鶴岡法斎のブログ

それでも生きてます

奥崎謙三の死

2005-06-29 03:45:35 | 雑記
奥崎が死んだ
ニュースとしての速報性は大して問題にしていないし、自分はこの人の著作や映画「ゆきゆきて、神軍」は見たものの、特に関わりがない。いや意識的に関わらないようにしていた。
自分は映画と数冊の著作を読んで、この人から「レベルを超えた狂気(もしくは覇気)」を感じた。
動物的な直感かもしれないが「関わったら死ぬ」と思った。この人の力が強すぎる。
この辺は感覚的な問題であるし、非常に伝わりにくいのはわかるのだが、自分はあるレベルを超えた奇人なり怪人と関わるとこっちの力が飲み込まれて死ぬ、と勝手に思い込んでいる。
奥崎はその関わってはいけない人の筆頭の一人だった。
90年代半ば、彼が出所するという時は世はサブカル、悪趣味ブームだったと記憶している。
自分は数人の編集者やライターからこの出所劇を見ないか、と誘われた(そのかなり遊び半分なノリで)。
しかし自分は頑なに断った。
そして出所当日も念入りに家から一歩も出ずに、布団に潜っていた。
「固体認識されたら死ぬ」と呪文のように唱えながら。

俺は臆病者だと思う。
そして奥崎は根本敬さんによって映画が撮られた。詳しくは知らないがその過程で根本さんですらかなりのトラブルに巻き込まれたらしい。
名盤解放同盟ですらトラブルに巻き込まれるものを、俺が相手にしてはいけない、と妄想は確信に変わった。
俺にとっては奥崎はその思想性云々よりも存在そのものが生きた「入らずの森」だったのだろう。禁忌な存在なのだ。
だからその面白さは認めつつも絶対に関わらないようにしていたのだ。
奥崎は冥府に旅立った。
臆病者として、その死を追悼する。あの世で達者で。

余談ではあるが俺が関わってはいけない、と思っている人間はあと2人いてどちらもまだ存命だ。
臆病者なので当然のように固体認識されずに済んでいる。

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1 コメント

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Unknown (あう)
2005-06-30 23:22:49
上官を問い詰める→天皇狙撃未遂

何というかこの極端さが豚小屋発犬小屋行き

なんでしょうね。

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