2018年の最初のブログはスティープルチェイスの再発シリーズから渋好みのテナー奏者バック・ヒルの作品をご紹介しましょう。とは言え、私のように50~60年代のハードバップを愛好する者にとっては馴染みのない名前です。本作「ジス・イズ・バック・ヒル」の録音は1978年ですので、70年以降に現れたジャズマンかと思いきやさにあらず。生まれは1927年でコルトレーンやソニー・ロリンズらジャズ・ジャイアンツ達とほぼ同世代。40年代のビバップ期には既にプロとして活動していたと言いますからかなりのベテランですが、リーダー作どころかサイドマンとしても録音機会には恵まれず、出身地のワシントンDCで郵便配達のアルバイトをしながら細々と演奏活動を続けていたそうです。そんな苦労人のジャズマンに目をつけたのがスティープルチェイス。これまで当ブログで紹介してきたように同レーベルは北欧に移住したかつてのビッグネーム達を専門に取り扱っていたレーベルですが、その中ではアメリカのローカルミュージシャンにスポットライトを浴びた本作は異色のラインナップとも言えます。

そんなバック・ヒルの実力ですが1曲目の“Tokudo”を聴けば納得です。キャノンボール・アダレイを思い起こさせるファンキーなナンバーで絶好調のアドリブを繰り広げるヒル。ハードバップ好きなら100%気に入ること間違いなしの名曲・名演です。リズムセクションを務めるケニー・バロン(ピアノ)、バスター・ウィリアムズ(ベース)、ビリー・ハート(ドラム)の演奏もバッチリですね。2曲目はスタンダードの“Yesterdays”をアップテンポに料理し、続く“Oleo”は本家のソニー・ロリンズに引けを取らない豪快なプレイを披露してくれます。一方、自作曲の“S.M.Y”はフュージョン風の清涼感あふれるメロディで70年代という時代を感じさせてくれます。バロンの飛翔感あふれるピアノも素晴らしいですね。これほどの実力を持ちながら50過ぎまで無名の存在に甘んじていたヒルですが、その後はスティープルチェイスをはじめ他レーベルにも続々とリーダー作を発表。遅咲きの全盛期を謳歌して昨年(2017年)5月に90年の生涯を閉じたとのことです。

そんなバック・ヒルの実力ですが1曲目の“Tokudo”を聴けば納得です。キャノンボール・アダレイを思い起こさせるファンキーなナンバーで絶好調のアドリブを繰り広げるヒル。ハードバップ好きなら100%気に入ること間違いなしの名曲・名演です。リズムセクションを務めるケニー・バロン(ピアノ)、バスター・ウィリアムズ(ベース)、ビリー・ハート(ドラム)の演奏もバッチリですね。2曲目はスタンダードの“Yesterdays”をアップテンポに料理し、続く“Oleo”は本家のソニー・ロリンズに引けを取らない豪快なプレイを披露してくれます。一方、自作曲の“S.M.Y”はフュージョン風の清涼感あふれるメロディで70年代という時代を感じさせてくれます。バロンの飛翔感あふれるピアノも素晴らしいですね。これほどの実力を持ちながら50過ぎまで無名の存在に甘んじていたヒルですが、その後はスティープルチェイスをはじめ他レーベルにも続々とリーダー作を発表。遅咲きの全盛期を謳歌して昨年(2017年)5月に90年の生涯を閉じたとのことです。