ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

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バド・シャンク・カルテット

2020-11-10 12:26:12 | ジャズ(ウェストコースト)

本日はバド・シャンクです。本ブログで取り上げるのは初めてですが、昔から大好きなミュージシャンです。50年代ウェスト・コースト・ジャズを代表する白人アルト奏者で、アート・ペッパーにはさすがに及ばないものの、ハーブ・ゲラーやチャーリー・マリアーノ、ジョー・マイニらと並ぶ実力の持ち主です。西海岸を代表するレーベルであるパシフィック・ジャズ・レコードの専属で、同レーベルから「昼と夜のバド・シャンク」「ジャズ・アット・カルテック」「バド・シャンク・プレイズ・テナー」等の名盤を残しています。本作は1956年1月に録音されたワンホーン・カルテットの作品です。実はシャンクには同年11月に録音された全く同名、同メンバーの作品があるのですが、そちらはバド・シャンクが床に寝そべった写真が使われており、マニアの間では“寝そべりのシャンク”の愛称で親しまれています。本作は白黒で描かれた特徴あるイラストが使われており、“イラストのシャンク”とも呼ばれています。

メンバーは上述のとおり“寝そべり”“イラスト”ともに全く同じで、クロード・ウィリアムソン(ピアノ)、ドン・プレル(ベース)、チャック・フローレス(ドラム)から成るトリオをバックに従えています。(このトリオについては以前に「クロード・ウィリアムソン・トリオ」でも取り上げています。)ただ、内容は微妙に異なっており、“寝そべり”の方がややアレンジ色が前面に出た良くも悪くもウェストコーストらしい作品なのに対し、本作の方がよりストレートなバップ色の強い作品で、個人的にはこちらの方が好きです。その象徴がマイルス・デイヴィスの名演で知られる“Walkin'”で、さすがに本家本元のような黒っぽさはないものの、なかなか熱のこもった演奏を聴かせてくれます。もっとも、シャンクに限らず同時代のアルト奏者は人種を問わずチャーリー・パーカーの影響を強く受けていますし、ウィリアムソンも“白いバド・パウエル”と呼ばれたほどの御仁ですから、バップ・スタイルの演奏に違和感がないのも当然と言えば当然です。

とは言え、バップの中に白人ジャズらしい洗練された雰囲気が感じられるのも事実で、ボブ・クーパーが作曲した“Bag Of Blues”はブルースと言いながらもやはり明るさが感じられますし、同じくクーパー作“Jubiliation”もドライブ感満点の演奏ながらもどこか爽やかな印象を受ける名曲です。ジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲の“All This And Heaven Too"は他であまり聞いたことない曲ですが、とても美しいバラードで、シャンクのアルトの音色が胸に沁みます。ラストのブラジル風“Carioca”も楽しいです。“Nature Boy”と“Nocturne For Flute”ではシャンクはフルートを吹いており、アルトとはまた違う幻想的な雰囲気を醸し出しています。以上、どの曲も水準以上の出来で、ウェストコーストジャズの良い所ばかりを集めたような傑作と思います。

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