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或るScientistの徒然なるつぶやき

つれづれなるままに、日ぐらしPCに向かひて、心に移り行くよしなしごとを、blogに書きつくれば......

世界最古の鋼

2005-05-14 08:10:56 | 考古学
世界最古の鋼と判明 トルコ遺跡出土の鉄を分析 (共同通信) - goo ニュース

トルコの遺跡で見つかった鋼が世界最古の鋼だという事が解ったらしい。

トルコのカマン・カレホユック遺跡から出土したアッシリア商人居留地時代
(紀元前20-18世紀)の鉄片が、最古の鋼だったことが12日までの
岩手県立博物館の分析などで分かった。

鉄よりも強靱(きょうじん)な鋼は高度な製鉄技術が必要。
世界で初めて技術を確立したのは、鉄製武器を背景に
アナトリア(現在のトルコ)で強大な勢力を誇った
ヒッタイト帝国(紀元前14-12世紀)とされてきたが、
さらに400-600年さかのぼり、
製鉄の起源をめぐり議論となりそうだ。


鋼といえばヒッタイトが確かに有名。
ところで、年代はどうやって調べたのだろうか。
武器か何かで木の柄でも付いていたのだろうか。
この辺をニュースに書いてもらえないと情報にならないな。

高松塚古墳 解体へ

2005-04-25 07:43:17 | 考古学
高松塚古墳 文化庁、解体へ着々準備

ヨーロッパの探検隊が世界中の遺跡から壁画等を剥ぎ取って持ち帰っているが、これは必ずしも悪とはいえない、なぜならそれが保存の事を考慮している場合があるからだ。
遺跡は微妙なバランスでたまたま保存されているだけなので、ちょっとバランスを崩すとすぐに壊れてしまう事もあるだろう。
そう、量子力学で記述される電子の世界のように観測すると状態が変わってしまうのだ。

高松塚古墳は今回やっと解体保存のための作業が始まったようだが、今後は遺跡の発掘当初から解体の準備をしておくべきだろう。


似非科学に利用された科学

2005-04-23 10:41:10 | 考古学
三角縁神獣鏡神獣鏡に関する最近の報道について」や「科学の目で見えてきた日本の古代」という文章を読んでかんがえた。

日本の考古学がいい加減な部分を沢山抱えていることは知っていたが、卑弥呼の鏡といわれた「三角縁神獣鏡神獣鏡」もやっぱりうそを抱えているようだ。新聞等で話題になった大型放射光施設SPring-8で行われた三角縁神獣鏡神獣鏡の元素分析も問題があるようだ。
施設のプレスリリースには「三角縁神獣鏡の原材料産地を探る- SPring-8を利用した青銅鏡の蛍光X線分析 -」というタイトルで載っている記事をまとめてみよう。
分析の手法は蛍光X線である。これは、従来から通常のX線源をもちいて行われている成分分析手法で信頼性がある。強度の強いX線源であるSPring-8を使って、さらに微量の元素の成分分析ができるとのことである。この手法そのものは疑いも無く正しくなんら似非科学が入りこむ隙間は無い。

しかし、問題なのは測定された試料である、「三角縁神獣鏡神獣鏡に関する最近の報道について」によると、この測定で中国製の鏡だとされた銅鏡は「泉屋博古館所蔵の鏡はほとんどが出土地不明」とかかれており、比較対象としている鏡がすでに怪しい。これでは、えられた結果が正しいかどうか判断できなくなってしまう。
(もちろん、文化財保護などという名目で測定対象を壊さずに測定できる蛍光X線分析ですら許されなかった可能性もあるが。)
また、実験結果を考察するのに材料の再利用が行われていた可能性を考慮していないようである。
複数の材料を溶かしてあわせて作った物は当然均質になるので、SPring-8を利用した青銅鏡蛍光X線分析結果のように、狭い領域に分布することがおきる。
結局、この結果は「三角縁神獣鏡神獣鏡」が同種の材料を用いて作成されたということを言っているに過ぎないようである。この実験結果をもって、「三角縁神獣鏡神獣鏡」を中国製と断定した報道がされたが、これは正しいとは言いがたい。

似非科学に先端科学技術が利用されてしまったようである。

レバノン杉

2005-03-09 19:11:57 | 考古学
古代史でよく登場するレバノン杉(船の材料等々)、伐採で完全になくなってしまったのかと思っていたら、結構古いのが残っているらしい。
現在、植林をして保護をしているそうだ。
数千年にわたって地中海沿岸の文明の発展を支えた森、植林で元に戻るには当然数千年かかるわけだ。
気の長い話だが、人類が地球で生きていくためには、壊してしまった部分を少しづつ修復する努力は大切である。

レバノン杉、復活の兆し 伐採監視・植林…徐々に回復 (朝日新聞) - goo ニュース

カビ@高松塚古墳

2005-02-23 12:20:35 | 考古学
「高松塚古墳は直径23mの円墳、カビの原因特定できず」だって。

こういうのって不活性ガス(窒素とかヘリウムとか)を充填して保存できないのかな。窒素中では当然カビは息ができないので死滅するし、色素とかの酸化も防げる。ポテトチップスとかは窒素ガス充填されているはず。
窒素だったら安いし使えそうなのに。圧力を大気圧より少し上げておけば、水が入りにくくなるはずだし。

こういう壁画みたいな資料を、「貴重だ!貴重だ!」といって触らずにいると当然保存もできないってことがよくわかった。

http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20050222i511.htm