歴史好き・キゴウ君のひとりごと

主に日々の暮らしで感じたことなどを歴史的なことを交えてひとりごとりたいと思います。

憲法改正議論

2006-12-29 02:56:46 | Weblog
読者の要望にお応えして、今日はスイスの憲法と政治風土について、ひとりごとりますね

スイスの政治については、なんといっても特徴的なことは、140回以上も憲法を改定していることがありますね。
スイスでは内戦終結直後の1848年に憲法を制定して、1874年に連邦制に憲法を改正しました。

スイスは伝統的に地域主義が根強く、憲法は各州政府が独自に行わないこと、(たとえば外交や国防のこと)を明記したものであって、教育や参政権まで、そのほとんどを各州政府が取り仕切るしくみになっています

スイスでは政治への参加は、権利というより義務と考えられています。
其の上、出来るだけ広く国民の意見を汲み取れるようにたった10万人の署名があれば、憲法改正のための住民投票さえ要求できる「イニシィアティブ(国民発議)」と呼ばれる制度を設けています。
単純に代議制だけで政治を行えば、人口の少ない地域の住民の意見が反映されにくいからとの配慮でもあります。
このような考え方に基づいて、スイスでは多くの事柄が国民投票によって決められ、憲法も度々修正するのです。

スイスでは国民投票のことを、「レファンダム」と言い、連邦政府では、義務的レファレンダム(連邦憲法の改正等に際して必要)と任意的レファレンダム(有権者5万人の署名によって要求できる。)の2種類を定めています。

スイスでは憲法改正を度々行って全体の整合性のバランスが崩れると、大規模な憲法改正により憲法を制定しなおします。

スイスの憲法は代表的な軟式憲法です。
逆に日本の憲法は最も代表的な硬式憲法です。
どちらが良い悪いはありませんが、憲法は政治にとどまらず一国のアイデンティティにも関わることです。

現在の安倍さんの内閣は憲法改正を大きな公約としてかかげています。
どの様に改正したいか、はっきりと具体的に国民に説明できるくらい理念ある意見を望みます。

そして、憲法改正反対の方々もなぜ改正してはなら無いのか?
そして現在の憲法と現実世界のマッチングを真剣に検討していただきたい。

大昔みたいに「ダメなものはダメ」と、思考停止の議論はもう卒業しましょう

スイス連邦
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/switzerland/data.html