高野原災害情報

東日本大震災では,高野原団地も大きな被害を受けました。行政からの情報や被災した住民からの声を掲載します。(期間限定)

河北新報記事(6月5日付け)より

2011年06月05日 | 報道記事
 高野原についての直接の内容ではありませんが,市内の丘陵団地に関する記事です。

(「河北新報」平成23年6月5日(日)付け記事より引用)
傾いた家 不安抱え居住

仙台・丘陵住宅地被害
 地盤崩落「よそに移れない」

 東日本大震災は、仙台市内の丘陵住宅地にも被害をもたらした。地盤崩落で家が傾いたり、地割れで家屋が引き裂かれたりと、事態は深刻だ。梅雨時を控え、地滑りの危険を感じながらも、自宅に住み続ける人は少なくない。苦境に立だされた3地区を歩いた。

▽平衡感覚を失う
 地滑りの恐れがあるとして、市が約100戸に避難勧告を出した太白区緑ケ丘4丁目には今も、およそ半数の世帯が暮らす。路面は波打ち、ブルーシートをかけた家も目立つ。
 「住み慣れた家が一番。仮設住宅には行きたくない」と語る無職男性(76)の自宅は、一見して分かるほど傾いている。
 2階の書斎にあるキャスター付きのいすは、自然に北側へと引っ張られる。部屋に数分いただけで平衡感覚を失い、めまいに襲われる。
 地下水位も上昇、地盤の悪化は解消されそうにない。雨が降ればブルーシートにたまった水をすくい出し、地下に染み込まないようにしている。

 男性は訴える。
  「傾きを直そうとジャッキアップしても、地盤が不安定では元も子もない。梅雨入りすれば地滑りも心配。引っ越そうとしても、新居を求めるお金もない」

▽「調査の徹底を」
 泉区の泉パークタウン内にある寺岡、紫山両地区も、地元住民によれば100戸ほどが宅地被害を訴えているという。大半は切り土と盛り土の境にある住宅で、宅地が沈んだり、家屋の内外壁がはがれたりした。
 ブランドイメージを信じた住民からは不満の声も漏れる。
 「施工主には徹底した地盤調査をしてほしい。ここは高級住宅地ではなく、危険住宅地だ」。紫山地区で被災者をまとめる阿部勝康さん(66)が自嘲気味に語った。

▽警戒区域で生活
 急傾斜地に住宅が立ち並ぶ青葉区折立5丁目。道路は至る所で陥没し、大きく傾いた家もある。地滑りの恐れがあり、市は3月14日、一帯(43戸)を警戒区域とした。
 市は「安全が確保できないため立ち入らないでほしい」と呼び掛けているにもかかわらず、7戸が区域内で生活する。そのうちの一人の男性(74)は「いつ知人から連絡が来るか分からない。しぱらぐはここを離れられない」と語る。
 築約40年という自宅は地滑りで北東方向に傾き、応接間と廊下の間に約20センチ程度のすき間ができた。庭は1mほど陥
没した。市の被災宅地危険度判定は「危険」だった。
 傾く自宅に気持ちも押しつぶされそうになる。
 「改修には時間もお金もかかる。有意義な老後を過ごしたいので、できれば安全な場所で生活を立て直したい」
 住民の大半は今の場所で再建を希望するが、男性は転居も考える。
 奥山恵美子市長は4日午前、折立団地の住民らを前に、動きが鈍い国の姿勢を強い口調で批判した。
 「一日も早く復旧に立ち上がりたいという時に、国会では政局だけが語られている。二次災害が起きたら誰が責任をとるのか」


改修費の補助制度なく
 仙台市によると、被災宅地危険度判定を実施した3880件のうち、「危険」とされたのは868件、「要注意」を含めると2078件に上る。
 多くが、1960~70年代にかけて整備された住宅団地。市内では当時、流入人口の増加に対応するため、北部や西部の丘陵地帯で次々と宅地造成された。
 斜面に盛り土して造った宅地は平野部に比べて地盤が緩く、地震による強い揺れで地滑りを起こしやすい。今回の震災では、盛り土のほか、湿地を埋め立てて整備した住宅団地の多くで被害が出ているという。
 一方、利用できる支援制度はほとんどないのが現状で、市都市整備局は「人工の斜面は自然の崖地と異なり、国の補助対象にならない。私有地は原則所有者が直すしかない」と説明する。
 ただ、被害に遭った大半が高齢者で、改修費の負担はことのほか大きい。市は「今回の宅地被害は所有者が対処できる範囲を超えている」として、国に公的支援制度の創設を求めている。

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1 コメント

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感謝しています・・ (1丁目の住人)
2011-06-05 18:14:26
管理人さんへ
 何時もながらタイムリーなニュースをありがとうございます、当方、河北新報ではないので地元のニュースに飢えており大変助かります、
被災者の個人宅地の問題難しそうですが、国会の審議やら、ずるがしこい小沢、あほな鳩山、無責任な管、いい加減な自民党他野党の動きを見ていますと、あの馬鹿さ加減には被災者として腹立たしさを超えて、悲しささえ感じる昨今です・・・今後とも宜しくお願いします。
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