或るScientistの徒然なるつぶやき

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福島第一原子力発電所の放射線量の推移と宮城と茨城の数値との比較 (2011/4/8 までのデーター)

2011-04-09 23:18:30 | 科学

データーが公表されるたびに、暇を見つけて順次更新しています。
(同じような記事がたくさん並ぶと見にくいので、この記事を更新しています。)

 

グラフを2011/4/8 までのデーターに更新しました。

 

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東京電力のプレスリリースで公表されている、福島第一原子力発電所の放射線量の測定結果をグラフにして、宮城県の女川原子力発電所と茨城県の三菱原燃での値と比較しています。女川原子力発電所と茨城県の三菱原燃のデーターの途中が抜けているのは、私がネットを使える環境にいなくて、画像ファイルが取得できなかった部分です。(ネットで公開しているモニタリングポストの測定値をもっと長期間表示しておいてもらったら、放射線の量が減っているのが見えてわかりやすいんですけどね。)

放射線の量の単位は法的な基準値などとの比較を容易にするために、すべてmSv(ミリシーベルト)になおしてあります。
宮城県の女川原子力発電所と茨城県の三菱原燃がインターネットで提供してくださっている計測値はGy(グレイ)という単位なので、すべてSv(シーベルト)に換算してあります。(荷重係数はひとまず1で換算してありますが、これを20にしても20倍になるだけです。)

グラフの中に人体に対する放射線の影響の目安ということで「胃のX線撮影(4 mSv)」と「X線CTによる撮像(7~20 mSv)」の値を横棒線で示しています。
mSv/h(ミリシーベルト毎時)という単位は、1時間の放射線の量をあらわすものなので、たとえば4mSv/h(ミリシーベルト毎時)の場所に1時間いると「胃のX線撮影(4 mSv)」を受けたのと同じだけの放射線をあびることになります。



(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

福島の原子力発電所では、測定のための車が何箇所か移動しながら計測したらしく。事務本館北の測定値は、肝心のピーク値が分かりませんが、ここでは結構大きな値になっていたはずです。(これは測定している人の被ばく線量の管理の問題からあまり高い数値のところで長時間測定できなかったということもあったようです。)現在は、仮設のモニタリングポストで正門、西門、事務本館の3箇所で定点観測したデーターも公開されていて、常設のモニタリングポストの修理も進んできています。(常設のモニタリングポストの結果も公開されていますが、結果の比較がしにくいのと、OCRで取り込むのが大変という理由からグラフに入れてません。)

「福島の原子力発電所の放射線量はたしかに、大きな値ですが、「距離が離れると放射線量はどれだけ小さくなるのか」に書いたように、距離が離れるとこの値は急激に小さくなりますので、避難勧告が出ている範囲から外れた場所では影響はないと考えてよさそうです。」と書いたところ、そうでもないんじゃない?というコメントをもらったので、これに関しては別の記事として調べていくことにしました。

実際、女川原子力発電所のグラフのY軸は500倍の拡大表示、茨城の三菱原燃のグラフは5000倍の拡大表示ですので、値が小さいことがわかっていただけるかと思います。
また、放射性物質の拡散や崩壊によって徐々に放射線の量が減少しているようです。(最近、計画的な放出や事故による原子炉からの放射性物質の放出があまりないためだと思われます。)

それぞれの観測点の位置関係は下記の地図のとおり。

(上のサムネイル画像をクリックするとグラフが表示されます。)

**テキスト形式のデーター

福島第一原子力発電所(モニタリングカー) 2011/03/29更新: http://loda.jp/t7o7k/?id=5
福島第一原子力発電所(可搬式モニタポスト) 2011/03/29更新: http://loda.jp/t7o7k/?id=6

宮城女川原子力発電所: http://loda.jp/t7o7k/?id=2
茨城三菱原燃: http://loda.jp/t7o7k/?id=1

**参考にした資料**
東京電力のプレスリリース。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/

東北電力女川原子力発電所のモニタリングポストの計測値
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/mp.html

三菱原子燃料株式会社のモニタリングポストの計測値
http://www.mnf.co.jp/
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html

放射線の量を表す単位Sv(シーベルト)とGy(グレイ)の単位換算に関してはWikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

東電のモニタリングカーが定点観測できない理由⇒被ばく線量増え測定困難、放射線監視地点移動
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110317-OYT1T00464.htm

東日本大震災:福島第1原発事故 北西30キロ、累積放射線2.8ミリシーベルトに
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110327ddm001040067000c.html

文部科学省が調べた福島第1原発の北西約30キロ付近の4地点で、23~25日の47~50時間の累積放射線量が1・323~2・829ミリシーベルトに達した。
該当する文部科学省の情報は以下のページのもののようだ。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304002.htm



4 コメント

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御礼とお願い (嶋田 達郎)
2011-03-20 19:09:37
本整理は18日0;00時で終了していますが、
是非この後も同一グラフに整理してもらえれば
非常に分かりやすいのですが。。。。

科学文部省のDATAはグラフ化されていてわかりやすいが、東京電力は何故グラフ化しないのか
理解に苦しみます。

嶋田
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御礼 (嶋田 達郎)
2011-03-22 14:01:11
22日0時までグラフのアップデートありがとうございます。現状が非常に分かりやすくなりました。
発電所の放射能値のグラフ化は、I/N内でこちらのグラフしか発見できませんでした。一番重要である発電所近傍の放射線値のオフィシャルな経時グラフがないということは、技術者であった私としては、全く理解できません、

実は私もグラフ化をトライしたのですが、貴グラフにも示されているように測定地点がコロコロと変わり、この点についても東電は何を考えているのか全く分からない。定点観測は基本中の基本ですが。。。 マアやはり定点観測できない理由があるのでしょう。。。。
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定点観測できてない理由は。。。 (t7o7k)
2011-03-22 17:45:52
定点観測できてない理由は、どうやら測定者の被ばく線量のコントロールの問題のようです。自動測定できるモニタリングポストが故障しているから仕方がないですが、状況を把握しにくいことは確かです。

被ばく線量増え測定困難、放射線監視地点移動
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110317-OYT1T00464.htm
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避難勧告圏外は安全? (ひとこと)
2011-03-26 16:48:51
避難勧告外では安全とは書かない方が良いと思います。ご存知と思うのですが被曝は距離ではありません。
避難勧告外でも、高い放射線量のところが結構あります。
書かれているように累積で計算すれば、40km以遠でも避難すべきところが結構あります。特に妊婦・乳幼児には。
個人的には圏外でも安全ではなく危険なところが出始めているという認識です。
但し、グラフの公開などは非常にありがたく感じております。
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