BEAST SIDE 1

ジュエリーアーティスト太田マリ(タバサ)です。工房からの制作風景、プライベートでやってるロックバンドの話も少しだけ。

オーダーメイドマリッジリング製作 その3

2016-05-07 13:05:14 | オーダーメイドジュエリー
キャストから上がってきました。


サンプルリングなのでシルバー925で鋳込んでありますが、キャスト上がりはシルバーの銀色ではなく、こういった白い色をしています。

このような鋳造したままの表面を「鋳肌(いはだ)」といいます。






また、鋳造後の品物には、「湯道(ゆみち)」といって地金を流すためにワックスの状態の時につけた棒のような部分が残っています。





これは、キャスト屋さんが、その品物の形状をみて、どこにつけると地金が流れやすいか、また、デザインを壊さないかなどを考えて付けてくれます。

今回のリングは普通にリングの腕の部分でしたが、表面にグルっと模様が入っているリングなどの場合は、湯道がリングのコバ(横)の部分だったり、内側に斜めにつけてあったり。

また、大きなものや複雑なデザインの場合は、数箇所に湯道が付けてあったりと、いろいろ工夫されてることが、地金になって帰ってきたときにわかります。


湯道は糸鋸やヤスリできれいに削り取ります。



*****


さて、次に、リングはサイズ出しがとても大事です。

ワックスの原型から地金に鋳造すると微妙に縮みがでたりします。

また、地金の原型からゴム型をとって同じものをいくつも作る場合などは、その段階でも縮みがでます。

その品物の製作工程によって、最終的に希望のサイズになるように、あらかじめその分を見込んだ原型を作るわけですね。



今回は9番と13番ですので、8番と12番のプラスめくらいに鋳造されるようにねらってワックスを作ってあります。

最終仕上げでそのサイズぴったりになるように、荒仕上げの工程で軽くたたいたりしてサイズ調整をします。






私の場合、このくらいマイナスめにしておけば、最終仕上げで内側を磨き上げたときにサイズぴったりをねらえます。





サイズ出しができたら、あとはひたすら仕上げ(磨き上げ)ていく作業です。

ヤスリやサンドペーパー、先端を品物にあわせて研いだキサゲなどを使って全体をピカピカに仕上げていきます。

リューターやバフなどの電動工具も駆使します。






とりあえずぴかぴかになりました。




今回はサイズ感や全体のイメージを見ていただくためのサンプルリングなので、地金の表面に変色部分やス(ごく小さな穴)が残っていても無視していただく形です。


二つ重ねるとこんな感じ。





あとは、お二人にみていただいて、よく、チェックしていただきます。


この段階で、きちんとチェックしていただくことがサンプルリングの目的ですので、ここはしっかりと。



今回はここまでです。


次回は、お二人のチェックが終わってから。


またまた、ドキドキです。




ジュエリーTABITHA
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