「空気」に異議あり!

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総理だけはいくら叩いてもいいという「いじめの構造」

2007-07-08 | 政治の空気
産経新聞でクライン孝子氏が言っていましたが、戦後ドイツの首相の人数は8人なのに対し、日本の首相は安倍総理でなんと28人目だそうです。

サミットでも、首脳がコロコロ変わるのは日本だけです。
そのせいで他の先進国は、日本の首脳を覚えられず、ひいては日本への信頼感もなくなっています。

振り返れば安倍総理や小泉総理の以前から、日本では首相をマスコミや世論がバカにするように袋たたきし、何人も辞任させてきました。

この理由は何でしょうか?
先進国の中で、日本で総理大臣になる人だけが、特別にバカばかりなのでしょうか?

私は違うと思います。
原因は日本人とマスコミの特質にあります。

身近な集団を考えてみてください。生徒会とか町内会とか。
日本では代表者になろうとする者が少なく、誰かにやらせては、他のメンバーは無責任に陰からその代表者を批判する、そういう状況が非常に多い。

自分が矢面には立たないこと、そして、その他メンバーが「みんな同じ考え」という状態を作ることを好みます。
他メンバー内にも、放っておけば対立点は多いのですが、誰か1人叩く対象を見つければ、皆でその人を叩くことで、「みんな同じ考え」という状態を作れ、平和が保たれます。

この現象は「いじめ」に似ています。
いじめ研究ではこのように1人攻撃対象になる人を「いけにえ」に例えます。

政治というのは、
「あっちを立てればこっちが立たない」
といった性質のものなので、現役総理大臣に対する不満というのは必ずあるでしょう。
中には現役総理大臣の至らなさのせいで、腹立たしいことも多いかもしれない。

しかしそれでも普通の国では、そんなにコロコロと首脳を変えることはありません。
批判しながらも、ある程度の期間は我慢してやらせてみる。
そうしなければ何も始まらない。

「みんな一緒だね」という確認をしたいがために、やみくもに発展性のない総理叩きを繰り返し、短期間でコロコロ変えるようなことは、そろそろやめにした方がいいと思います。

4 コメント

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祝!開設 (松谷祐子)
2007-07-09 06:59:40
ブログの開設、おめでとうございます。
小泉さんも先日の応援演説で「総理は何をしても批判されるものだ。」と明るく言っていたそうですよ。
現役を退いたからこそ明るく言えるのでしょうが、これ位の精神力を持った者しか「総理」は務まらないのでしょう。あまり、鈍感力が突出しているのも考え物ですが。国民に対しては「繊細」に、野党に対しては「鈍感」に、ですかね。しかし、野党の尻馬にすぐ乗るメディアを何とかせねば・・・。やはり、メディアの罪は重大ですね。
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コメントありがとうございます。 (太一)
2007-07-09 09:49:52
コメントありがとうございます。

>これ位の精神力を持った者しか「総理」は務まらないのでしょう。

現在の日本ではそのようですね。
近年5年という、世界標準の年数務めたのは小泉総理だけですから。

私は小泉総理は、めったに現れない天才だと思います。
そんな人しか総理が務まらない国だということが、この国の異常性を示していると思いますね。
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Unknown (知足)
2007-07-10 09:20:41
裏返すと、そうした苛めを跳ね返す小泉流が待望されるのでしょうね。
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Unknown (太一)
2007-07-10 21:22:58
>知足先生

トラックバックありがとうございます。

そうですね。小泉流をできる人がいればいいのですが。

ここ5年ですと小泉総理に慣れているので何かと比較されがちですが、
ここ20年を見ると、マスコミのいじめに正面から対抗できたのは小泉総理だけで、
他の総理は誰もがマスコミのいじめに抗することはできずに敗れ去っています。
つまり小泉総理は歴史に残る天才なんですよね。

そんな天才でしか、そのいじめに対抗できないほどに、
日本のマスコミのいじめが酷いという現状が、一番の問題だと思います。
総理大臣になる人の誰もがそんな天才ばかりではありませんからね。

それなら小泉さんが例えばあと5年やるという手もあったかも知れませんが、
日本人は飽きっぽくて、たった5年でも「飽きた」を連発していたので、
計10年も我慢できるかどうか疑問ですしね。

とにかく誰にやらせても足を引っ張ってばかりというのが問題ですね。
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