報知が選んだトリノ“想定外”10大ニュース
イタリアの古都に感動と興奮を残して幕を閉じたトリノ五輪。世界最高峰の戦いの中で数々の名シーンが誕生したが、一方でビッグイベントには思いもよらぬサプライズがつきものだ。スポーツ報知が独断と偏見で選定した「トリノ“想定外”10大ニュース」をお届けする。
◆(1)スノボクロスどんでん返し
転倒による逆転劇が相次いだ女子スノーボードクロス。日本の藤森由香(JWSC)も他選手の転倒で7位入賞を果たしたが、決勝でも大波乱が起きた。トップを独走して金メダル確実と思われたジャコベリス(米国)が、最後のジャンプでボードをつかむグラブの“ファンサービス”。ところが着地に失敗し、転倒してしまった。首位と大差で半ばあきらめていた後続のフリーデン(スイス)にアッという間に抜き去られ、銀メダルに沈んだ。
金メダルが転がり込んできたフリーデンは歓喜のガッツポーズ。ジャコベリスは隣で号泣。ジャコベリスは「(グラブは)体勢を安定させようとやった」と言い訳したが、観客のハートをつかもうとしたばかりに“悲劇”を招いてしまった。
◆(2)原田200グラムで失格
スキー・ジャンプのノーマルヒル予選で、ベテランの原田雅彦(雪印)がまさかの失格に。体重に比べてスキー板が長すぎるという規則違反が発覚した。足りなかった体重はわずか200グラム。「今の板を使うには60キロでOKだと思ってた。61キロ以上なきゃダメらしい。代表として恥ずかしい」とがっくり。ラージヒルにも出場できず5度目の五輪は悲しい結果で終わったが、どんな形でも話題となるあたりは、さすが“五輪男”だった。
◆(3)健闘カーリング娘が大ブレーク
出発前はまるで注目されていなかったカーリングだが…。日本女子チームが、優勝候補のカナダや英国を倒すなど快進撃を見せ、一気に国民の目を引き付けた。4勝5敗の7位で1次リーグ敗退となったが、都内の日本協会事務局には「どこでできるのか」「用具はどこで買えるのか」といった問い合わせが殺到。さわやかな笑顔で人気がブレークし、にわかカーリング通も激増した。2007年3月に青森で開催される世界選手権に向け、関係者は「起爆剤になれば」。(スポーツ報知)
◆(4)銅メダルでドーソン父発見!?
男子モーグルの銅メダリストで、韓国系米国人のトビー・ドーソンに、本当の父親を名乗る男性が現れた。一時期、韓国・釜山の孤児院で過ごしたドーソンは、米国人スキーインストラクターに引き取られて育った。昨年にも3回釜山を訪れて父親を捜したが、見つからず。メダル獲得直後に「父」と名乗る男性が出現。ドーソンは「最近は本当の親と名乗る人が多くて困る」と話しているが、果たして真相は?
◆(5)カーリング50歳おやじ金ゲット
カーリング男子のカナダチームのスキップ(主将)、ラス・ハワードが50歳にして金メダルをゲット。
2大会連続で銀メダルだったハワードは「まだまだ若い選手とカーリングを続けたい」と“絶倫”ぶりを誇示した。また、銅メダルを獲得した米国チームには、控えながら54歳のスコット・ベアードも。
カーリングがオヤジでも勝てるスポーツであることを知らしめた。
◆(6)朋美が及川が皆川が「4位」に泣く
日本勢はあと一歩のところで表彰台に跳ね返される選手が続出した。スピードスケート女子団体追い抜きでは、3位決定戦で大津広美(富士急)が転倒しロシアに敗退。同男子五百メートルは及川佑(びっくりドンキー)、同女子は岡崎朋美(富士急)、フィギュアスケート女子の村主章枝(avex)も4位だった。男子回転の皆川賢太郎(アルビレックス新潟)はわずか0秒03差、距離換算にすると38センチ差で銅メダルに届かず、深夜に全国のため息を誘った。
◆(7)アイスダンス仲間割れ
アイスダンスのイタリア代表ペアが、氷上でにらみ合いをしてしまった。規定首位のバルバラ・フーザル・ポリ、マウリツィオ・マルガリオ組は、オリジナルダンスでのリフトで男性のマルガリオがバランスを崩して転倒。演技終了後、フーザル・ポリがにらみつけ、地元で醜態をさらした。ソルトレークシティー五輪銅メダルの雪辱のため、4年ぶりに現役復帰したが、6位に終わった。
◆(8)オーストリア家宅捜索
オーストリアのスキー距離とバイアスロン代表チームの宿舎をイタリア当局が薬物違反の疑いで捜索。
100本以上の注射器などが押収され、10選手に抜き打ちドーピング検査も行われた。捜索は18日深夜に行われ、19日のスキー距離男子リレーでは最下位と惨敗した。10選手のドーピング検査は陰性だったが、引き続き疑惑を検証し、血液検査も行う方針。
◆(9)米スケート代表場外戦
スピードスケート米国代表のシャニー・デービスとチャド・ヘドリックの因縁がリンク外でもぼっ発。デービスが千メートルに集中するため団体追い抜きを回避したことで、ヘドリックは5冠が達成できなかったことが主な原因。千五百メートルでの直接対決はデービスが2位、ヘドリックが3位でデービスはガッツポーズ。一連の内紛で、健全な肉体に健全な精神が必ずしも宿らないことを証明!?
◆(10)クワンお騒がせ辞退…
フィギュアスケート女子の米国代表、ミシェル・クワンが直前で右足付け根の故障により出場をキャンセル。
念願の金メダルへの挑戦もできずにトリノを去った。そもそも、選考会の1月の全米選手権もけがで出場できなかったが、世界選手権5度優勝の実績で強引に特例での五輪切符をつかんでいた。代役としてエミリー・ヒューズが出場し、7位入賞。スクランブル出場としては立派な成績だった。
◆番外編(1)出たM字開脚
アイスダンスで金メダルを獲得したロシアペアのタチアナ・ナフカが、フリーの演技でグラビアタレント、インリン・オブ・ジョイトイ(27)の代名詞とも言うべき「M字開脚」を披露。インリンのM字を知っていて“拝借”したかどうかは不明だが、ジャッジの目もくぎ付けにし、祖国に2大会ぶりの同種目金メダルをもたらした。ちなみにナフカは1994年に女児を出産している。
◆番外編(2)聖火奪われた
大会が始まる前に、とばっちりを受けたのは聖火だった。大会5日前には、聖火リレーが通過する予定だったイタリア北西部のブッソレーノに、国際高速鉄道トンネル建設に反対するグループが集結し、急きょコースが変更された。北部のトレント市では、無政府主義者4人に奪われるなど、散々な目にあった。 (スポーツ報知)
イタリアの古都に感動と興奮を残して幕を閉じたトリノ五輪。世界最高峰の戦いの中で数々の名シーンが誕生したが、一方でビッグイベントには思いもよらぬサプライズがつきものだ。スポーツ報知が独断と偏見で選定した「トリノ“想定外”10大ニュース」をお届けする。
◆(1)スノボクロスどんでん返し
転倒による逆転劇が相次いだ女子スノーボードクロス。日本の藤森由香(JWSC)も他選手の転倒で7位入賞を果たしたが、決勝でも大波乱が起きた。トップを独走して金メダル確実と思われたジャコベリス(米国)が、最後のジャンプでボードをつかむグラブの“ファンサービス”。ところが着地に失敗し、転倒してしまった。首位と大差で半ばあきらめていた後続のフリーデン(スイス)にアッという間に抜き去られ、銀メダルに沈んだ。
金メダルが転がり込んできたフリーデンは歓喜のガッツポーズ。ジャコベリスは隣で号泣。ジャコベリスは「(グラブは)体勢を安定させようとやった」と言い訳したが、観客のハートをつかもうとしたばかりに“悲劇”を招いてしまった。
◆(2)原田200グラムで失格
スキー・ジャンプのノーマルヒル予選で、ベテランの原田雅彦(雪印)がまさかの失格に。体重に比べてスキー板が長すぎるという規則違反が発覚した。足りなかった体重はわずか200グラム。「今の板を使うには60キロでOKだと思ってた。61キロ以上なきゃダメらしい。代表として恥ずかしい」とがっくり。ラージヒルにも出場できず5度目の五輪は悲しい結果で終わったが、どんな形でも話題となるあたりは、さすが“五輪男”だった。
◆(3)健闘カーリング娘が大ブレーク
出発前はまるで注目されていなかったカーリングだが…。日本女子チームが、優勝候補のカナダや英国を倒すなど快進撃を見せ、一気に国民の目を引き付けた。4勝5敗の7位で1次リーグ敗退となったが、都内の日本協会事務局には「どこでできるのか」「用具はどこで買えるのか」といった問い合わせが殺到。さわやかな笑顔で人気がブレークし、にわかカーリング通も激増した。2007年3月に青森で開催される世界選手権に向け、関係者は「起爆剤になれば」。(スポーツ報知)
◆(4)銅メダルでドーソン父発見!?
男子モーグルの銅メダリストで、韓国系米国人のトビー・ドーソンに、本当の父親を名乗る男性が現れた。一時期、韓国・釜山の孤児院で過ごしたドーソンは、米国人スキーインストラクターに引き取られて育った。昨年にも3回釜山を訪れて父親を捜したが、見つからず。メダル獲得直後に「父」と名乗る男性が出現。ドーソンは「最近は本当の親と名乗る人が多くて困る」と話しているが、果たして真相は?
◆(5)カーリング50歳おやじ金ゲット
カーリング男子のカナダチームのスキップ(主将)、ラス・ハワードが50歳にして金メダルをゲット。
2大会連続で銀メダルだったハワードは「まだまだ若い選手とカーリングを続けたい」と“絶倫”ぶりを誇示した。また、銅メダルを獲得した米国チームには、控えながら54歳のスコット・ベアードも。
カーリングがオヤジでも勝てるスポーツであることを知らしめた。
◆(6)朋美が及川が皆川が「4位」に泣く
日本勢はあと一歩のところで表彰台に跳ね返される選手が続出した。スピードスケート女子団体追い抜きでは、3位決定戦で大津広美(富士急)が転倒しロシアに敗退。同男子五百メートルは及川佑(びっくりドンキー)、同女子は岡崎朋美(富士急)、フィギュアスケート女子の村主章枝(avex)も4位だった。男子回転の皆川賢太郎(アルビレックス新潟)はわずか0秒03差、距離換算にすると38センチ差で銅メダルに届かず、深夜に全国のため息を誘った。
◆(7)アイスダンス仲間割れ
アイスダンスのイタリア代表ペアが、氷上でにらみ合いをしてしまった。規定首位のバルバラ・フーザル・ポリ、マウリツィオ・マルガリオ組は、オリジナルダンスでのリフトで男性のマルガリオがバランスを崩して転倒。演技終了後、フーザル・ポリがにらみつけ、地元で醜態をさらした。ソルトレークシティー五輪銅メダルの雪辱のため、4年ぶりに現役復帰したが、6位に終わった。
◆(8)オーストリア家宅捜索
オーストリアのスキー距離とバイアスロン代表チームの宿舎をイタリア当局が薬物違反の疑いで捜索。
100本以上の注射器などが押収され、10選手に抜き打ちドーピング検査も行われた。捜索は18日深夜に行われ、19日のスキー距離男子リレーでは最下位と惨敗した。10選手のドーピング検査は陰性だったが、引き続き疑惑を検証し、血液検査も行う方針。
◆(9)米スケート代表場外戦
スピードスケート米国代表のシャニー・デービスとチャド・ヘドリックの因縁がリンク外でもぼっ発。デービスが千メートルに集中するため団体追い抜きを回避したことで、ヘドリックは5冠が達成できなかったことが主な原因。千五百メートルでの直接対決はデービスが2位、ヘドリックが3位でデービスはガッツポーズ。一連の内紛で、健全な肉体に健全な精神が必ずしも宿らないことを証明!?
◆(10)クワンお騒がせ辞退…
フィギュアスケート女子の米国代表、ミシェル・クワンが直前で右足付け根の故障により出場をキャンセル。
念願の金メダルへの挑戦もできずにトリノを去った。そもそも、選考会の1月の全米選手権もけがで出場できなかったが、世界選手権5度優勝の実績で強引に特例での五輪切符をつかんでいた。代役としてエミリー・ヒューズが出場し、7位入賞。スクランブル出場としては立派な成績だった。
◆番外編(1)出たM字開脚
アイスダンスで金メダルを獲得したロシアペアのタチアナ・ナフカが、フリーの演技でグラビアタレント、インリン・オブ・ジョイトイ(27)の代名詞とも言うべき「M字開脚」を披露。インリンのM字を知っていて“拝借”したかどうかは不明だが、ジャッジの目もくぎ付けにし、祖国に2大会ぶりの同種目金メダルをもたらした。ちなみにナフカは1994年に女児を出産している。
◆番外編(2)聖火奪われた
大会が始まる前に、とばっちりを受けたのは聖火だった。大会5日前には、聖火リレーが通過する予定だったイタリア北西部のブッソレーノに、国際高速鉄道トンネル建設に反対するグループが集結し、急きょコースが変更された。北部のトレント市では、無政府主義者4人に奪われるなど、散々な目にあった。 (スポーツ報知)