今日はIAC派遣のイベント最終日です.
昨日でIAC2006/Valencia自体のイベントは終了しましたが,
今日は,CANSATのデモンストレーションが行われます.
帰国の便の時間の都合で,スペインには半日しか滞在できませんが
昨年からCANSATに取り組んでいる者として少しでもお手伝いできたら
と思って,見学に行くことにしました.
派遣学生からは,俺,ふーよん,ひごちゃん,さきのんの4人が行きました.
デモが行われる会場は,
英語名 Technical University of Valencia
スペイン語名 Universidad Politecnica de Valencia
日本語訳するならバレンシア工科大(略してバレ工大かな?)
昨日のStudent Partyで仲良くなった地元学生スタッフのみんなの通う大学です.
朝,6時半会場のバレ工大のグラウンド前に到着.
まだ,現地スタッフの人が来ていなかったため,門の前で待つことに.
その間,CANSATデモンストレーターのゆうたんたちは
デモに向けて自分たちのCANSATのセットアップを行っていました.
グラウンドの門の前
朝焼けがきれいだ
そのあと2時間くらいしてようやく現地スタッフが到着.
こんなに待たせるくらいなら最初から集合時間遅くてもいいじゃん….
このIACでは,度々現地の人のゆっくりとした時間感覚に戸惑わされることが
ありましたが,最後になってここまでとは.
ここまでくると逆に日本人も少し見習った方がよいのではないか(?)
とさえ感じてしまうほどでした.
ようやく開いたグラウンドに入って,
東大の中須賀先生,中村さんらと一緒にデモのための準備.
私も昨年からの経験を活かして,気球の取り扱いを少しだけお手伝い.
おなじみの黄色い気球
まず,ゆうたんとやまぐちくんの慶応大のフライバックCANSATからデモンストレーションが始まりました.
ESAお手製の放出機構を使って,おなじみの気球からCANSATを放出.
ESAの人が作った放出機構は,ふたの部分がスクリュー式のラッチでとめられており,
地上からプロポでモータをONにして,モータが回りきるとラッチが外れて
CANSATが放出されるという仕組みでした.
いつものように気球を上げて,放出を待ちます.
ESA製の放出機構は地上から制御できるので,待ち時間が無くて楽です.
この日は風がほとんど無く,CANSATにとっては絶好のコンディションでした.
ESAの人のスイッチオンで,CANSATが放出されます.
ところが,パラシュートが開ききる直前に係留索に引っかかってしまい,
きりもみ降下をしてしまったため,滑空することはできませんでした.
直前の機体のセッティングが念入りだっただけにこれは残念.
次は,よっしーの東北大ローバーのデモです.
ローバーはトラックの端からスタートして,もう一方の端に設置してある
ゴールを目指します.
今回は,デモと言うことで地面に置いた状態からスタート.
ローバーは安定した走行で,ゴールに向かってほぼ直進.
ローバーを追従するギャラリー
ゴール付近でローバーはゴールの三角コーンを中心に周囲をくるくる回ります.
これは,GPSの精度のため,ローバーがある程度の距離で
ターゲット付近にたどり着いたと認識しているせいかもしれません.
ローバーは半径3,4メートル位の範囲をくるくる回っています.
これだけでもかなりの成果なのですが,
なんと,東北大ローバーは旋回半径と中心を徐々に修正していき,
最終的にはゴールのポールにぶつかるという荒業をやってのけました.
さすが,東北大ローバー.
ARLISSで世界記録を更新した実績をまざまざと見せ付けられました.
なんてすごいんだ東北大ローバー.
よっしーによると,バッテリの切れる時間を考慮して速度は昨年度の3倍の時速3km/h,
制御則は昨年度のものに改良を加えて,効果的な走行が実現できているとのこと.
すごい,すごすぎるぞ,東北大ローバー.
そのほかにもローバーについてのいろいろなノウハウを聴くことができました.
うちはローバーはやってないので直接的には活かせないのですが,
CANSATを開発する上で参考になる情報を数多く手に入れることができました.
そこまで,見学して時間が来たので,派遣学生の4人は帰路に.
CANSATデモの2人はもう2泊して,観光してから日本に帰るとのこと.(うらやましい)
その後のデモでは,慶応大の2回目のフライトがあったり,
ヨーロッパの大学のCANSATチームによるラジコン飛行機からの放出があったりしたそうです.
ホテルについて,日本に帰る支度.
前日にほとんど準備しておいたので,最後の手荷物をまとめるくらいですみました.
名残を惜しみつつバレンシアの景色を眺めながら,バスで空港へ.
長かったスペイン・バレンシアでの1週間も終わり,日本へ帰国します.