Tsuruday

日記のようで
落書きから宇宙開発まで
なんでもありのblog。

24才、網膜剥離。 9 ~退院して

2007-05-15 13:40:07 | 網膜剥離と眼のこと
入院生活を終え,無事に退院することができました.
ご心配をおかけした皆様,励ましのメッセージを送っていただいた皆様,わざわざ足を運んでお見舞いに来てくれた皆様にこの場をお借りして報告すると共に,感謝の意を述べせせていただきます.
ありがとうございました.

まだ,左眼の視力低下の影響が大きく,眼球運動がまだ完全には回復していないことから,モノが2重に見える症状は続いているのですが,なんとかやれてます.
あと2ヶ月間くらいは定期的に通院しなければならないようですが,事務作業適度であれば問題ないということで,100%の戦力ではないですが,なんとか研究室・プロジェクトに復帰することができました.
しばらくは60~80%程度で,徐々に慣らしていこうと思います.

この土日は静養するため,実家に帰ってゆっくりと過ごしていました.久しぶりにゆっくりする時間が取れたため,実家の近所や高校の周辺を散歩していたのですが,ちょっと見なかった間に大きく様変わりしているところがあったりして,懐かしさと寂しさが入り混じったような複雑な気持ちを味わってきました.

研究室に戻ってきたら,棚上げしていた仕事が思いのほかたくさんあって,ちょっと焦ってしまいそうですが,ゆっくり少しずつ片づけていこうと思います.
昨年度までが飛ばしすぎて逆にオーバーヒートしかねない状況だったので,これからは,

「焦らす着実に」

をモットーにやっていかねばならないようです.

24才、網膜剥離。 8 ~レーザー治療

2007-05-08 13:38:23 | 網膜剥離と眼のこと
入院中に診察や治療でいろんな痛いことを経験してきましたが,最後まで慣れることができなかったのが,レーザー治療です.今日,このレーザー治療が全て終了しました.

眼という敏感な感覚器官ゆえにこれまで受けた医療行為の詳細を紹介するだけで,苦手な人には目を覆いたくなるくらい痛い話になってしまうのですが,このレーザー治療だけはあえて,紹介したいと思います.

どんな治療かと言うと,網膜の剥がれかけているor今後剥がれそうな弱い場所に眼の外側から,レーザーを打って,瘢痕を作り,剥がれるのを予防するという治療です.この表現だと,対していたそうな感じはしませんが,要するにレーザーで網膜を焼いて火傷みたいな状態にしてくっつけているということです.

この治療の一部始終をあえて紹介させていただこうと思います.

まず,眼底検査を受けるときの台みたいなとこに顔を乗せて,対面に座った眼科医の先生がレンズをのぞいて,眼底のレーザーを照射する部分を確認しながら,レーザーのトリガーを入れるんですが,まず,眼を強制的に開かせる器具が痛いです.いちおう,器具を取り付ける前に麻酔の眼薬をさしてもらえるんですが,効き目は微々たるもので,多少のごまかしくらいにしかなりません.眼に挿入される部分は,コンタクトレンズみたいなものになっていて,眼に触れる感じはそう違和感はないのですが,先生が執拗にぐりぐり押さえつけてくるので,思わず,顔が後ろにのけぞります.

そして,その状態でレーザーが打たれるわけですが,1回のレーザーの照射時間はほんの一瞬(数十msecくらいだと思う)で,針のさき(よりももっと小さいのかもしれない)くらいの範囲がレーザーで焼かれます.

この時の痛みが,

かなり痛い.

例えるならするどい針が飛んできて眼球の奥に突き刺さるような感じです.
この治療を数回受けましたが,これまでの通算で,左が400発,右が300発くらいレーザーを打たれと思います.左眼は,手術で元に戻った部分の補強として,右眼は,網膜剥離になる可能性のある部分の予防として,この治療を受けた訳ですが,何が怖いって,レーザーの光が見えるところ.
目の前が緑色に光ったと思ったら,激痛.
当然,治療を受けている間も,眼は見えていますし,強制的に開けられているせいで,眼をそむけることもできない.

レーザー治療を受けている間は,叫び声をあげたくなるくらい痛いんですが,まさか病棟で大声をあげるわけにもいかないので,心の中で叫んでました.あと気を紛らわすために,レーザーの回数をカウントしてました.意外と冷静なように感じるかもしれませんが,連続する苦痛を少しでも軽減するには,その苦痛が続く間,その苦痛とまったく関係のない所に意識をもっていって,その苦痛を客観的に見るようにするとよいのです.(経験則)

1回の治療時間は5分くらいだったと思いますが,何時間も続くように感じて,かなりつらかったです.
先生は先生で,いちおう痛くないか尋ねながら治療してくれるのですが,

「痛いです」

と申告しても,

「ちょっと我慢してね」

とか言いながら,淡々とトリガーを入れてるし….
反対の眼は,周囲の様子が見えているのですが,先生が,レーザーのメータをいじったと思ったら,次に来る一発がめちゃ強烈だったり.
さっきのは絶対レーザーの強さをあげたんだなと鈍感な俺にも分かります.
そんな恐怖と痛みと戦い(?)ながら治療を受けるわけですが,
あまりに痛みをこらえきれない様子だととさすがに先生も手を止めて,間に休憩をはさんでくれるのですが,

「あと最後にほんのちょっとだから我慢して」

と言われてから,50発も打たれたのはひどいと思いました.

『ちょっと』じゃないし…

治療を受けている間は,治療を受けている方の眼から涙が流れて止まらないんですが,治療が終わっても1時間くらいは,この痛みで涙が流れっぱなしです.

ベテランの看護師さんにこの治療のことを話していたら,やはり苦痛に感じている患者さんは多いらしく,患者さんの間で,

『殺人光線』

と呼ばれていることを教えてもらいました.

殺人て…
悪の組織の秘密兵器か.

まあ,この治療で死ぬことはないと思いますが,死ぬくらい痛いよってことなんでしょう.

最後に,ここでの記述内容はあくまでも,私の主観に基づくものであり,人や症状によっては,そう痛みを感じないこともあるかもしれないということを付記しておきます.

でも多分,10人中8人は苦痛と感じると思う…

あー,もうこの治療は2度と受けたくない.

眼は大切にしなきゃいけないなと実感させられました.
あと3日で退院です.

24才、網膜剥離。 7 ~リハビリ中

2007-05-06 13:36:51 | 網膜剥離と眼のこと
先日眼帯が外れて,自分の左眼の状態を鏡で確認しましたが,
見た目はかなりグロいです.

充血しているなんてもんじゃなく,
特殊メイクとかの作りものみたいです,

とはいえ,痛みもほとんどなくなっているので,後は時間が経てば元に戻るのでしょう.

両目でモノを見ることができているわけですが,手術した方の左眼はまだ焦点が定まっておらず,ピンボケ状態.
また,右眼と焦点がずれているので,モノが2重と言うか2つに見えます,

と言う訳で,左眼の視界が加わると現状では邪魔なだけなので,見ることが必要な作業のときには結局左眼を覆って,右眼だけで見ている状況です.

まだまだ,回復には時間がかかるようですが,焦らず気長にリハビリに取り組んでいきたいと思います.

24才、網膜剥離。 6 ~手術終了

2007-05-03 02:04:31 | 網膜剥離と眼のこと
おととい5/1に手術が終わって,今日で3日目です.
手術も無事成功したようで,今は問題なく入院生活をおくれています.

網膜剥離の手術には,剥がれた網膜を元に戻す方法として,
硝子体と呼ばれる眼の内部にガスなどを入れて,内側から行う方法と,強膜と呼ばれる部分を眼球の外側から押して網膜の剥がれようとする力をキャンセルする外側からの方法との2種類があるそうですが,私が受けた手術は,2つ目の外側からの方法でした.

医学用語で言うと,

術式;網膜復位術,網膜裂孔閉鎖術,強膜内陥術

と言う手術でした.

この外側から行う方法は,主に若い人の網膜剥離の場合に用いられることが多いそうですが,かなりの痛みを伴うため,全身麻酔で行われるのが普通だそうです.
私の場合も,全身麻酔でした.
最初聴いた時は,まさか全身麻酔になるとは想像してもおらず,驚きましたが,眠っている間に手術が終わるということで,少し不安も和らぎました.
手術時間は1時間半の予定でしたが,術部が広かったため,実際には3時間に及ぶ長丁場でした.
(とは言っても私は眠っていただけですが)

全身麻酔で意識を失うのは初めての経験で,どんな感じだろうと期待と不安が入り混じっていましたが,手術室で麻酔医の先生と2,3言,言葉を交わしたと思ったら,次の瞬間,病室のベットの上で,左眼には眼帯,口には酸素マスクをつけて,全身もろもろの装備が取り付けられていました.
手術を受けたその日一日は,まだ麻酔が効いていて意識がもうろうとしていましたが,その日のうちにもろもろの装備も外れ,自分で歩くことができました.

次の日は朝一で術後の診察.まだ自分では左眼を開くことができなかったので,こじ開けられての診察でしたが,手術した部分は問題ないとのこと.
手術直後は,眼の痛みも強く,自分ではあけれない状況でしたが,今では,痛みも和らいでいます.
まだ,左眼には眼帯がつけられていて,自分では見え具合を確認できていないのですが,手術した部分の癒着を防ぐためにも左眼を動かしていてくださいとの指示で,こうして日記を書いたり,ネットを見たり,雑誌を読んだりして,リハビリを始めています.

まだ,いつ退院できるかどうかとうことは決まっておらず,眼の経過次第ということですが,まずは,左眼の眼帯が外れるのを目指して,リハビリ生活を送りたいと思います.
早く眼帯がとれて,両目でモノが見れるようになるのが待ち遠しいです.