東西聞いたことござりませぬ」というあの台詞などは、ゆるやかな語り口調の中にもキツさがしっかりとこめられている。勿論若尾文子の演技力のなせる業でもあるが、いっさい無駄のない脚本がなければそれも成り立たない。
 また、(良い意味で)男性は男性らしく、女性は女性らしく生きる姿、そしてその台詞がほどよい味を出している。1年間にわたって大勢のキャラクターをさばいていかなければならないのであるが、ひとりとして無駄な人物はおらず、しかもそれぞれのキャラクターが分をわきまえた範囲で喋ってくれるおかげで、視聴者として「それはないだろう」という注文がほとんど無くて済む。時折謙信が突飛な事を言うのだが、それもほとんど神懸かった状態で…という設定であるおがげで、違和感ではなくインパクトとして伝わる。そしてさらに適宜笑いを誘うシーンも加わっており、エンターテイメントとして視聴者を飽きさせない工夫もされている。(真田幸隆や平三・平五・とらなどはその良い例である。)
 

【総括】
 筆者はこのドラマを2回見た。1回目は当然のことながら昭和63年。当時私は小学校5年生であり、武田信玄の活躍ぶりを勇ましく思いながら見ていた。どんな逆境の中でも決して信念を曲げずに生き抜くヒーローとしてテレビ画面の中で輝いていた。そして2回目は、NHKが再放送してくれたもので(感涙)、筆者も大学在学中だった2000年4月から8月にかけてである。筆者自身もある程度分別がつき、しかもいくらかの予備知識が備わってきた段階であり、田向氏が描こうとする信玄の生き方に対する見方が大きく変わっていた。2回目を見ていて思った事なのだが、全く同じ内容であるにもかかわらず最終回を見終えたときの感想が違っていたのである。1回目のように信玄の勇猛果敢な姿を楽しみに見たというより、父親からは疎まれ、正室とは確執が絶えず、我が子を自刃に追い込むなどのエピソードから、信玄の孤独さを感ぜずにはいられなかった。それを中井貴一が上手く演じていたのを1回目には見えていなかったと実感したのだ。どんな逆境にも耐えぬくヒーローとしてではなく、ヒーローでありながらも実はとても悲しい人物だったのか…という事が見えてきたのである。
 それに大きな特徴のひとつとして総括的に言えるのが、とにかく人間ひとりひとりの臨終の様を丁寧に描いていたという事である。「丁寧」とはべつに歴史的事実に忠実に…という意味ではなく、血が飛び散って苦しみながら死んでいくという意味でもない。多かれ少なかれ主人公にある一定の影響を与え、ドラマの中で特筆すべき役割・位置を占めていたキャラクターとしての最期は、いずれもその死を描く事で視聴者に何かを問いかけ、そして必ず大きな感動とともに消え去ってゆくのである。ハリネズミのような姿になりながらも「甲斐をお守り下され」と晴信を思いやって絶命した板垣信方。妻女山で奮戦しながらついに力尽き、妻子の名をつぶやいて死んだ山本勘助。兄を助ける為ならばどのような苦行にも耐え抜く誠実さを持ち、激戦の中に身を投じてついに一すじの槍に命を散らした典厩信繁。自らの油断と否応なしに置かれた運命を思い知らされながらも、どこまでも都を夢見ながら息絶えた今川義元。謀叛の末にけじめを貫いて自ら死を選んだ飯富兵部。そして、どこまでも武田家の行く末を慮って都への道を強引に突き進み、その結果寿命を削ってしまった信玄。…いずれの今際も視聴者に問いかけるものがあまりにも多く、そして戦国という世の中に翻弄されながら消えてゆく命が本当にドラマチックで、見る者の心をこれでもかというほど揺さぶってくれるのである。であるがゆえにこの「武田信玄」を上回る出来映えの大河ドラマには出会っていないと感じるのかもしれない。
 ちなみに余談だが、毎回落ちついたナレーションで話題を集めた若尾文子(信玄の母・大井夫人)の毎回のお別れの挨拶「今宵はここまでに致しとうござりまする。」は、この「武田信玄」が放送された昭和63年の流行語大賞に輝いている。

ハゲタカ(2007)

2007-03-11 15:33:44 | TV・ドラマ
NHK らしい?重厚なドラマです。こういった力の入ったドラマをいつも放送していただければ、聴視料不払いも少しはなくなるかも?
(あらすじ)第1回NHK土曜ドラマ ハゲタカ
1998年。NYの敏腕ファンド・マネージャーとして鳴らした鷲津政彦(大森南朋)が5年振りに帰国する。目的は一つ、日本を買い叩くこと。手始めに、かつて勤めた三葉銀行相手にバルクセールを仕掛ける。バルクセールとは銀行の抱える何百もの不良債権をまとめ買いするビシネス。銀行側の担当者で鷲津の元上司・芝野(柴田恭兵)は、三葉の重鎮役員・飯島(中尾彬)を抱きこみ、ただ同然の価格で債権を買い叩く鷲津のやり方に反発する。
老舗旅館「西乃屋」の債権を手に入れた鷲津は、旅館を経営する西野昭吾(宇崎竜童)の懇願も受け入れず、高値で売り飛ばす。バブル時代の銀行による過剰融資を受け、ゴルフ場などの事業を拡大するが、バブル崩壊後、莫大な負債を背負った父親の経営手腕を息子の治(松田龍平)は激しく責め立てる。そして、昭吾は、金策尽き果て失意のうちに死んでしまう。父親、旅館の両方を一度に失った治。その一部始終を見届けた東洋テレビの経済記者、三島由香(栗山千明)。三葉銀行時代の鷲津の貸し渋りにより、小さな工場を経営していた父親が自殺に追い込まれた過去を持つ由香は、執拗に鷲津を取材しようとする。日本経済に大ナタをふるうハゲタカの冷酷さに、芝野、由香、治の3人のドラマが動き始める。

新・風のロンド

2006-02-24 13:49:44 | TV・ドラマ
いまやすっかり昼ドラの顔、小沢真珠さんの再登場で田中美奈子さんとのガチンコバトルはドラマを熱くする。このドロドロのドラマの行き着く先は?物分かりのいい伯母さん役の魏 涼子さんもいづれは何処かで爆発するのか?

(あらすじ)新・風のロンド
昭和17年、結婚の約束を交わした有沢槙(小沢真珠)と野代家の二男・野代浩二。しかし、浩二の兄・一郎の戦死によって、二人の運命は大きく変わります。家業を継がせるために、浩二は未亡人となった兄嫁・麻美(田中美奈子)と無理やり結婚させられ、槙は浩二の弟・大介の計略に嵌まり、大介の妻となるのです。
 時を経て、お互いに子供を持つ身となった槙と浩二でしたが、思いを断ち切ることが出来ず、やがて不倫の関係になります。妻の不貞を疑った大介は、事故に見せかけ、兄・浩二を焼き殺そうと屋敷に火を放ちます。しかし、槙は猛火の中に飛び込み、浩二との死を選んだのです。
 そして数年後、槙の娘・夏生(再び小沢真珠)と浩二の息子・英明は愛し合う仲となります。まるで愛に殉じ、死を選んだ槙と浩二の魂に導かれるように・・・・・・。
(スタッフ)
企 画 : 鶴啓二郎(東海テレビ)
原 作 : 津雲むつみ 「風の輪舞(ロンド)」(集英社コミック文庫)
脚 本 : 小森名津 /福田裕子
プロデューサー : 西本淳一(東海テレビ)、大久保直実(ビデオフォーカス)、
大越大士(ビデオフォーカス)
演 出 : 西本淳一(東海テレビ)、皆川智之、藤木靖之、大垣一穂
音 楽 : 寺嶋民哉
主題歌 : 大黒摩季「胡蝶の夢」(東芝EMI)
(キャスト)
 小沢真珠/神保悟志/松尾政寿/内山眞人/溝呂木 賢/吉田紗也加/田中美奈子/魏 涼子
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大地の子(1996)

2006-01-29 15:53:41 | TV・ドラマ
中国残留孤児をテーマにした山崎豊子の大作を、NHKと中国中央電視台が共同で製作した日中共同ドラマ。主人公陸一心を演じた上川隆也は本作で視聴者から絶大な支持を得た。中国側の役者さんと負けず劣らず日本の役者陣も渾身の演技で、骨太な作品に仕上がっている。
(あらすじ)
松本勝男(上川)と妹のあつ子は満州で開拓団として来ていた家族と敗戦後にロシア軍の攻撃などによって離れ離れになった。勝男は中国人農家に売られてひどく酷使され、やがてそこを逃げ出す。そののち人買いに売られそうになったとき小学校の教師である養父陸徳志に拾われ一心と名づけられる。陸徳志夫妻は一心を自分たちの息子として愛情をこめて育てる。貧しい暮らしでありながら養父は、一心を大学まで行かせ一級の工程士にしてくれた。日本人であるゆえの差別を受けながらも一心は養父のためにも中国の発展に尽くそうと決心する。ところがそのころ中国では文化大革命の嵐が押し寄せてきていた。日本人である一心は、文革のやり玉に挙げられ囚人として労改におくられ5年間の苦難の日々を過ごすが、その中で巡回看護婦の月梅と出会い。破傷風になったときに救われ、一心の冤罪を養父に伝えられた。一心を命がけで助けようとした養父と親友のおかげで釈放され、一心と月梅は結ばれる。一心はようやく日中共同の大プロジェクト「宝華製鉄」建設チームに加えられた。一方中国に協力を要請された日本の東洋製鉄では、一心の実父である松本耕次を上海事務所長に派遣する。松本はかつて生き別れになった妻子の消息を求め続け、ようやく一心の妹であるあつ子をみつけだしたときあつ子は、寒村で過労の果てに病の床にあった。同じく一心も妻の月梅から偶然にあつ子の存在を知らされ、そして36年ぶりに妹を見つけだした。
一心の必死の介護もむなしくあつ子は亡くなる。そのとき、訪ねてきた松本と親子は再会したのだった。やがて7年がかりで完成した日中共同の宝華製鉄の高炉に火がはいり、日中双方にわかだまっていた不信感と憎悪が消え去った。そうして一心は日本へ来て一緒に暮らそうという父と一心を心から愛しながらもお前、いっそのこと日本へ、という養父のあいだで悩み苦しむのだが、結局自分は中国に残ることを決心したのだった。
出演 上川隆也/仲代達矢/朱旭/呂中
監督 (演出):松岡孝治/榎戸祟泰/潘小揚
原作 山崎豊子
脚本 岡崎栄
製作年 1996年
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熟年離婚(2005テレビ朝日 )

2005-11-09 11:30:14 | TV・ドラマ
視聴率が23%を超えたとか?ブームになりつつあるドラマ、出だしの強烈な印象から、渡哲也の好演もあり、視聴者をグイグイ引っ張っているが...何処まで引っ張りきれるのか?
熟年離婚
仕事一筋に生き、定年退職した日に35年連れ添った妻から離婚を言い渡される男と家族の物語。何故?定年退職の日に離婚を突きつけられるのか?定年を境に自分が信じて疑わなかった家族の真実の姿が露になる。2007年問題など現代多くの国民が抱える話題でもあり、まことにタイムリーであろう。ちょっぴり膨らんだ松坂慶子の娘が高島礼子? 世の中の不幸を一身に背負った感のある父親に、自身の姿をオーバーラップさせているお父さんも多いだろう。しかし本当に危ないのは、この番組の放送時間さえも、家に帰らず、一心に家族のことを思って働いているお父さんだろう。....
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