ザクとは違うのよね

投稿再開しました。 できるだけこまめに更新します。。。

後遺症

2006-06-03 22:54:56 | いろいろ
 水曜日のバドが激しすぎて、筋肉痛というか、それよりひどい炎症が起こってる感じ。
 左半身が痛い。肩、腕、腰、ふくらはぎと全般的に痛いが、太ももは、ピリピリと痺れているんだよ。腰の筋肉が炎症を起こして、そのあたりの神経に悪さしてこうなっていると思うんだけれど、今日で3日目だからね。一週間くらい経てば良くなるかなぁ。

嫌われ松子の一生

2006-06-03 22:39:15 | 映画
 久々に映画を観てきた。観てきたのは、「嫌われ松子の一生」。この映画の存在を知ったのは、BONNIE PINKが主題歌を提供し、さらには映画にまで初出演していることを伝えるボニーのメールニュースだった。
 ボニーのライブに何度も行っている人間としては、女優としての彼女も見ておかないわけにはいかんだろうということで観に行ったわけだ。

 事前にMTVの映画特集で紹介されていたんで、それを録画しておいたんだけれど、結局オンタイムで10分程度ながら観しただけで、映画を観てしまった。
 
 中島哲也監督は、この原作を本屋で見つけ、タイトルのインパクトで読み出したら、自分で映画を撮ってみたいと思ったそうだ。
 それに対して、原作者の山田宗樹は、当初この作品を2時間にまとめ、なおかつ一つの作品として仕上げるのは無理だと思っていたみたいで、それを中島監督が完璧にやってのけたと言っていた。
 主演の中谷美紀は、原作を読んで自分で松子役をやりたいと思っていたらしく、中島監督が映画化することを聞きつけ、自ら売り込んでいったとか。
 
 あの変顔も原作にはなくて、父親の愛情を受けたいがための歪んだ表現として中島監督が思いついたらしい。
 監督は、この原作をただ哀しいだけの悲劇的な暗い話とは取らず、悲惨な人生ではあるけれども、ものすごいスピードで人生を駆け抜けた、テンションの高い松子のエネルギーを感じ取り、それを映像化しようと思ったとか。
 暗いくらい原作をミュージカル仕立てに、普通考えられない発想だな。しかも、俳優陣だけでやるとさらに重い芝居になることから、ミュージシャンやお笑い芸人などいろいろな分野の人間を、本人曰く「ごった煮」のようにこれでもかというくらいちりばめて。

 ボニー以外にも多くのミュージシャンが登場。冒頭の木村カエラは、まだ映画が始まってないのかと思ったよ。
 刑務所内ではAIが。劇中流れる「What is a Life」もいい曲だった。

 さてさて、映画の方は、やっぱり哀しい。哀しすぎる。どうしてここまで不幸になれるのというくらいの転落人生。
 随所にちりばめられた小ネタは、どれも「クスッ」と笑えるものばかりだったが、それでも余りあるほどの重い不幸。逆に、あれら小ネタがなかたら、さぞや胃もたれのする重い作品になってただろう。もしそうなら、あまり評価できない感想になっていたと思うが、全体としては非常にまとまったいい作品だったと思う。

 そのように感じた理由の一つは、脇を演じる人達が良かったことかな。

 松子の甥であり、松子の一生を振り返っていくうちに松子の気持ちに寄り添うことが出来るようになった役。情けないシーンの所とか、いい役者だなと素直に思ってしまった。
 監督に痩せろと言われて、言われるとおり数キロ痩せたらしいが、当の監督はすっかり忘れていて、後日「最近痩せたな」と言われたそうで。
 父親役の香川照之(年齢設定がまだ分からない最初の段階では、この2人の親子は無理があるだろ?と思ってしまった)の2ショットシーンを観た時、なんか「アンフェア」を思い出してしまった(榊英雄も出てたね)。

 個人的に一番好きだったのは、松子の親友であった沢村めぐみ(黒沢あすか)。かっこよかったなぁ~。
 松子のことを本当に心配していたのにね。でも、笙が言ったように、松子がめぐみを遠ざけようとした気持ちはよく分かるなぁ。2人でいる時は確かに楽しいんだよ。楽しいんだけれど、根本的に2人には決定的な差があるのさ。めぐみには、仕事も男もある。そういうしっかりとした土台があって、その上に松子との楽しい時間が積みあがっていくんだよ。
 一方の松子には、その土台がないから。どれだけめぐみと楽しい時間を過ごしても、土台のない松子には、それは時間が過ぎたら泡のように消えてしまう刹那的な幸せ。会うたびにそれを自覚してしまうと、自然と遠ざけようとしてしまうその気持ち。自分には痛いほど分かってしまう。。。

 龍洋一(伊勢谷友介)も良かった。彼なら松子を救えたのに。そう思うと哀しくてやりきれない。後になってそれが分かった彼が松子の元に戻ってきたのは、彼女の死後だった。「松子を殺したのは俺」という言葉は、殺人事件とは関係なく、彼の本音だったのだろう。
 彼とのくだりの時が一番ウルッときたかな。五輪真弓の「恋人よ」も、効果的な場面に挿入するもんだから。

 そのほかにも、片平なぎさ、柴咲コウ、ガレッジゴリ、劇団ひとり、カンニング武山、谷原章介、クドカン、荒川良々等々、個性的な面々が作品を盛り上げてくれた。
 テレビで流れているサスペンス劇場3本だけに片平なぎさを使うとは、監督の思いつきと本人の出演に頭が下がります。
 柴咲コウも、出てるなんて知らなかったから、いきなり冒頭に出てきた時は、中谷美紀と勘違いしてしまったよ。2人とも、顔立ちやホクロといい、声といい、前々からよく似てると思ってたらからさ。

 さてさて、肝心のボニー、ミュージカル仕立てってのもあって、なかなかの女優デビューだったんじゃない?
 「アネッサ」のCMタイアップもあるし、今年はひょっとしたら売れてしまうかも?(個人的にはあまりメジャーになってもらうと困ってしまうけれど)


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