goo blog サービス終了のお知らせ 

ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ア・スウィンギン・ギグ

2012-10-06 11:48:07 | ジャズ(ウェストコースト)

マイナーレーベル第3弾はタンパ・レコードです。西海岸に短期間存在したレコード会社で、20数枚のアルバムしか残していないという幻のレーベルですが、その中に全盛期のアート・ペッパーの録音が2枚含まれるということで熱心なジャズファンにはお馴染みかもしれません。ただ、それ以外の作品はほとんど無視されているというのが実情でしょう。1956年録音の本作「ア・スウィンギン・ギグ」も一応ジャケ帯では「ウェストコースト・オール・スターズ」と銘打ってるものの、その割にオールスターでも何でもないメンツばかりで正直購入意欲がなかなか湧きませんでした。



ただ、思い切って買ってみるとこれがなかなかいいんですな。いかにもウェストコーストらしい軽めのアレンジですが、曲もいいし演奏内容もいいし、無名だからと侮るなかれ!ですよ。一応メンバーを紹介しますと、ジョン・アンダーソン(トランペット)、デイヴ・ウェルズ(トロンボーン)、バディ・コレット(テナー)、ウィリアム・グリーン(アルト)、チャック・ジェントリー(バリトン)、ジーン・チプリアーノ(オーボエ)、ジェラルド・ウィギンス(ピアノ)、マックス・オルブライト(ドラム)、ベースはカーティス・カウンスとジョー・コンフォートが曲によって交代します。うちソロを主に取るのはアンダーソン、ウェルズ、コレット、ウィギンスの4人で後はアンサンブルがメインです。

曲はメンバーのオリジナルとスタンダードが半々。どれも3分前後の短い演奏ですが、西海岸らしい洒落たアンサンブルに乗って、各自が少しずつソロを取っていくスタイルです。自作曲ではアンダーソン作の切れ味鋭い“Crow's Nest”、ちょっぴりベイシー風の“Some Folks Like The Blues”、バディ・コレット作の陽気な“Sunset Drive”。スタンダードではスイングジャズ風の“Remember”、アンダーソンのアレンジが冴えわたる“One Morning In May”がお薦めです。カリフォルニアの青空をバックにブランコで遊ぶ子供達を写したジャケットもいいですね。ブランコの英語名はswingですから、タイトルとも引っかけたのでしょう。その名のとおりまさにスウィンギーな名演です。

コメント