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或るScientistの徒然なるつぶやき

つれづれなるままに、日ぐらしPCに向かひて、心に移り行くよしなしごとを、blogに書きつくれば......

(5/16までのデーターに更新)福島第一原発から約30kmの地点の年間被曝線量を予測

2011-05-17 08:48:34 | 科学

5/16までに公開されたデーターを解析したものに更新しました。

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文部科学省が公開している(http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304002.htm)、簡易線量計(どうやら個人の被ばく線量を計測するために作られたポケット線量計らしい)による、福島第一原子力発電所から30km程度の距離の測定結果のうち、もっとも線量が高い地点(番号32 双葉郡浪江町赤宇木手七郎 福島第一原子力発電所から約30km北西)、2番目に線量が高い地点(番号33 相馬郡飯舘村長泥 福島第一原子力発電所から約30km北西)、連続した測定結果がある地点のうち最も線量が低い地点(番号15 田村市常葉町山根鹿島 福島第一原子力発電所から約35km西)の結果について解析し、今後一年間での被曝線量を予測した。

年間の被ばく線量の予測値は以下のような簡単なモデルによる算出なので、予測値の信頼性は保証できないが参考にはなるのではないかと思います。
放射線の被ばくそのもの関しては専門ではないので、何か間違いを見つけたら、ぜひ指摘してください。

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*ヨウ素131は核崩壊によってキセノン131に変わる。キセノンは化合物を作らない希ガスなので、核崩壊が起きると気体になって飛んでいってしまう。(=つまり観測地点からなくなる)
*セシウム137は核崩壊でバリウム137に変化する。バリウム137もさらに核崩壊するが、半減期が短いので、セシウム137の寄与が多めに見積もられるという問題はあるが曲線の形状に影響を及ぼさないので無視する。
*核崩壊による放射性物質の減少は指数関数にしたがうので、検出される放射線量もそれに従って減少する。

1つの放射性物質による線量の時間変化は
y = A1*exp(-x/t1)
http://en.wikipedia.org/wiki/Half-life

2成分放射性物質が存在する場合には、次のような式であらわされる。
y = A1*exp(-x/t1) + A2*exp(-x/t2)  + y0

A1,A2: 最初の放射線量
y0:オフセット(自然放射線による線量)
t1,t2:それぞれの放射性物質の減衰係数
x:経過時間(日)

減衰係数と半減期の関係は次のような式であらわされる。
半減期/ 0.693=減衰係数

減衰係数には、半減期から求めた値をつかった。
ヨウ素131は8.02070 日、セシウム137は30年とした。

*解析はフィッティング解析、つまり、データー点にきちんと合うように、モデル式の変数をパソコンを使って最適化する方法で行った。
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測定エリア番号32
双葉郡浪江町赤宇木手七郎
(福島第一原子力発電所から30km程度の距離の測定結果のうち、もっとも線量が高い地点)

最初、おもにヨウ素131とセシウム137が出した放射線が計測されていると仮定して、フィッティング解析したが、どうしても、1,2日目の値が低めに出てしまう。そこで、ヨウ素131とセシウム137に加えてもう一つ放射性物質が存在していると仮定して、解析してみたところ。半減期が非常に短い成分があると考えると、測定結果とよく合うことが分かった。調べてみると、ヨウ素の放射性同位体に半減期が13 時間と短いヨウ素123というのがあるということだったので、その半減期を取り入れて解析した。

その結果を次に示す。

(サムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

グラフの下側のパネルが、一日当たりの放射線量の時間変化を解析した結果。
赤い点線で示したのが最初の30日のデータをもとにした予測曲線です。
真ん中に示した拡大図をみると予測曲線(赤い線)と実測データー(黒い点)は、ほぼ一致しているので、このモデルによる予測はある程度はあっていると思われる。

放射線量の単位はmSv(ミリシーベルト)にしてあります。

最初の30日のデータをもとにした解析結果によると、最初の放射線量の内訳は、

セシウム137(半減期30年)の寄与0.37 mSv/day
ヨウ素131(半減期約8日)の寄与:0.77 mSv/day
ヨウ素123(半減期約13時間)の寄与:0.73 mSv/day
となり、主成分は確かにヨウ素だが、セシウム137の寄与もあることが分かる。

この曲線を積分して、年間の被ばく線量を予測した結果が、グラフの上側のパネル。
この地点での年間被ばく線量の予測値は、約144mSvとなった。
やはり、この地点では、半減期の長いセシウム137があるために年間被ばく線量はかなり高い値になりそう。局所的に線量の高い場所を立ち入り禁止にするか、表層の土を入れ替えるなど対策が必要。

測定エリア番号33
相馬郡飯舘村長泥
(測定エリアのうち2番目に線量が高い地点)

(サムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

最初の30日のデータをもとにした解析結果によると、最初の放射線量の内訳は、

セシウム137(半減期30年)の寄与0.19 mSv/day
ヨウ素131(半減期約8日)の寄与:0.47 mSv/day
ヨウ素123(半減期約13時間)の寄与:0.59mSv/day
となる。33番の地点と同様に主成分は確かにヨウ素だが、セシウム137の寄与もあることが分かる。

この地点での年間被ばく線量の予測値は、78mSv となった。

測定エリア番号15
田村市常葉町山根鹿島
(連続した測定結果がある地点のうち最も線量が低い地点
)
(この地点は、今は文部科学省のデーターがないので予測があっているかどうか確認できないのですが、参考のために、そのままおいておきます。)

(サムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

途中から測定結果に大きなずれ(値が突然小さくなっている)がある。
線量が低いので、途中まで、線量計に放射性物質を含んだチリが乗っていたりしたのかもしれないが、測定場所の状況や方法が公開されていないので分からない。ひとまず、予測は測定結果がずれる前までのデーターを元にしたものにしておく。

解析結果によると、、最初の放射線量の内訳は、

セシウム137(半減期30年)の寄与0.020 mSv/day
ヨウ素131(半減期約8日)の寄与:0.38mSv/day
ヨウ素123(半減期約13時間)の寄与:0.019mSv/day
となった。

線量が弱いため、データーのふらつきが大きく、予測が適切なのかわからないが、セシウムの寄与が小さいため、この地点での年間被ばく線量は7.9mSv と低い値になった。

まとめ

独立行政法人放射線医学総合研究所の放射線被ばくに関する基礎知識によると、「例えばおよそ100ミリシーベルト未満では、放射線がガンを引き起こすという科学的な証拠はありません。」となっています。これは、つまり、ほかの要因でガンになる人の割合が圧倒的に多いため、統計上、放射線の被曝によるガンの割合が見積もれない、つまり心配しなくて良い(それよりも禁煙でもしたほうが良い)ということです。

解析結果から、32以外の地点では一年間の被ばく線量の予測値は100mSvを超えておらず問題はないようです。ということで、やはり、一部の放射線量が大きい地点以外では心配する必要はなさそうです。

*参考資料

独立行政法人放射線医学総合研究所の放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i13


福島第1原発の約30キロ付近の累積放射線量について(5/16までのデーターを追加)

2011-05-17 08:40:23 | 科学

公開された累積放射線量の情報を元にをグラフにして傾向を見ています。
5/16までに公開されたデーターを追加しました。
4/28以降の途中のデーターが一部抜けているのは測定が無いわけではなくて、追いついてないだけです。

このデーターを解析した結果を別の記事(http://blog.goo.ne.jp/t7o7k/e/1e21629ac0cce10a1c785481ce536cf0)として書いています。

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「避難勧告が出ている範囲から外れた場所では影響はないと考えてよさそうです。」とブログの記事「福島第一原子力発電所の放射線量の推移と宮城と茨城の数値との比較」に書いたところ、そうでもないんじゃない?というコメントをもらったので、その結果について調べてみました。

確かに、「文部科学省が調べた福島第1原発の北西約30キロ付近の4地点で、23~25日の47~50時間の屋外での累積放射線量が1・323~2・829ミリシーベルトに達した。」(参考資料のところにリンクを張っておきました)という報道があり、情報の元になっている結果は文部科学省のウェブサイトで公開されています。

文部科学省は簡易型の線量計を多地点に設置し、累積放射線量を調査しています。サーベイメーター等の瞬間値の計測と違って、積算線量を測定しているので、実際にその場所にい続けた場合の累積の被ばく線量を測定していることになります。
下に、グラフにしたものをアップしておきます。単位はmSvです。

(サムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。4/28以降の途中のデーターが一部抜けているのは測定が無いわけではなくて、入力する暇が無くて全部更新できていないのです。)

図中の番号は文部科学省の測定地点の番号で以下のリストの地点に対応します。
(最近の測定結果がない地点についてはグラフから省いてあります。)

31 約30km北西 双葉郡浪江町津島仲沖
32 約30km北西 双葉郡浪江町赤宇木手七郎
33 約30km北西 相馬郡飯舘村長泥
34 約30km北西 双葉郡浪江町津島大高木
38 約35km南 いわき市四倉町白岩保木田
71 約25km南 双葉郡広野町下北迫苗代替

79 約30km北西 双葉郡浪江町下津島萱深
7 約30km北北西 南相馬市鹿島区寺内本屋敷
1 約30km北西 福島市杉妻町
15 約30km北西 田村市常葉町山根鹿島
84 約30km西北西 いわき市三和町差塩
39 約45km北 相馬市山上上並木
76 約20km南西 双葉郡川内村上川内早渡
80 約25km北 南相馬市原町区高見町
21 約30km西北西 双葉郡浪江町津島東舘  

グラフの曲線の増加率(時間当たりの放射線量)は継続的に少しづつ下がっています(日数がたつにつれて傾きが小さくなっている)。おそらく、放射性物質そのものの崩壊による量の減少や拡散(減衰だと仮定して解析できているので⇒ http://blog.goo.ne.jp/t7o7k/e/1e21629ac0cce10a1c785481ce536cf0 ほとんど放射性物質の崩壊による減少のようです)によるものだと思われます。

放射性物質の出どころである事故が起きた福島第一原子力発電所での放射線量も、ここしばらくの間、減少し続けています(「福島第一原子力発電所の放射線量の推移と宮城と茨城の数値との比較」を見てください)。したがって、これらの計測地点にあたらしく放射性物質が飛んできているという可能性は低そうです。
実際に、グラフはなだらかで、あたらしく放射性物質が飛んで来ると見られるであろう大きなジャンプがありません。

さて、先日の更新時に、半減期が8日と短いヨウ素の放射性同位体だともう少し増加率の下がり方が大きいはずだと思ったので、「半減期の短いヨウ素の放射性同位体(半減期8日程度)に加えて半減期の長い放射性物質(セシウムの放射性同位体など)が測定点の周辺にあるようです。」と書いたのですが、その後のデーターをチェックしたところ、場所によってはほぼ半減しているので、主成分はヨウ素の放射性同位体と考えてよさそうです。

どのような曲線で減少していくかの傾向がわかって、半減期の情報を元に適切なモデルを作ることができればこの場所での年間の累積の被ばく線量を求めることができるはずです。このデーターを解析した結果を別の記事(http://blog.goo.ne.jp/t7o7k/e/1e21629ac0cce10a1c785481ce536cf0)として書いていまが、その解析結果を見ると、一部の地点では、ヨウ素の放射性同位体に加えてセシウムの放射性同位体があるようで、年間の被ばく線量の値もおおきなものになっています。

**参考にした資料**
東日本大震災:福島第1原発事故 北西30キロ、累積放射線2.8ミリシーベルトに
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110327ddm001040067000c.html

「文部科学省が調べた福島第1原発の北西約30キロ付近の4地点で、23~25日の47~50時間の累積放射線量が1・323~2・829ミリシーベルトに達した。」に該当する文部科学省の情報は以下のページのものです。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304002.htm


原発、放射線、放射性物質に関するまともそうな情報のメモ

2011-04-30 21:38:57 | 科学

やたらと不安を煽る原発反対派?あるいはデマの情報が氾濫しているので、原発に関するまともそうな情報をまとめておくことにする。(あたらしく見つけ次第、書き足しておきます)

*北海道大学の科学技術コミュニケーション教育研究部門の電子書籍
電子書籍 『もっとわかる 放射能・放射線』が無料公開されています。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/news/article/121/

*日本地質学会 日本の自然放射線量
http://www.geosociety.jp/hazard/content0058.html#map
天然に存在する放射性物質による自然放射線がどのくらいのレベルなのかというのがマップ表示されて分かりやすいです。

*独立行政法人国立がんセンター http://www.ncc.go.jp/jp/
今回の震災に関連する放射性物質についての情報がまとめられています。
現時点では、
「1. 現時点の放射性物質による健康被害については、チェルノブイリ事故等のこれまでのエビデンスから、原子炉において作業を行っている方々を除けば、ほとんど問題がないといえる。」 「2. 現在、暫定的に定められている飲食物の摂取制限の指標については、十分すぎるほど安全といえるレベルである。」 とのこと。

*日本産科婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/news/
妊婦や胎児に対する、1kg 当たり200 ベクレル前後の放射性物質を含む軽度に汚染された水道水の影響について。
水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内
 http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110324.pdf

*「福島原発の放射能を理解する」
福島の原発事故に関するカリフォルニア大学のモンリオール(B. Monreal)氏による講演の英語のスライドの翻訳 
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html

*『福島原発』「退避すべきかとどまるべきか」
放射線被ばくを深く心配されている方々へ(2011年3月17日午後)
 http://getnews.jp/archives/105218

*原発に関するQ&Aまとめ
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=752

*もし放射性物質に汚染されたときの対処
放医研(独立行政法人放射線医学総合研究所)のページに記載がある
 http://www.nirs.go.jp/index.shtml

*放射性物質:Q&A 被ばくはうつらない 福島県対策本部
 http://w.mainichi.jp/eq/news/20110405k0000m040128000c.html


「正気を疑う文科省の学校線量基準」、正気を疑いたいのは、こんな記事を書いて煽るひと。

2011-04-29 16:38:05 | 科学

 

正気を疑う文科省の学校線量基準(http://wiredvision.jp/blog/gohara2/201104/201104201515.html)

正気を疑いたいのは、調べもせずに、こんな記事を書いて他人を煽るひと。

放射線管理区域の基準値は、「合理的に達成できる限り低く(ALARA : As low As Reasonably Achievable)」という考えのもとに設定されたもの。この考え方が法律に反映されて、放射線障害防止のための放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律が定められている。

生物は、天然の放射性物質に由来する放射線による被曝など(人間の場合はレントゲン写真等でも)によって細胞内のDNAが損傷を受けたりするが、それを修復する仕組みがあるため、常に修復されている。修復に失敗したり、修復が間に合わなかった場合にガンになる。したがって、メカニズムだけから考えると、ある程度の放射線量までは修復できる。

ただ、微量な放射線による人体への影響に関する情報はあまりないので(なぜなら人体実験等は不可能だから)、もっとも過大に影響を評価する、微量でもその量に応じた生体影響が存在するとする「しきい値なしの直線影響(LNT)仮説」を放射線の障害の予防の考え方に採用しているわけである。

したがって、達成可能な限り低いレベルを、放射線による障害の防止のために放射性物質などを管理する際の基準値に設定しているので、非常時にこの値を超えてしまうことはあり得る。

文部科学省は、今回、科学的なデーターに基づいて人体への影響を評価し問題ない値を設定したということなので、放射線管理区域の基準値を超えているからどうのこうのという議論はおかしい。もちろん、この文部科学省の判断が正しいかどうかを科学的に検証する必要はあるとおもうので、議論をするのならこっちだろうとおもう。

*参考

LNT仮説について
http://criepi.denken.or.jp/jp/ldrc/study/topics/lnt.html

ALARAについては
http://ssu.mri.co.jp/columns/articles/vol058

 

 


今日の東京の放射線量の値はフランスより低い

2011-04-25 09:07:45 | 科学

いまだに、東京が微量な放射線による被曝で危険とかのたまっている方がいらっしゃるので、(たとえばこれ http://www.cinematoday.jp/page/N0031748 )この前twitterでちょっとつぶやいたけど、一応、blodのほうにもまとめを書いておきます。

フランスの今の放射線量をフランスの原子力関係の機関IRSNのページで見てみる。
http://www.irsn.fr/FR/Documents/france.htm
マップ上の点にポインターを合わせると現在の値が表示される。単位はnSv/h。たとえばリヨンは90で、パリは30~100ぐらい。
さて、一方、今日の東京の放射線量の値は70nSv/h(=0.07μSv/h)。したがって、フランスでは、おそらく自然界に存在する放射性元素によって、場所によっては東京より大きな値になっている。

現在の東京での放射性物質の量と比べて、核実験をたくさんやっていた昔はどうだったかについてブログにきちんと書いている方がいました。
http://sallas.blog109.fc2.com/blog-entry-92.html

昔のほうがかなり多かったんですね。
これをみても、東京は危険だという人がいるんですかねぇ。。。




福島第一原子力発電所の放射線量の推移と宮城と茨城の数値との比較 (2011/4/8 までのデーター)

2011-04-09 23:18:30 | 科学

データーが公表されるたびに、暇を見つけて順次更新しています。
(同じような記事がたくさん並ぶと見にくいので、この記事を更新しています。)

 

グラフを2011/4/8 までのデーターに更新しました。

 

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東京電力のプレスリリースで公表されている、福島第一原子力発電所の放射線量の測定結果をグラフにして、宮城県の女川原子力発電所と茨城県の三菱原燃での値と比較しています。女川原子力発電所と茨城県の三菱原燃のデーターの途中が抜けているのは、私がネットを使える環境にいなくて、画像ファイルが取得できなかった部分です。(ネットで公開しているモニタリングポストの測定値をもっと長期間表示しておいてもらったら、放射線の量が減っているのが見えてわかりやすいんですけどね。)

放射線の量の単位は法的な基準値などとの比較を容易にするために、すべてmSv(ミリシーベルト)になおしてあります。
宮城県の女川原子力発電所と茨城県の三菱原燃がインターネットで提供してくださっている計測値はGy(グレイ)という単位なので、すべてSv(シーベルト)に換算してあります。(荷重係数はひとまず1で換算してありますが、これを20にしても20倍になるだけです。)

グラフの中に人体に対する放射線の影響の目安ということで「胃のX線撮影(4 mSv)」と「X線CTによる撮像(7~20 mSv)」の値を横棒線で示しています。
mSv/h(ミリシーベルト毎時)という単位は、1時間の放射線の量をあらわすものなので、たとえば4mSv/h(ミリシーベルト毎時)の場所に1時間いると「胃のX線撮影(4 mSv)」を受けたのと同じだけの放射線をあびることになります。



(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

福島の原子力発電所では、測定のための車が何箇所か移動しながら計測したらしく。事務本館北の測定値は、肝心のピーク値が分かりませんが、ここでは結構大きな値になっていたはずです。(これは測定している人の被ばく線量の管理の問題からあまり高い数値のところで長時間測定できなかったということもあったようです。)現在は、仮設のモニタリングポストで正門、西門、事務本館の3箇所で定点観測したデーターも公開されていて、常設のモニタリングポストの修理も進んできています。(常設のモニタリングポストの結果も公開されていますが、結果の比較がしにくいのと、OCRで取り込むのが大変という理由からグラフに入れてません。)

「福島の原子力発電所の放射線量はたしかに、大きな値ですが、「距離が離れると放射線量はどれだけ小さくなるのか」に書いたように、距離が離れるとこの値は急激に小さくなりますので、避難勧告が出ている範囲から外れた場所では影響はないと考えてよさそうです。」と書いたところ、そうでもないんじゃない?というコメントをもらったので、これに関しては別の記事として調べていくことにしました。

実際、女川原子力発電所のグラフのY軸は500倍の拡大表示、茨城の三菱原燃のグラフは5000倍の拡大表示ですので、値が小さいことがわかっていただけるかと思います。
また、放射性物質の拡散や崩壊によって徐々に放射線の量が減少しているようです。(最近、計画的な放出や事故による原子炉からの放射性物質の放出があまりないためだと思われます。)

それぞれの観測点の位置関係は下記の地図のとおり。

(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

**テキスト形式のデーター

福島第一原子力発電所(モニタリングカー) 2011/03/29更新: http://loda.jp/t7o7k/?id=5
福島第一原子力発電所(可搬式モニタポスト) 2011/03/29更新: http://loda.jp/t7o7k/?id=6

宮城女川原子力発電所: http://loda.jp/t7o7k/?id=2
茨城三菱原燃: http://loda.jp/t7o7k/?id=1

**参考にした資料**
東京電力のプレスリリース。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/

東北電力女川原子力発電所のモニタリングポストの計測値
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/mp.html

三菱原子燃料株式会社のモニタリングポストの計測値
http://www.mnf.co.jp/
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html

放射線の量を表す単位Sv(シーベルト)とGy(グレイ)の単位換算に関してはWikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

東電のモニタリングカーが定点観測できない理由⇒被ばく線量増え測定困難、放射線監視地点移動
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110317-OYT1T00464.htm

東日本大震災:福島第1原発事故 北西30キロ、累積放射線2.8ミリシーベルトに
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110327ddm001040067000c.html

文部科学省が調べた福島第1原発の北西約30キロ付近の4地点で、23~25日の47~50時間の累積放射線量が1・323~2・829ミリシーベルトに達した。
該当する文部科学省の情報は以下のページのもののようだ。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304002.htm


「放射能が漏れる」とか「放射能が飛散する」という用語の誤用

2011-04-03 12:47:46 | 科学

どこかのブログで、「~は、放射性物質は軽減できると思われますが放射能は別物です。」と書いてあったりするのを見かけたので、放射線、放射性物質、放射能という放射線による被曝に関係する用語の誤用に関して書いてみます。

最近ではテレビでもずいぶん改善されてきましたかなと思っていたのですが。先ほど、テレビを見ていたらどこぞの大学の自称?原子力の専門家のセンセが、放射能が漏れたといっていたのでびっくりしました。

「放射能が漏れる」とか「放射能が飛散する」とかという使われ方は間違っています。なぜなら、放射能(ほうしゃのう、Radioactivity)とは、放射線を放射する程度のことです。「能」という漢字が示すとおり放射性物質の「性能」を表す言葉です。

つまり、「放射性物質」というべきところを「放射能」といってしまっているのです。「放射能」の「能」という漢字だと得体の知れない「能力」が漏れているというイメージを与えてしまいますが、漏れているものは放射線を出す性質はありますが物質なのです。

放射性物質が放射性崩壊を起こし放射線を出し、それが人が浴びること被曝というわけで、放射性物質が「放射線を放射する性能」である放射能(Radioactivity)という専門用語は使わなくても全く説明に困るところはないので、誤用を防ぐために使うべきでないです。

「放射能が漏れた」などという言葉の使い方をしている人がいたら、良く分かっていない証拠なのでご注意を。

*********

放射線
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A

放射性物質
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E7%89%A9%E8%B3%AA

 

 


3/16 15:50までの福島第一原子力発電所正門での放射線量をグラフ化

2011-03-16 20:55:04 | 科学
記事の数が増えて、情報がたどりにくくなるのはよくないので放射線量のグラフに関しては、下記のリンクの記事に集約することにします。あたらしい情報はこちらを見てください。
http://blog.goo.ne.jp/t7o7k/e/7f3a0acdc14b8e182fc086919121dd0b


東京電力のプレスリリースで公表されている、福島第一原子力発電所の正門での放射線量のここ最近の測定結果(3/16 15:50まで)をグラフにしてみました。
昨日、作ったグラフの続きです。

プレスリリースのデーターは単位がμSv(マイクロシーベルト)だったので、法的な基準値などとの比較を容易にするためにmSv(ミリシーベルト)になおしてあります。


(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

グラフの中に引いてあるのは、人体に対する放射線の影響の目安ということで「胃のX線撮影(4 mSv)」と「X線CTによる撮像(7~20 mSv)」の値です。何回かの爆発などで、瞬間的に数値が上昇していますが、それでも短時間であれば問題が出ない値のようです。

また「距離が離れると放射線量はどれだけ小さくなるのか」に書いたように、距離が離れるとこの値は急激に小さくなりますので、避難勧告が出ている範囲から外れた場所では影響はまったくないと考えてよさそうです。

**参考にした資料**
東京電力のプレスリリースはここ。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/

人体に対する放射線の影響についてはWikipediaの記載事項を参考にしてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D

距離が離れると放射線量はどれだけ小さくなるのか

2011-03-16 12:40:36 | 科学
距離が離れるとどれだけ、放射線量が下がる落ちるのかを示すために、観測点の位置関係と線量を示した図を作ってみました。

放射線の量の単位は法的な基準値などとの比較を容易にするために、すべてmSv(ミリシーベルト)になおしてあります。
宮城県の女川原子力発電所と茨城県の三菱原燃がインターネットで提供してくださっている計測値はGy(グレイ)という単位なので、すべてシーベルトに換算してあります。(荷重係数はひとまず1で換算してありますが、これを20にしても20倍になるだけです。)

グラフの中に人体に対する放射線の影響の目安ということで「胃のX線撮影(4 mSv)」と「X線CTによる撮像(7~20 mSv)」の値を横棒線で示しています。

女川原子力発電所のグラフは500300倍の拡大表示、茨城の三菱原燃のグラフは30005000倍の拡大表示ですので、いかに小さな値かがわかっていただけるかと思います。


(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

**参考にした資料**
東京電力のプレスリリース。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/

東北電力女川原子力発電所のモニタリングポストの計測値
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/mp.html

三菱原子燃料株式会社のモニタリングポストの計測値
http://www.mnf.co.jp/

放射線の量を表す単位Sv(シーベルト)とGy(グレイ)の単位換算に関してはWikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

3/15 午後11:35までの福島第一原子力発電所正門での放射線量をグラフ化してみました

2011-03-16 08:26:45 | 科学
記事の数が増えて、情報がたどりにくくなるのはよくないので放射線量のグラフに関しては、下記のリンクの記事に集約することにします。あたらしい情報はこちらを見てください。
http://blog.goo.ne.jp/t7o7k/e/7f3a0acdc14b8e182fc086919121dd0b


東京電力のプレスリリースにある、福島第一原子力発電所での放射線量のここ最近の測定結果(3/15 午後11:35まで)をグラフにしてみました。
昨日、作ったグラフの続きです。

プレスリリースのデーターは単位がμSv(マイクロシーベルト)だったので、法的な基準値などとの比較を容易にするためにmSv(ミリシーベルト)になおしてあります。


(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

グラフの中に引いてあるのは、人体に対する放射線の影響の目安ということで「胃のX線撮影(4 mSv)」と「X線CTによる撮像(7~20 mSv)」の値です。短時間であれば、問題が出ない値ではないかと思います。

しかし、おそらく、このデーターを取得されている方は、長時間この環境にいらっしゃるわけですし、もっと原子炉に近い場所で作業されている方は言うまでもありません。
私にできることは応援するくらいしかないのですが、現場で作業をされている皆様を応援してます。

**参考にした資料**
東京電力のプレスリリースはここ。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/

人体に対する放射線の影響についてはWikipediaの記載事項を参考にしてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D

3/15 午後4:30までの福島第一原子力発電所正門での放射線量をグラフ化してみました。

2011-03-15 21:32:42 | 科学
記事の数が増えて、情報がたどりにくくなるのはよくないので放射線量のグラフに関しては、下記のリンクの記事に集約することにします。あたらしい情報はこちらを見てください。
http://blog.goo.ne.jp/t7o7k/e/7f3a0acdc14b8e182fc086919121dd0b

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東京電力のプレスリリースにある、福島第二原子力発電所福島第一原子力発電所での放射線量のここ最近の測定結果(3/15 午後4:30まで)をグラフにしてみました。
(昨日、書いたときに、肝心の発電所の名前を間違ってました。もちろん「第二」ではなくて「第一」です。申し訳ない。)

プレスリリースのデーターは単位がμSv(マイクロシーベルト)だったので、mSv(ミリシーベルト)になおしてあります。


(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

グラフの中に引いてあるのは、人体に対する放射線の影響の目安ということで「胃のX線撮影」と「X線CTによる撮像」の値です。
短時間であれば、問題が出ない値ではないかと思います。
しかし、おそらく、このデーターを取得されている方は、長時間この環境にいらっしゃるわけですし、もっと原子炉に近い場所で作業されている方は言うまでもありません。
私にできることは応援するくらいしかないのですが、現場で作業をされている皆様を応援してます。

**参考にした資料**
プレスリリースはここ。
プレスリリースのPDFから直接データーがコピーできなかったのでOCRを使ってやったのでちょっと苦労した。
ぜひ、PDFのパスワードの保護を外してもらいたいです。外してあれば、すぐにグラフ化できるので。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/

人体に対する放射線の影響についてはWikipediaの記載事項を参考にしてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D

放射線、被曝に関するメモ

2011-03-15 13:49:56 | 科学
さっき書いたブログの内容だけだと、不安になる人が出るかもしれないので、線量の放射線の人体への影響がどのくらいなのかの情報を検索してみた。

単位はミリシーベルト (mSv)
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4 胃のX線撮影。
7 - 20 X線CTによる撮像。
250 白血球の減少。(一度にまとめて受けた場合、以下同じ)
500 リンパ球の減少。
1,000 急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁。
2,000 出血、脱毛など。5%の人が死亡する。
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法律が一般人の許容線量としている1mSv(/年)は、人体にまったく影響が出ないようにと考えて決められた値。

福島の原子力発電所内での報道されている最高値は400mSv/h(ミリシーベルト毎時)なので、この値は人体に影響が出る値のようだ。ただし、離れた場所では拡散され薄まるため、この値よりはおそらくかなり低い値になる。
その場合は、X線CTの検査を受けた場合より低い値になるので、即座に健康に影響が出るということはなさそう。

もし放射性物質に汚染されたときの対処に関しては放医研のページに記載がある。
http://www.nirs.go.jp/index.shtml


**メモ(参考になりそうな値等を検索した)

放射線の人体への影響についてはこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D

Sv(シーベルト)とGy(グレイ)の換算についてはこちらを参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

女川原子力発電所の放射線量の経時変化

2011-03-15 11:17:08 | 科学
記事の数が増えて、情報がたどりにくくなるのはよくないので放射線量のグラフに関しては、下記のリンクの記事に集約することにします。あたらしい情報はこちらを見てください。
http://blog.goo.ne.jp/t7o7k/e/7f3a0acdc14b8e182fc086919121dd0b

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たまたま、福島の原子力発電所での水素爆発があった辺りから、東北電力が公開している女川原子力発電所の放射線量の観測データーのグラフを保存してあったので、プロットしてみました。

ニュース等でも報道されていますが、女川原子力発電所は、安全に停止しているようですので、観測されたデーターは、福島の原子力発電所が放出した放射性物質を反映していると考えられます。

公開されているデーターにもかかわらず、まとめてここに置いておく意図は、東北電力のサイトでは長期にわたる経時変化が見えないことと、リアルタイムのデーターの公開をしてくださっている東北電力のサイトにアクセスが集中して負荷をかけたくないからです。
ちなみに、私は、X線等を使っている研究者ですが、放射性物質の管理や、原子力発電所の構造等に関しては素人同然ですので、ここに上げたグラフは、情報の提供だけが目的です。
ですが、一応、女川原子力発電所で観測されている線量はいまのところ減少傾向にあると言うことだけは書いておきたいと思います。


(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

東北電力の公開している物は微小な変化を見えやすくするためにY軸が対数プロットになっていますが、わかりやすいように線形のプロットになおしてあります。元の画像が荒いこと、対数プロットを線形プロットに直したのでデーター点の精度も荒いですが、時間変化を知る上で参考になります。

線量の単位はnGy/h(ナノグレイ毎時)で、μSv/h(マイクロシーベルト毎時)と比較するには単位換算が必要なので注意して下さい。
単位についてはここを参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

再利用する人がいるかもしれないので、抽出したデーターをcsv形式のテキストでおいておこうと思ったのですが、ここには、ファイルをアップロードする機能がないようです。。。。

**データーについて**
データーのもとは、東北電力のウェブサイトです。リアルタイムのデーターの公開をしてくださっている東北電力のサイトに負荷をかけたくないので、サイトへのリンクは書きません。アクセスは控えていただけると良いかと思います。
後日状況が落ち着いたら、リンクを記載しておきます。

画像からのデーターの抽出は、Engauge Digitizerというフリーウエアでやっています。
http://digitizer.sourceforge.net/


研究者は研究費をつかったら市民講座を開くことが義務付けられる?

2010-04-21 07:55:06 | 科学
朝日新聞「研究費1千万円→市民講座を年1回 研究者に義務化?案」という記事があった。

総合科学技術会議が出した案らしいが、あまりにもずれている案だとおもう。
もちろん、学術関係の広報活動が不足しているということには同意するが、これを実施したとしても、何も変わらないし、むしろ、研究成果の減少を招くだろう。

解決すべき問題はそんなところにあるのではない。

たとえば、大学や研究所が研究内容を分かりやすく発表するプレスリリース。
アメリカでは広報担当者が取材をして、それを元にプレスリリースが作成される。ところが、日本では広報担当者の数が足りない&文章を書ける人材がいないため研究者がプレスリリースを作成する。独立行政法人の研究所では、広報担当者が添削してくれたりもするが、大学ではそれも皆無に近い。
つまり、日本では広報活動をするためのシステムが構築されておらず、それを、研究者個人の能力に頼っているのが現状である。
市民と科学者の交流という観点から考えると、科学をしっかりと理解した広報担当者を拡充すべきだろう。つまり、博士号(あるいは修士?)をもった人材を広報担当者として雇用するのである。これは、いわゆるポスドク問題の解決のための博士の雇用の創出にもつながるのでちょうど良いではないか。

総合科学技術会議が出した案は何の雇用も生み出していない。すでに雇用している人間の仕事量を増やそうというだけの話である。もうちょっとまじめに考えてほしいものである。


ポスドクなどの募集の日本人以外への偏重

2010-04-05 20:24:46 | 科学
ポスドクなどの募集の日本人以外への偏重はどうにかならないのだろうか。

たとえば、独立行政法人理化学研究所の国際特別研究員。
博士課程を卒業し、博士号を取得した若手を対象としたもの、ただし、外国籍に限る。
http://www.riken.go.jp/r-world/research/research/basic/kiso23/index.html

待遇は以下のとおり

給与:年俸制 487,000円/月(社会保険料、税込み)
通勤手当(実費、上限45,000円/月)、住宅手当(家賃の一部)の支給あり。
雇用期間は3年間(給料が高いのは、3年しか雇用されず、その後の雇用は保証されないポスドクだから。)
募集人員は18名程度

同じ条件で日本人を採用する制度は基礎科学特別研究員だが、採用人数は35名程度。つまり、この制度で採用されるポスドクは過半数が日本国籍ではないということ。
募集人数を考えるといかに日本人に厳しく、外国籍に甘いかわかっていただけるだろう。

日本の科学が死に掛けているというのに、しかも税金を使っているのに、日本の人材を育てないというのは意味不明。こういう制度こそ事業仕分けで仕分けるべきだと思う。

外国籍だと審査がゆるくなるというのは、大学等でもありえる。このような甘さが、東大のアニリール・セルカン助教のような、なぞの不祥事を生むのではないかと思えてならない。
http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201004020229.html