「助けて・・・。」「助けてくれ~。」「足が挟まって動かん。」
いろんなところで人々の悲鳴が聞こえる。
昨日の夜、大地震が起きたことをきっかけに家屋がほとんど倒壊したこの街には数十人のSOSが聞こえた。
「おばあちゃん、大丈夫?」と大きな声でおばあちゃんの安否を確認する孫。
「あぁ・・・。痛いけど何とか・・・。」孫は難なく抜け出せる所に居たが、おばあちゃんは地震時は横になって寝ていたのだ。
かけ布団がクッションになり、少しは圧迫が和らいだものの、やはり足が悪いおばあちゃんは足のほうに大きなたんすが横倒しになっていて身動きが取れない状況に居た。孫はすぐに何かを燃やしはじめ、のろしを上げはじめていた。「おばあちゃん、そこから動いちゃダメだよ。無理しないで。」おばあちゃんは右手でOKサインを出してこくりとうなずいた。家屋がそのままぺしゃんこになってしまい、下敷き状態になっているおばあちゃんを誰より先に気遣った孫。
一番近い消防署は、ここから最速でも30分のところにあるため、のろしを上げることによって「火災」かと気づいてくれるだろうと思っていた矢先のことだった。
「おばあちゃん、おばあちゃん生きてるかー。」と必死で向こうから駆けつけて来たのは、若い少し悪そうな男の人だった。
「おばあちゃんの孫さんですか。」
「はい、そうですけど、何でここに?」
「いやぁ、おばあちゃんにはいろいろと世話になってるから、居てもたっても居られなくて、住んでるところすぐそこだからとんできたんだよ。」
「あ、そうなんですか。ありがとうございます。」
孫は、おばあちゃんより先に礼を言った。
いろんなところで人々の悲鳴が聞こえる。
昨日の夜、大地震が起きたことをきっかけに家屋がほとんど倒壊したこの街には数十人のSOSが聞こえた。
「おばあちゃん、大丈夫?」と大きな声でおばあちゃんの安否を確認する孫。
「あぁ・・・。痛いけど何とか・・・。」孫は難なく抜け出せる所に居たが、おばあちゃんは地震時は横になって寝ていたのだ。
かけ布団がクッションになり、少しは圧迫が和らいだものの、やはり足が悪いおばあちゃんは足のほうに大きなたんすが横倒しになっていて身動きが取れない状況に居た。孫はすぐに何かを燃やしはじめ、のろしを上げはじめていた。「おばあちゃん、そこから動いちゃダメだよ。無理しないで。」おばあちゃんは右手でOKサインを出してこくりとうなずいた。家屋がそのままぺしゃんこになってしまい、下敷き状態になっているおばあちゃんを誰より先に気遣った孫。
一番近い消防署は、ここから最速でも30分のところにあるため、のろしを上げることによって「火災」かと気づいてくれるだろうと思っていた矢先のことだった。
「おばあちゃん、おばあちゃん生きてるかー。」と必死で向こうから駆けつけて来たのは、若い少し悪そうな男の人だった。
「おばあちゃんの孫さんですか。」
「はい、そうですけど、何でここに?」
「いやぁ、おばあちゃんにはいろいろと世話になってるから、居てもたっても居られなくて、住んでるところすぐそこだからとんできたんだよ。」
「あ、そうなんですか。ありがとうございます。」
孫は、おばあちゃんより先に礼を言った。